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『植草甚一スタイル』

植草甚一スタイル (コロナ・ブックス (118))
コロナ・ブックス編集部
458263415X


 植草甚一(うえくさじんいち)、ニックネームは「J・J」。1960年代後半から1970年代にかけて人気のあった海外ミステリー、映画、ジャズの評論家です。付け加えるならば、現代を代表する道楽者。明治生まれの伊達者。といったところでしょうか。

 この本には、植草本人の文章はあまり出てきません。ところどころに引用があるだけです。本人が写っている写真、日記、落書き、コラージュ、様々なコレクション類の写真(とその解説)が中心で、合間にかかわりのあった人による回想などが入ります。

 あくまでもJ・Jがどんな人であったかを伝えようとする構成ですから、ミステリー、映画、ジャズのどれにも興味がなくても大丈夫です。そういう意味では、植草甚一入門に最適の一冊です。

 正直、この人の書いたものにはあまり興味がなかったし、気取った爺さんくらいにしか思っていませんでしたが、この本を読んで、認識をあらたにしました。

 とにかく自分のスタイルを持った人です。とてつもなく個性的なファッションに身を包み、町を歩き、小物類や古本などを抱えきれないほどに買い込んで、喫茶店でパイプタバコとコーヒーで一休み。

 ファッションに関心がなく、ほとんど買い物もせず、ましてやミステリーなどまったく読まず、煙草も吸わず、コーヒーも飲まない私にはできない芸当ですが、なぜか共感します。素敵だなあと思ってしまいます。

 J・Jは道楽者ですが、仕事をほどほどにしようと考えていたわけではないようです。じゃんじゃん原稿を書いて、気に入ったものをどんどん買います。

 本当に独自のライフスタイルを貫いた人だったようです。好き嫌いはともかく、こんな人がいたんだな、と知るだけでも価値があるような人物です。

 高平哲郎が書いたエッセイにあるJ・Jの言葉が素晴らしいので引用します。

 「ぼくは植草さんとはジャズと映画に関しての会話しかできなかったけれど、教わったことは多い。「したくないことをしない自由」と「リラックスして生きる」―――この二つだけでも十分すぎる。」(『少年が迷い込んだ異端のジャズ・ワールド』高平哲郎)

 いうまでもなく、この人は「したいことをする自由」も享受していました。私にとっては理想的な生き方をした一人です。


植草甚一日記 (植草甚一スクラップ・ブック)
植草 甚一

植草甚一日記 (植草甚一スクラップ・ブック)
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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