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『徒然草』 友と読書について

徒然草 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
角川書店
4043574088


 「気持ちのぴったり合うような相手と、心静かに語り合い、おもしろい話題や人の世の無常などを取り上げ、本音を吐いてすっきりするのは、楽しいに決まっている。しかし、そんな相手はいるはずもないので、相手の意に反しないように、気を遣いながら向かい合っているとしたら、逆に孤独感が湧いてくるのではないだろうか。」(第十二段)

 人間関係に期待をすれば失望するのは必定です。孤独感はやがて理想の友はいないという諦念へと変わります。どうせ俗世にいても友は得られないのだからと、またひとつ兼好の中で遁世へ向かう理由が増えたことでしょう。

 意見が合わなくても議論をして楽しめばよいだろうとの反論に対して兼好はこのように答えます。

 「退屈しのぎにはよいだろうと思う。けれども、実際には、人の世を嘆く話題のときでも、自分と少し合わない相手の場合、雑談している間は我慢できるが、ほんとうの心の友に比べると、遠く及ばないものだと思い知らされて、なんとも寂しくなってしまう。」(第十二段)

 まったくですねといいたくなります。退屈しのぎにはなるけど、なんか疲れます。軽い雑談なら我慢できます。で、どうしても人との付き合いは軽い話題でその場をしのぐことになります。

 理想の友がそもそもいるのかどうかもわかりません。他人に高い理想を求めることが間違っているのですから、お互いあまり踏み込まず、そこそこの関わりでやりすごすのが大人の付き合いというものでしょう。

 しかし、物足りなさは残ります。心の隙間をどう埋めたらいいのでしょう。

 「独り灯火のもとで読書して、作者や登場人物など、知らない昔の人を友とするのは、何よりも心が安らぐ。
 書は、『文選』の感銘深い巻々や『白氏文集』『老子』『荘子』などがふさわしい。我が国の博士たちの書いた本も、昔のは心にしみる内容のものが多い。」(第十三段)

 書物の中に友を見出すことがその答えでした。このようにして読書人はうまれるのかもしれません。

 原文には「見ぬ世の人を友とする」とあります。いい表現です。徒然草にはこのようなうまい表現がよくでてきます。現代語訳で読んでいて、ふと気になったところがあれば原文を読んでみることをお勧めします。徒然草の魅力は、内容とともにその名文にもあります。

 兼好が好んだ書物は古典です。『文選』は中国の古典のアンソロジー。陶淵明の「帰去来辞」も含まれています。『白氏文集』は白楽天(白居易)の作品集。『老子』『荘子』はいわずと知れた脱俗的な哲学書です。兼好にチョイスにシンパシーを覚えます。

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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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