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寄り道ができない社会

 日本の生産性の高さからいえば、好きなことをして暮らすなんて簡単に実現できそうなのに、実際はむずかしいのが現実です。必要なだけ働いて、後は好きに暮らしたいと思っても、ほどよい労働時間の仕事を選ぶという選択肢がありません。

 今の日本には正規雇用の範囲で労働時間を自由に選べる会社はほとんどありません。フルに働くのでなければ、アルバイトやパートでの労働を選ぶことになります。ところがこの非正規雇用は労働条件とても悪いのです。各種保証はなく、低賃金、さらにいつ首を切られるかわからない不安定な身分です。

 それならば自分でいろいろな可能性を試してみればいいだろうという意見もあるでしょう。しかし、一度道を外れた人間に日本の企業はとても冷たいのです。失敗をしてもまた正規雇用で就職ができるならチャレンジもできますが、失敗が許されないことが大きなプレッシャーになっています。

 学校卒業から現在までの経歴に空白があるのは大きなマイナスです。とりわけ正社員の経験のない者は採用場面で大きなハンディを背負います。

 日本企業の多くは新卒一括採用をしています。高校や大学を3月に卒業して、4月に企業に入社して仕事を開始します。このコースから外れることは基本的にできません。新卒採用で就職できない人は、経歴に空白ができます。一度そうなると、本来の採用予定枠に入れてもらえません。そして、新卒採用から漏れてしまうと、なかなか正規のルートに戻ることは許されないのです。
学校を卒業したらしばらく好きなことをする時間を作りたいとか、自分探しの旅に出たいなんて希望は受け入れてもらえないのが、日本の雇用の常識です。

 就職氷河期で新卒採用されたかった多くの人たちが今でもフリーターをしています。彼らが就職しようとしたとき、たまたま企業の採用が減っていただけです。運が悪いだけなのですが、新卒でフリーターをはじめてしまうと、なかなか正社員にはなれません。

 何か失敗があるような人間も企業は採用したがりません。アメリカでは起業して失敗してもそれを肯定的に評価しますが、日本では起業して失敗すれば、「会社をつぶしたやつ」とネガティブに部に評価します。これでは怖くて自分を試すことができません。

 中高年にとって転職は危険な賭となっています。よっぽど能力がある人は別として、中高年でリストラでもされれば、なかなか仕事は見つかりません。よしんば見つかったとしても、年収はがくんと落ちます。アメリカのように転職によってどんどん条件をよくしていける人は少ないのです。

 実際に35歳から59歳までの男性の中高年の非正規雇用者はかなり増えています。1997年の68万8千人から2002年の116万4千百人へと、1.7倍に急増しました。中高年が一度離職してしまうと、正規雇用に戻るのは困難です。

 失業者を対象にした教育にも私は携わっていますが、ここでもやはり年齢差別の問題を実感します。若い人に比べて中高年は圧倒的に仕事を見つけにくいのは間違いないことです。おおかたの中高年にとって転職は生活の危機を意味します。

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