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『ルポ貧困大国アメリカ II』 企業と政府がつくりだす経済奴隷

ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)
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 堤未果著

 驚愕のアメリカ貧困リポートの第二弾です。

 とりあげるのは、教育ローン、年金などの社会保障、医療保険、刑務所での低賃金労働です。

 アメリカの貧困はたんに低所得者の生活が苦しいとかいうレベルの問題ではなく、企業が政府と癒着して意図的に学資ローン漬け、医療難民、受刑者を生み出しているとこうことです。一生かかっても返済できない債務を負いどうあがいてもはい上げれないような状況に人間を追い込むシステムが作られていることです。

 アメリカ型の自由主義は本当に恐ろしいものです。強い立場の人やグループが弱い立場の人間から徹底的に搾取する構造を生み出し、どんどん強化しています。私たちはさんざん社会主義や共産主義の失敗や恐ろしさを吹き込まれてきましたが、自由主義経済もここまでくるとほとんど悪夢であることがわかります。

 悲惨な状況に陥らないように各人が気を付けるべきだという考えは当然あるでしょう。2005年のアメリカ人の貯蓄率はゼロになったそうです。原因の一つはひたすら消費を追いかける馬鹿げた生活習慣のせいですが、そのように洗脳された結果だとも言えますし、洗脳されやすい無批判的で怠惰な思考力と無教養のせいであるとも言えます。

 とくにショックを受けたのは刑務所の話です。民営化された刑務所や関連企業が多くの受刑者を意図的につくりだしているのです。

 マイケル・ムーアの映画で紹介された例では、ペンシルバニアの民営更生施設が裁判官に賄賂とともに圧力をかけ「路上で騒いだり、教師の悪口をネットに書き込むなどの行為で逮捕された若者たちに有罪判決を出させ、刑期を意図的に引き伸ばしていた」といいます。若者の逮捕率の上昇は、多くの州でも見られる現象です。そして、今後はホームレスを違法化しようとしています。

 信じられないような話ですが、刑務所に入るとなにかとお金がかかり借金を負わされる構造になっています。貯金のないものが一度逮捕されたら、終わり。借金を背負い、社会に戻っても就職はできず、再犯をおかし、刑務所に戻る。そして出所すれば、次に捕まるときはスリーストライク法で終身刑に追い込まれるのです。

 受刑者が異常な低賃金労働者として利用されている実態など一体どこの独裁国家だろうかと思うほどです。「世界を飲み込もうとしているのは、「キャピタリズム(資本主義)」よりむしろ、「コーポラティズム(政府と企業の癒着主義)」の方だろう」と著者は警告します。

 日本がこうした社会にならないようにするためには、一人ひとりが市民であるための教養を身につけ、社会を監視していかなければならないのでしょう。マスコミもまた企業ですから、そう簡単に信じるわけにはいきません。インターネット上のジャーナリズムが盛んになることも大切でしょう。


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