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『右大臣実朝』 有名な作品だけど、ホントつまらない

惜別 (新潮文庫)
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 太宰治著

 鎌倉幕府第三代将軍である源実朝を主人公にした小説。語り手は実朝に仕えていた小姓の「私」。

 正直、読みにくいです。吾妻鏡などの古い歴史書からの長い引用を古文のままぽーんと投げ出しているのはどういうわけか。不親切という印象を持ちます。語りの部分も一文が長く、うねうねと改行なく続き、描写というより説明的で、会話もほとんどなし。登場人物に付いての解説もほとんどないので事前に歴史の勉強をしておかないとついていけません。

 「私」の語りは上品そうないかにも作った口調で太宰らしからぬ文体に挑戦していながら、ときおり変に下卑ていて、太宰節が顔を出します。

 実朝を持ち上げたい心情が満々であるのはいいとして、実朝がそれほど魅力がある人物とは思われないのは、私がもはや若くないし太宰ファンではなくなったからかもしれません。

 終盤の公卿禅師と「私」のやりとりだけが、会話が多く、ちがった小説の印象です。公卿禅師に自由に語らせることで公卿禅師の印象を強めたかったのかもしれません。

 肝心の場面の多くが古文書からの引用であるのはいただけないです。とくに最後の暗殺の場面が引用だけとは、小説家としての仕事の放棄というものです。

 散々な評価をしていますが、太宰ファンには評価の高い作品です。有名なセリフもありますし、太宰がかねてより尊敬していたという実朝を描いているという意味でも重要な作品です。

『惜別』は昔読みましたが、今回は『右大臣実朝』のみなので、こちらだけ感想を書きました。


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