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『祖国とは国語』 愛国心と祖国愛をわけて考えよう

 つづき

 愛国心と祖国愛をわけて考えるべきとの提言は示唆に富んでいます。

 日本では愛国心とひとことでまとめていますが、英語では「自国の国益ばかりを追求する主義はナショナリズムといい、ここでいう祖国愛、パトリオティズムとは峻別されている」といいます。

 祖国愛とは、「祖国の文化、伝統、自然などをこよなく愛するという意味」です。最近の若者に見られる日本回帰の和志向も愛国心ではなく祖国愛でしょう。

ナショナリズムは邪であり祖国愛は善である。邪とはいえ、政治家がある程度のナショナリズムを持つというのは必要なことと思う。世界中の政治家がそれで凝り固まっている、というのが現実であり、自国の国益は自分でしか守れないからである。
 一般国民にとって、ナショナリズムは不必要であり危険でもあるが、祖国愛は絶対不可欠である。わが国語にこの二つの峻別がなかったため、戦後、極めて遺憾なことに諸共捨てられてしまった。悔まれる軽挙であった。現在の政治・経済・外交における困難の大半は、祖国愛の欠如に帰着する、と言ってさして過言でない。


 政治家にはナショナリズムも必要だが、一般国民には祖国愛が必要、というわけです。日本の不幸は、羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹くかのように、軍国主義を否定するあまり、日本を愛することはなんでもダメみたいなことをいうようになったことでしょう。

 かといってその反動としてナショナリズムに染まってはいけません。もちろん政治レベルでの国益の追求は正当ですから、どういうレベルでの話なのかを慎重に見ながら判断しなければなりません。

 本書の後半には、家族ネタのエッセイがいくつか収録されています。そのほとんどがどうでもいい内容ですが、最後の「満州再訪記」だけはなかなかよかったです。

 内容は、母親の藤原てい、藤原正彦夫婦、三人の息子、父親の新田次郎と関わった二人の編集者による満州旅行の記録です。藤原氏は満州生まれ、二歳で引き上げを経験します。さすがに本人の記憶はないわけで母親の書いた『流れる星は生きている』などで、当時の記憶が構成されています。ですからこの旅行は話だけは聞いている生まれ故郷をたずねる旅となっています。

 それだけならばどうということもないのですが、当時の歴史的状況や生活ぶり、引き上げ前後の父母の苦労をも記述しているため、立体的な構成となっていて、戦争の一断面を知るにはいいエッセイとなっています。
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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

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