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大学の供給過剰がまねく学力デフレ その2

 大学の淘汰を促すには適切な競争が起こることが必要です。適切な競争とは、大学間の競争だけではなく、大学と専門学校などの職業学校との間での本来の機能を志向した競争です。つまりどちらの選択肢が学生にとって有利であるかを明確にすることで大学の淘汰が進むことを期待するわけです。

 たとえばデパートの淘汰を考えてみましょう。デパートの淘汰はデパート間の競争の結果というよりはデパートの顧客が量販店や低価格衣料店に流れた結果として起こりました。消費者のニーズの変化に応える量販店や低価格衣料店との競争に負けて、デパートは多くの店舗を閉店せざるを得ませんでした。しかし、これは価格競争で負けたというよりも、高級志向と低価格志向との顧客の分離の結果起こったことです。

 大学も同様に職業学校とは違う機能を果たしながら学生を振り分けることで淘汰されるべきです。大学は学問の府であり職業学校は職業教育の府です。それぞれに入学する学生は本来別の志向を持っているはずです。大学は大学にふさわしい学生のみを入学させ、大学の機能を果たしつつ淘汰されるのがその向かうべき道です。

 こうした競争が進むためには、第一に職業学校の卒業生を企業が進んで採用する必要があります。そうしなければ、学生が職業学校を選ぶメリットがありません。第二に、大学に行っても投資効果がないこと場合があることを学生側が認識することです。第三に、すぐれた職業訓練を行う職業学校が増えることです。

 そのためには企業が現実を冷静に分析し、名ばかり大学生を採用することのデメリットをはっきり知ることが重要です。大学の講義を受けるには能力が不足する学生が4年間を大学で無駄に過ごした後に企業に入ることと、職業訓練をみっちり受けが学生が企業に入ることのどちらがその企業にとってよいことなのか、底辺大学の学生を採用している企業はよく理解すべきでしょう。

 それに応じて学生やその親の認識は自然に変わります。大学に行っても就職ができない、正社員になれないのであれば、無駄な投資を控えるようになります。時間とお金を費やしてもほとんどリターンのない大学ならば、いずれ入学者はいなくなるはずです。

 すぐれた職業学校を増やすにはそれなりのてこ入れが必要です。簿記やコンピュータなどの専門知識を教える学校はありますが、もう少し汎用性のある職業訓練がおこなわれる必要があります。

 Benesse教育研究開発センターが企業の採用担当責任者を対象に「社員採用時の学力評価に関する調査」を行いました。

 企業が採用時に評価するさまざまな能力要素を重視度の高いものから順に並べると次のようになります。
(1)「社会人としての常識・マナー」
(2)「チームワーク力」
(3)「自己管理力」
(4)「問題解決力」
(5)「リーダーシップ力」

 こうした能力は大学でないと身につけられないものではありません。むしろ大学ではこのような教育はしていません。職業学校でこそ仕事に必要とされているこれらの能力開発に力をいれるべきです。

 職業学校は特定科目に専念するあまり、学生のポテンシャルを高めることができないでいました。企業は即戦力よりも潜在力のあるポテンシャルの高い学生を欲することが上記アンケートでわかっています。

 そろそろ職業学校の再検討をすべき時期に来ているのではないでしょうか。

 専門学校等が変わるためにはカリキュラム変更が必要です。カリキュラムを変えるには行政が示す専門学校のカリキュラム規定の変更が必要になります。

 その結果、企業が望む人材を職業学校が排出できれば、企業は職業学校からより多くの人材を採用するようになり、大学と職業学校の間に適切な競争が起きて、棲み分けが進み、大学は淘汰されることになります。結果、大学は大学教育にふさわしい人材だけを入学させて大学の機能を果たして行くことが可能となります。

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テーマ : 専門学校
ジャンル : 学校・教育

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Author:Cozy
情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

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