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大学の供給過剰がまねく学力デフレ その1

 西日本新聞のWebの記事が面白いです。推薦とAO入試により大学入学者の質の低下が加速されているという内容でした。

【連載】入試と学力<5>大学編 学生の質と数、確保に苦心 推薦・AO 見直し課題に(2010年2月9日掲載)

 記事では入試方法の見直しが課題だといっていますが、推薦とAO入試の枠を減らしたとしてもそれで解決とはならないでしょう。

 『学力低下は錯覚である』(神永正博)によれば、「今と昔の大学入試の偏差値を換算してみると、今の偏差値50は15年前の偏差値42に相当する」といいます。つまり「偏差値42の学生が「ふつう」の大学生になっていることで、学力低下しているように見える」というのです。早い話が大学に行くレベルではない人が大学に行っているだけで、学力低下の問題ではないということです。(ただし、学力低下があることを示した実証研究も出ています)

 だからとって大学に行くレベルの学力を身につけさせればいいだろうというのも非現実的です。なにしろ勉強をしなくても入学できるのですから。

 需要と供給の関係で説明するとこうなります。入学希望者という需要の不足、募集人数の多さという供給の過剰があります。大学側は安売り=入試レベルの引き下げという策にでます。学生側には競争原理が働かないため学力向上への努力がみられません。その結果が学生の学力低下という学力デフレとなります。大学側が学生数を増やそうとする対策、たとえば推薦枠の増加やAO入試、受験科目の縮小などはすべてこの学力デフレを加速します。

 まとめるとこうなります。

 1.大学進学率上昇により低学力の学生まで大学に行くようになったこと。
 2.大学の供給過剰による学生の競争原理低下。
 3.大学の供給過剰による大学の入試レベルの引き下げ。

 この問題を解決するには大学数を減らすのが最も合理的です。需要の喚起をして入学者を増やす対策は状況を悪化させるだけです。子どもの数が急に増えることはないのですから、理由1により、低学力の学生を呼びこむことになります。ますます質の悪い学生を増やすだけです。

 大学側が募集人数を減らすという方法も理屈の上ではありますが、大学自身があえて経営を苦しくする選択はしないでしょう。現実的ではありません。

 問題は大学数の減少をどうやって実現するかです。

 行政がなんらかの手段で大学を減らすのか、市場の選択により淘汰されるのか、いずれかではないでしょうか。

 公立大学の独立法人化という動きを見ているとおそらく、行政も市場の選択を期待しているのではないかという気がします。さすがに行政が直接的に大学をつぶしにくるとは思えません。市場原理による淘汰がもっとも合理的でしょう。

 では、大学がつぶれるのをただ黙って見ていればいいのでしょうか。それで淘汰が進むのでしょうか。

 つづく。

学力低下は錯覚である

学力低下は錯覚である
調査報告「学力低下」の実態 (岩波ブックレット) 学力低下論争 (ちくま新書) 不透明な時代を見抜く「統計思考力」 名ばかり大学生 日本型教育制度の終焉 (光文社新書) 未来思考 10年先を読む「統計力」
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テーマ : 大学受験
ジャンル : 学校・教育

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