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『日本絶賛語録』 かつて日本人という稀有なる民族がいた

日本絶賛語録
村岡 正明
4093877459


 村岡正明編。

 本書は、幕末と明治時代を中心に、外国からきたおもに白人たちが日本および日本人について語った賞賛の言葉を集めています。大正、昭和を含み、魯迅など東洋人も含まれていますが、それはごく少数で、欧米人の視線が江戸の気風が残る日本をどのように捉えたのかを編集なし、解説なしで、読ませてくれます。

 この試みは成功だったと思います。引用された著者たちの感動が直に伝わってきて、こちらも感動をせざるを得ません。

 目次は次のとおりです。

 第1章 世界を驚かせた礼儀正しさと親切さ、治安のよさ
 第2章 世界を驚かせた聡明さと知的創造力の旺盛さ
 第3章 世界を驚かせた勤勉さと職人ワザの驚異
 第4章 世界を驚かせた芸術民族ぶりとユニークな宗教観
 第5章 世界を驚かせた天然自然の美しさ
 第6章 世界を驚かせた女性の優美さと世界一幸せな子どもたち
 第7章 世界を驚かせた優雅で愉しみに満ちた和流スローライフ
 第8章 世界を驚かせた永遠に忘れ得ぬ日本人

 これだけでどんなことが書いてあるかある程度予想できそうですが、実際読んでみると、想像以上の日本人の姿がそこにあり、もはや現代の日本人とは別の民族ではないかと思えるほどです。

 今の日本人が引き継いでいるものもありますが、失われたものの大きさを、痛みとともに感じさせられます。明治以降の西洋化がやはり日本人を変えたのだと実感しました。

 E・スエンソンの『江戸幕末滞在記』を読んだ時も同じような感慨をいだいたですが、今回、多くの西洋人の絶賛の言葉に出会って感激を新たにしました。こんなに多くの絶賛の言葉を浴びると失われた文明への追慕が募ります。かくも素晴らしい文明を江戸の末期に完成させていたのだ、と。

 もちろん悲惨や理不尽はありました。その意味では改良の余地は大いにあったのですが。

 残念なのは、編者による「あとがき」です。口汚くその後の日本の歴史を罵倒し、イデオロギー色をばらまいています。もう少し慎み深いあとがきで締めてくれれば、読後感はさらによかったでしょう。

 将来の日本を予見するペリーの言葉はとくに印象的でした。

日本の手工業者は世界に於ける如何なる手工業者にも劣らず練達であって、人民の発明力をもっと自由に発達させるならば日本人は最も成功している工業国民に何時までも劣ってはいないことだろう。(略)日本人が一度文明世界の過去及び現在の技能を所有したならば、強力な競争者として、将来の機械工業の成功を目指す競争に加わるだろう。
     『ペルリ提督日本遠征記(四)』ホークス編、岩波文庫



 はたしてその通りになるわけですが、時は悪く帝国主義の時代でした。日本は列強に飲み込まれまいとして工業化とともに軍事国家への道も突き進みます。その過程で多くの日本的なものを意識的に捨て、無意識のうちに失いました。そしてひどい敗戦。アメリカによる占領から独立した後は急速な民主化とともにアメリカナイズされてゆきました。(それでもどっこい日本ではあります)

 ペリーの予測はある意味輝かしく結実し、ある意味悲惨に終わりました。

 もしかしたら今はまた新たな転換期なのかもしれません。そんな気がします。今度、大きな変貌を遂げるとしたら、日本的なものを大切にした変貌であって欲しいものです。


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ジャンル : 本・雑誌

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