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『いーじゃん!J-POP だから僕は日本にやって来た』 重金属男によるJ-POP分析が秀逸

い~じゃん!J-POP -だから僕は日本にやって来た- マーティ・フリードマン
日経エンタテインメント!
4822263193


 マーティ・フリードマン著。

 日本語ペラペラのロングヘアー米国人。ヘビーメタルバンド、元メガデスのギタリストであったマーティ・フリードマンの音楽的半生とJ-POP分析。

 マーティはJ-POPが好きで移住を決めたそうです。ヘビメタとJ-POPではあまりに違いすぎますが、彼はJ-POPの音楽としての多様性、柔軟さ、日本人らしい細かい工夫などにひかれていて、その絶賛ぶりは想像を遥かに超えます。

 「マーティが選ぶJ-POP TOP40」を見ると、アイドル的な女性歌手が多数載っています。とりあえずトップ10はこんな感じ。

 1位 I'm Proud/華原朋美
 2位 明日/平原綾香
 3位 チュッ!夏パ~ティ/三人祭
 4位 ね~え?/松浦亜弥
 5位 Shock of Love/相川七瀬
 6位 雪の華/中島美嘉
 7位 Yeah!めっちゃホリディ/松浦亜弥
 8位 My Treasure/Ruby Gloom
 9位 Silent love ~ open my heart/倉木麻衣
10位 桃色片想い/松浦亜弥

 冗談かと思うくらいキャピキャピした曲が並んでいます。松浦亜弥がどんだけ好きなんだ、と。

 しかし、たんなるアイドル好きではないことは本書を読むとわかります。日米の音楽観の違いをじつによく分析していて感心します。

 アメリカではジャンルの混交ということはあまり起こりません。しかし、日本では演歌にはハードロック的なギターが普通に入っています。石川さゆりの『天城越え』のギターなどはアメリカだったらヘビメタ以外の音楽では使われないとか。ZARDのバックのギターの刻みもメビメタでおなじみの手法です。ディープ・パープルの『ハイウェイスター』なんかがまさにこれです。ヒップホップが歌謡曲的なメロディの途中に使われます。欧米ではプログレッシブロックでしか使われない変拍子がごく普通に織り込まれています。(民謡は変拍子の嵐であるという指摘には驚きました)

 歌手の歌い方も日米で大きく違います。マライア・キャリーやセリーヌ・ディオンのような歌い上げるタイプの歌手は、曲の内容とは関係のなく、サビの部分で叫ぶように歌います。技術を見せつけるために歌い上げ、本来のメロディをこわすアドリブをまじえます。その結果、曲の魅力が損なわれます。

 日本人歌手はメロディに忠実で、メロディを大切にしています。また、ヘタウマという独特の唱法は、女性らしさを表現し、親近感を抱かせます。

 アメリカの女性歌手は地声が低く、高い音は大声でないと出せないという事情もあるようです。こうした叫ぶように歌うところがマーティは特に嫌いだそうです。日本の女性歌手は地声が高く、叫ばずとも高い音が出せるので、自然に歌えるのだとか。

 これらJ-POPの特異性を日本人はほとんど意識していません。人に指摘されてやっと分かることです。

 しかもこうした指摘ができるのは日米の音楽に精通している人だけです。マーティが日米の音楽に詳しいから可能な分析であり、指摘なのです。

 本書は音楽の文化人類学です。日本の音楽評論家の誰もできなかったアメリカ人一流ミュージシャンによるJ-POPの音楽文化論です。J-POPが好きかどうかとは関係なく、音楽文化論として読んでみてください。

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テーマ : j-pop
ジャンル : 音楽

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Author:Cozy
情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

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