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『量子の新時代』 佐藤文隆他 量子論はわからないものと諦めよ

SF小説がリアルになる 量子の新時代 (朝日新書 187)
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 量子論が現代のエレクトロニクスの理論的基礎となっているとは知りませんでした。もっと現実とは違うところで理学的に追求されている世界の話だと思っていました。なんという無知。

 第1部は科学ジャーナリストの尾関章による量子論を身近なイメージで理解させようとする試み。成功していませんし、理解できません。そもそも量子論がどういうものなのかの説明がなく、いきなり比喩的な説明が続きます。本の構成が間違っているのです。

 最後の方の紹介されていた二重スリットの実験の話だけは面白かった。つまらない比喩はいらないから、どういう実験があってのかとわかりやすく語ってくれればいいのに、と思いました。

 第2部は量子情報を専門とする科学者の佐藤文隆へのインタビュー。量子暗号、量子コンピュータなどの先端技術に話題が及びます。

 盗聴されると痕跡が残るという量子暗号は近いうちに実用化しそうです。盗聴すると量子の重ね合わせが崩れるのだそうです。それが検出されれば盗聴した証拠である、と。そもそも量子の重ね合わせという概念が難しいのですが。

 並行処理ができる超高速の量子コンピュータは演算結果が保証されていないということに驚きました。例えば、暗号解読に使われる素因数分解では、検算して間違っていれば、また計算するのだとか。

 科学者の佐藤文隆による第3部は、量子論の歴史のような話。とくにアインシュタインと量子論の関わりが多く扱われています。意外なことに量子論の前期はアインシュタインが貢献したのだそうです。アインシュタインというと量子論に異を唱えたことで有名ですけど。

 佐藤氏が面白いことを書いています。

絶対に私たちを「わかった気にさせない」のが量子論なのである。


 なるほど。「なんかわからねーなー」というのが正しい感想なんですね。確かに量子論は通常の論理で理解しようとすると矛盾があるし、イメージが出来ません。本書を読むと科学者も量子の世界がキチンとイメージできていないことがわかります。計算上はきちんと答えが出せるので操作的には納得できるらしいのですが、通常の理解をしようとするときっぱりと撥ねつけられます。それが量子論。

 第2部の井元氏もこういっています。

 直感的には、「波束の収縮」などは奇妙なものでした。しかし、量子力学の理論を信頼して自分でも計算してみると、たしかに、実験で得られたデータなどに合っている。だから、最終的には私は納得することができました。


 シュレーディンガー方程式でもいじらないかぎり、無理してわかろうとしないのがよいようです。


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