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認知の歪み12パターン 昔はこれでも適応的だった

大人のための健康法 (角川oneテーマ21)
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 精神科医・和田秀樹氏は『大人のための健康法』の中で「心の健康に悪い思考パターン」を紹介しています。先行する記事でうつのメカニズムについて書いたついでにこの思考パターンを紹介したいと思います。

 和田氏は「心の健康に悪い思考パターン」と書いていますが、一般には「認知の歪(ゆが)み」といわれているものです。うつや神経症の心理療法として有名な認知療法で提出された概念です。

 認知療法では、次のような過程で感情が生じるとしています。

 出来事や外界→認知(出来事や外界に対する解釈)→感情

 人間は出来事や外界をそのまま客観的にとらえているのではなく、一度自分で認知して解釈をします。そしてその認知内容にたいして感情的な反応をします。

 うつ病などの精神疾患になりやすい人は、認知の仕方に問題があり、間違った推論、おかしな思考をしていて、それが自分自身を苦しめていると見ています。このおかしな認知を「認知の歪み」といいます。

 和田氏は『大人のための健康法』の中で12の認知の歪みをあげています。

■二分割思考
互いに相反する極端な二通りの見方で物事を判断し、「中間の灰色部分」がない。

■過度の一般化
ある特定のできごとを、多くのできごとのなかの単なる一つとして見ないで、人生における一般的な特徴であるとみなす。

■選択的抽出
複雑な状況にある特定の側面に注意を注いでしまい、その状況に関係のある他の側面を無視する。

■肯定的な側面の否定
否定的な人生観と相反するような肯定的な経験を「たいしたことではない」などと言って否定する。

■読心
それを支持するような証拠がないのに、他人が特定の(例えば否定的な)反応をしていると思ってしまう。

■占い
将来のできごとに対する否定的な予測を、まるで確立された事実のようにとらえて反応する。

■破局視
将来生ずる可能性のある否定的なできごとを事実関係を正しく判断してとらえるのではなく、耐えることができない破局のようにみなす。

■縮小視
肯定的な特徴や経験が、実際に起きたことは承知しているのに、とるに足らないものと考える。

■情緒的理由づけ
感情的な反応が必ず実際の状況を反映していると考える。

■「~すべき」という言い方
「~すべきである」、「~しなければならない」という言い方が、動機や行動を支配している。

■レッテル貼り
ある特定のできごとや行為に言及するのではなく、自分自身に大雑把なレッテルを貼ってしまう。

■自己関連づけ
他の数々の要因が関連しているのに、自分こそがある特定のできごとの原因であると考える。


 いかにも不合理なものが並んでいますがが、人間の長い歴史から見ると、これらの中には人間の生存に役立ったものが多くあるのではないかと推測できます。人間は長い間、外敵との争いが絶えず、食料の不足に悩んできたはずです。即座の判断を迫られることが多く、じっくり考えるよりも経験則で判断することで対応していたのではないでしょうか。

 敵か味方かを判断することが重要な生活では二分割思考は大切です。ある体験から学んで危険を回避するには過度の一般化が必要です。ある出来事をじっくり分析検討するよりもすばやく経験から学ぶなら選択的抽出もいい方法でしょう。

 そう考えると、適応的であったという意味での合理性があるのではないかと思われます。科学的な意味での合理性ではなく、これで生き残ったのだからいいだろうという結果論的な一種の合理性です。

 もうひとつ取りあげてみましょうか。

 今ある外敵を防いでも次にどんな危険があるかもしれず、今満腹しても次の食料にありつけるかどうかもわかりません。何かが上手くいってもそれで喜んで満足はしていられません。次々に苦難がやってくるのはむしろ当たり前の生活だったのでしょう。その場合、成功を喜んで悦に入っているよりも、肯定的な側面の否定をして冷静でいる方が有利です。

 それでは彼らはうつだったのでしょうか。そうではありません。うつになるには自己注目が持続する必要がありますが、彼らはそんな反省的自意識などあまり持たなかったでしょう。それにいつも危険や飢え、生活の不便さに即応しなければならないのですから、外部に意識を向けて生活する必要があります。自己注目の持続など起こりにくい生活だったはずです。 

 文明が発展するどこかの段階でこれらの認識方法は適応から不適応へ、機能的から非機能的へと変わっていったのでしょう。それに応じて近代的な意味での合理的な思考へとみずからの思考の歪みを正していけばいいのでしょうが、それはなかなか困難な道です。人間はもともとそんなに合理的ではないのですから。少なくとも生まれつき合理的というわけにはいきません。

 もしかするとそれなりの教育を受けたとしても自らの思考を改善できる割合はほんの少しかもしれません。いや、こういうネガティブ思考はやめておきましょう。


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