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『ネガティブ・マインド なぜ「うつ」になる、どう予防する』 坂本真士 これが「うつ」のメカニズムだ

ネガティブ・マインド―なぜ「うつ」になる、どう予防する (中公新書)
4121020197


 社会心理学者、坂本真士氏の「うつ」研究をまとめた一冊です。本来、うつは精神医学や心理学や研究対象ですが、社会心理学的にアプローチしたところが斬新です。

 以前、同氏の『自己注目と抑うつの社会心理学』を読んだことがあり面白かったので手に取ったのですが、本書は新しい研究が含まれていて、手軽に読める新書形式なので、お得感があります。

 坂本氏は、うつの原因は自己注目=自己に向いた注意の持続にあるといいます。氏の分析では、次の3段階を経て自己注目の持続=うつに至ります。

 1.自己注目の始発=うつが生じるきっかけ

 なんらかの刺激や出来事への反応して自己注目が始まります。たとえば、自分が近づいたら会社の同僚が話をやめたという出来事があり、「私が来たから話をやめたのだ。なにかまずいことをしたのかな」と自分に注意を向ける自己注目がはじまります。

 2.自己注目の作動=うつの発生

 貯えられていた自己に関する情報がアクセスされ、意識に上り、そこから感情が生じる段階です。その情報とは、過去の記憶、信念として持っているあるべき自分のあるべき姿などです。そして意識された内容がネガティブな場合、うつ的になります。たとえば、過去に仲間外れにされた記憶や、いつも仲間に受け入れらなければならないといった信念です。

 3.自己注目の持続=うつの憎悪

 自己注目が持続することでうつは憎悪します。うつ的な気分で自己注目をすればますますネガティブな自分へ注目が集まって、うつは持続します。

 では、どういう人が自己注目を持続させ、うつになるのでしょうか。

 まず、自分ひとりでいる状況で自己注目しやすく、ポジティブ状況で自己注目しにくいタイプです。つまり、「ひとりで家にいるとき」「暇で何もすることがないとき」に「自分について考えることがある」のに、いいことがあっても自分のことを考えない、自分のいい面を見たり、感じたりしない人です。

 面白いのは、ネガティブな出来事があった時に自己注目をする人のうつレベルは平均的であったことです。坂本氏の分析では、ネガティブな出来ごとに遭遇した時に、自分に注目し反省する人は、日本では謙虚であると考えられ、人に受け入れやすいのではないかということです。

 完全主義や非機能的態度も危険だといいます。非機能的態度とは、うつを発生させるような考え方を生み出すもととされています。たとえばこんな考えの持ち主です。「もし私がミスをしたら、私は人から軽く見られるだろう」「常にうまくやっていなければ、人々は私を尊敬しないだろう」「私の愛する人が私を愛してくれなかったら、私には何の価値もなくなる」「他の人に嫌われたら、私は幸せではありえない」…。

 こういう考え方というのは、ある種の向上心をもたらすかもしれませんが、しかし、いつも願いどおりにいくわけではありません。ましてや人がどう思うかなど自分でコントロールできるわけもありません。こんな考えを持ち続けるといつかは失敗する、日常生活は機能しないという意味で非機能的です。そこに完全主義が加われば、さらに事態は悪化するはずです。

 また、自己没入尺度の高いひともうつになりやすくなります。自己没入尺度とは「自分へ注意が向きやすく、自分に向いた注意を持続させやすい傾向」を測るものです。つまりは、もともと自己注目しやすいタイプです。

 以上をまとめると、もともと自分へ注意が向きやすいタイプで、ひとりになると自分について考える人、完全主義で、自分へ無理な要求をする人(非機能的態度)は、うつになる危険性が高いといえます。

 (つづく)
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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

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