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『考古学から見た日本人』  大塚初重 … 発見のたびに覆る古代日本人のイメージ

考古学から見た日本人 (青春新書INTELLIGENCE)
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 私たちはどこから来たのか、自分とは何かを考えたときに、人間とは何かという疑問に行きつき、それがいずれ日本人とは何かという疑問にも行きつきます。そのとき、耳を傾けるべき学問のひとつが考古学です。

 考古学の発見を語りながら日本人のルーツを解き明かす本書ですが、驚くのは考古学の定説が頻繁にひっくり返ることです。新しい発見があれば、それをもとに説が組み立てられ、やがて次の発見で前の説はくつがえり、といったことがしょっちゅう起っています。これは考古学という学問の宿命なのでしょう。

 たとえば、縄文土器が見つかる。いつごろ作られたものだと推定されます。その年代が今までよりも古ければ、縄文時代の開始時期がそれだけ昔だとされます。そして、さらに古い縄文土器が見つかれば、縄文時代は開始はさらに古くなります。

 定説がくつがえるのは発見だけではありません。科学的分析法が発達することでも新しいことがわかるようになりました。遺骨や遺物の年代の測定がより正確になり、土器に残された脂肪酸分析により何を食べていたかがわかるようにもなりました。

 かつて稲作は弥生時代から始まったとされていました。渡来人が稲作の技術を持ってきて、稲作がはじまったのだといわれていました。しかし、今では縄文時代にも稲作があったことが定説となっています。

 本書を読むと以前知っていた日本の先史時代の常識が次々と刷新されていたことに驚きます。

 ほかにも縄文人の食事、建築物、人骨にまつわる面白い話がいろいろ書かれています。

 意外だったのは縄文人の食事です。けっこう豊富な食材を使い、多彩な料理法で食事をしていたことがわかっています。木の実や魚介類はもちろん、動物では鹿、いのしし、カモシカ、熊、たぬき、リス、ウサギ、鴨、イルカ、トド、鯨、アザラシ、オットセイ。

 哺乳類60種以上、貝類350種以上、魚類70種以上、鳥類35種以上、植物性食料55種以上にのぼっているそうです。

 縄文流メニューとしては、蒸しパン、クッキー、せんべい、シチュー、ダンゴ汁のようなものがあったといいます。寿司や醤油のルーツ(別物ともいえますが)も縄文時代に見られます。

 邪馬台国論争にも触れていますが、決定的な証拠が出てこない限り、この論争に決着はつきそうもありません。

 日本人とは何かを知りたい人、かつて学校で習った日本の歴史、とりわけ縄文、弥生時代が今どうなっているかを知りたい人にお勧めです。


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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

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