スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

欲望には果てがない

 私たちがより多くの収入を得たがる、もうひとつの理由は、欲望の果てのない性質にあります。

 「年間所得が一〇万ドル〔約一六〇〇万円〕以上の世帯では、二七%が本当に必要とするモノを何でも買う余裕はないと述べ、二〇%近くが基本的な生活必需品に所得のほとんどすべてを支出すると述べている。七万五〇〇〇ドル超、一〇万ドル以下の階層では、三九%と三三%が、それぞれ同じように答えている。全体としては、世界でもっとも富んだ国の人口の半分は、実際に必要なモノを何でも買う余裕はないと言っているのである。しかもそれは人口の半分の貧しい人びとのことではない」(『浪費するアメリカ人』)

 ありあまるほどの物を所有しているのに、まだ足りないと考えるのが人間です。欲望には際限がありません。貪欲にとりつかれた人は果てしなく欲望を追求します。仏陀が教えるように、足ることを知らない人はお金があっても心は貧しいのです。

 欲望の果てしのなさを「適応」という性質によって説明したのは、心理学者のブリックマンとキャンベルです。「宝くじで巨額の富を手にした人も、最初に幸福度が一気に上昇するだけで終わってしまうことがわかりました。数ヵ月もたてば幸せな気持ちもしぼみ、もとのもくあみ」(ダニエル・ネトル『目からウロコの幸福学』オープンナレッジ)というわけです。

 なにかを手に入れたとき、私たちはとても喜びます。しかし、しばらくすると、そのことに慣れてしまいます。あれを手に入れれば、幸せになれると信じて奮闘して、手に入れて、つかの間の喜びの後に、以前の気持ちに戻ってしまいます。そうしてまた次の幸福を求めて奮闘をはじめます。

 幸福は馬の前にぶらさげたニンジンのようなものです。ニンジンが欲しくて必死に走ると、ご褒美にニンジンがもらえます。ニンジンを食べて一時的に満足できても、すぐにおなかが減ってしまいます。また次のニンジンを求めて必死に走ることになります。

 経済学者リチャード・イースタリンは実験によりこのことを確かめました。

 被験者は高価な消費財(家、車、テレビ、海外旅行、プール、別荘など)のリストから、理想的な生活に必要なものとすでに自分が所有しているものをチェックします。そして16年後に同じリストをチェックします。

 16年後、所有しているものは平均1.7アイテムから3.1アイテムに増えました。理想的な生活に必要だと考えるものも、平均4.4アイテムから5.6アイテムヘと増えました。

 自分が所有するものが増えても、理想の生活のために必要なものもまた増えるので、生活にはつねに何かが足りません。先の方に見えている理想の生活に来たつもりでも、理想の生活はさらに先に見えています。

 人間の欲望にはきりがありません。必死にがんばって何かを手に入れても、また別の何かが欲しいのです。結果的には幸福度は変わりません。

 欲望はそういうものだから、次々と次の欲望を満たすために、行動すればいいという考え方もあるでしょう。しかし、それでは際限のない渇望の中に自分を置くことになります。一時的な満足感はあっても、すぐに慣れてしまい、やがて渇きに苦しみます。欲望を追いかける生活は永遠に続く苦しみです。

 足るを知る人は、終わりのない競争も果てしのない欲望の追求も愚かなことだと考えます。すでに自分が持っているものに満足することで、心の平安を得ることができるからです。いつまでも渇望を抱えて突き進むのと、今満足して暮らすのと、どちらを望みますか。

浪費するアメリカ人―なぜ要らないものまで欲しがるか
ジュリエット・B. ショア Juliet B. Schor 森岡 孝二
4000025848


目からウロコの幸福学
ダニエル・ネトル 山岡 万里子
4902444488


スポンサーサイト

テーマ : 幸せな生活
ジャンル : ライフ

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

Author:Cozy
情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

Twitterはcozyoffです。
TwilogはCozy(@cozyoff)です。

当ブログへのリンクはご自由に。

名言集および格言集
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
FC2カウンター
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。