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映画 『ユー・ガット・メール』

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 オリジナルストーリーかと思いきや、文通で知り合う二人という設定の『街角/桃色(ピンク)の店』のリメイク版だそうです。文通を電子メールに置き換えたところに当時は新らしさがあったのでしょうが、今となっては「ぴーひゃらひゃら」とダイアルアップ接続することに懐かしさすら覚えます。

 (ちなみに私はパソコン通信の時代からネットをやっています。最初に参加したBBSは「ナツメネット」でした。モデムの通信速度は2400bpsあったかどうか。)

 現実に会っている相手がじつはメールの相手であったという意外な事実だけでも話は成立しますが、大型店舗が個人商店を廃業に追い込むという現代的なシチュエーションをからめて、複雑化しています。さらにそれぞれに同棲相手がいますから、もっとややこしい話になりそうなところですが、そこはあっさりと話が進むのがいかにもポップでわかりやすいハリウッド映画です。

 この作品を魅力的にしているのはキャスリーン(メグ・ライアン)が経営している児童書の専門店がとても味があるつくりで朗読会を開いたりして、子ども成長を見守る文化的な機能を果たしているところです。たんなる小さい本屋ではつぶれるのもしょうがないという印象を持ってしまいますが、キャスリーンのお店はどうしても残したいという思いを観客にもたらします。

 対してジョー(トム・ハンクス)が出展するフォックス書店はいかにも大型書店の典型。日本でもこういう書店はたくさんできましたが、本の割引も行っているところが日本との違いでしょうか。しかし、これはこれで便利なわけで、私は大型書店歓迎派です。

 問題はこの二つのお店が向かい合っていて、大型店が良心的で文化的なお店をつぶしにかかることです。

 地域に固有の文化が巨大資本の安売り店に侵食されていく様は、グローバル化という名で世界各地で起こっている現象の縮図でもあります。

 映画の中ではそうした動きに反対する新聞、テレビの報道、反対運動が描かれますが、基本はラブコメディ。そこをながながと引っぱりはしません。ふたりの関係がどう逆転していくのかに焦点は移ります。

 ここで気になるのは、ジョーは大企業の御曹司であることです。もしこの恋愛が成就すれば、シンデレラ物語の要素を持ちますが、もともとはジョーが自分の店をつぶしたわけで、いわばマッチポンプにすぎません。

 二人の関係におおいにわだかまりを感じる人もいるはずです。自分がキャスリーンならジョーを許す気になれるだろうか。文化を理解していないジョーに共感できるだろうか、と。

 しかし、ジョーはキャスリーンの心をつかもうと努力をします。キャスリーンもまたうちとけていく。

 二人の間にあるはずのわだかまり。それを越えて恋愛は成就するのか、メールでの関係がある救いとなりえるのか、というところが興味の焦点です。

 この映画が現代特有の文化的問題を含んでいるのは間違いありませんが、すべての問題を「恋愛」により解決する、あるいはごまかしてしまうところが、ハリウッド的という批判もあるでしょう。予定調和的すぎるという批判も当然です。原作ではバッドエンドになっていたとウィキペディアにはあります。その方が納得でいる人もいるかもしれません。

 私は本作の結末でよかったと思います。キャスリーンの最後のセリフにはなぜか納得しましたし、涙も出ました。キャスリーンの心の動きに共感したからでしょうか。

 考えれば、不思議です。感動したのは事実ですが、なぜ感動したのか、自分でもよくわかりません。

 もう一度見れば答えが見つかるかもしれません。
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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

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Author:Cozy
情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

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