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『誤解だらけの「危ない話」―食品添加物、遺伝子組み換え、BSEから電磁波まで』 小島正美

誤解だらけの「危ない話」―食品添加物、遺伝子組み換え、BSEから電磁波まで
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 著者の小島正美氏は毎日新聞編集委員です。自分の実体験からマスメディアの報道の危うさを語っています。

 マスメディアの報道にはかなりのバイアスがかかっています。とりわけ危険(リスク)報道には気をつけなければなりません。なぜならば、マスメディアは科学的ではなく感情的だからだと著者はいいます。

マスメディアが伝えようとしているのは、客観的なリスクの大きさではなく「感情」に訴える「物語」だ。「エビデンス」(科学的な根拠)よりも感情だ。


 私たちから見てもマスメディアの報道はそう見えますが、まさに報道している本人もそう感じていることに驚きます。「わかっていてやってんのかよー」という感じです。

 さらに別の事情が加わることで感情的な「煽り」記事が安易に作られていく現状があります。

結局、「危ない情報」が最もよく売れるという経済的な事情、そして深く考える余裕のなさ、スピーディーに仕事をこなして大量に情報を生産せねばならぬという体制(特に一部週刊誌)が安易なリスク情報を次々に生み出すのだ。


 これを製造業でたとえれば、粗悪品、欠陥商品の乱造ということになりますが、メディアは簡単には訂正記事を載せない、追跡取材をしないことにより、安易な情報が垂れ流しのまま、となります。滅多なことでは欠陥商品が回収されません。考えてみれば、かなりひどい現実です。

 しかし、記者やデスクに悪意があるわけではないといいます。むしろ善意、正義感があるのだと。たとえば、薬品の副作用に関する記事の場合、記者には警告してやろうという正義感があります。そして正しいことをしているという自負心のもとに「誤解に満ちたバイアス情報」を生み出してしまいます。

 このようなバイアス情報は、人工調味料、食品添加物、遺伝子組み換え食品、BSE問題、薬、ワクチン、原子力発電、電磁波、環境問題などさまざまな記事となってばら撒かれています。

 それらの情報を受け取った読者は過剰な反応をします。マスメディアと市民の声に押されて政府もその他の機関も過剰反応するようになりました。

 ワクチンは危険だといいすぎて、予防接種をしないことで失われる命が逆に増えてしまいました。BSEは危険だといいすぎて、全頭検査の実態をろくに伝えずに、無駄なお金を役にたたない全頭検査に使っています。

 本書の後半では、メディアの報道を検証し、正しい情報を伝える機関の設置を提言し、政府は費用対効果の低いことにお金を使わずに、より効果的な施策にお金をまわすべきだと提言もしています。

 このような事情を知ってしまうと、やはり新聞やテレビを批判するメディアが必要だと思わずにいられません。著者の提言する機関もいいでしょうし、インターネットの中に専門的知識のある人が冷静に議論する場ができてくるといいかもしれません。

 メディアリテラシーを高めるいい本です。


食品の迷信―「危険」「安全」情報に隠された真実とは メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書) 食卓の安全学―「食品報道」のウソを見破る 安全。でも、安心できない…―信頼をめぐる心理学 (ちくま新書) 踊る「食の安全」―農薬から見える日本の食卓
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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

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