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豊かになっても幸福は増えない

 物質的な豊かさを追い求めて日本人はがんばってきました。しかし、むやみに消費を拡大しても幸福は増大しない、という事実があります。

 「消費を続けると、あるところから便益が逓減するということが研究で裏づけられている。これらの研究は、豊かな国々において個人資産水準は上昇しつづけているのに、自分を『たいへんに幸せ』と考える人の割合が増えていないことを示している。つまり、貧しい人々の幸福感は所得向上とともに高まる傾向があるが、ひとたび一定の所得水準が達せられると、幸福感と所得向上のあいだの正の相関性が失われることを示している。」(『ワールドウォッチ研究所 地球白書 2004-05』クリストファー・フレイヴィン編著、家の光協会)

 このような現象を、経済学では限界効用逓減の法則と呼んでいます。「ある財の消費量を増加させていくとき、一単位増えることによって得られる主観的な満足度」は「しだいに減少するという法則」です。(大辞泉)

 たとえば、まんじゅうを食べているとしましょう。最初の1個はおいしい、2個目はちょっと飽きます。3個目はもう食べきれません。つまり、まんじゅうのおいしさはどんどん減っていくということです。まんじゅうそのものは客観的に変わらなくても人間の側が効用を感じなくなっていくわけです。

 当然、最初は効果があります。貧困状態から豊かさが増していけば、飢餓から解放され、住居により暑さ寒さから守られ、安全が得られ、医療も受けられるようになって、幸福度は増します。しかし、徐々に幸福度は頭うちになってしまい、最後は収入が増えても幸福度には影響しなくなります。

 アメリカの「平均所得と幸福感」に関する調査によれば、1957年から2002年までの間に平均所得が3倍近くになっているにもかかわらず、平均満足度の向上が見られません。ある一定水準まで所得が増えてしまうと、平均所得が3倍になっても人は幸せになるわけではありません。インフレを考慮しても、物資的豊かさと幸福の間にはリニアな関係はありません。ちなみに1957年のアメリカの平均所得は8000ドル程度でした。

 日本はすでに1950年代のアメリカよりも豊かです。収入を増やしたところでより幸せになれるわけではない時代にだいぶ前から突入しています。日本人の平均所得の向上や消費の増大はもはや幸福感にはかかわりがありません。がんばったところで「幸福感」という点では得るものはないのです。

地球白書〈2004‐05〉―ワールドウォッチ研究所地球白書〈2006-07〉―ワールドウォッチ研究所地球白書 [2007-08] 都市の未来 ―ワールドウォッチ研究所


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地球白書〈2004‐05〉―ワールドウォッチ研究所 学生の頃にゼミで使っていた本で、 毎年新しい年度のものが出ると思わず読んでしま...

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