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『非正規労働の向かう先』 鴨桃代

非正規労働の向かう先 (岩波ブックレット)
鴨 桃代
4000093991


 著者の鴨さんは元保育士の労働運動家です。

 本書は相談の現場からの非正規労働問題の報告です。派遣社員や契約社員、パートが置かれた様々な困難を紹介しています。

 一般に非正規社員の困難は労働条件に悪さに代表されますが、実際に非正規労働者がつらい目にあう場面はかなり細かいところにまで及んでいます。立場の弱さに起因する圧力、正社員からの陰湿な差別待遇、正社員を守るためのしわ寄せ、など。いずれも非正規労働を権利を持った人間としてまともに扱おうとしないことが原因です。

 派遣労働者の場合、さらに派遣会社のピンハネさえ出来ればいいとする態度にも問題があります。派遣元は派遣先企業の機嫌を損ねないために派遣社員を犠牲にしています。

 では、非正規労働者はどのように自分を守ればいいのでしょうか。その答えの一つが労働相談であり、組合への参加です。

 ユニオンは、相談内容に対する法的根拠を助言し、交渉の道筋を示し、一緒にたたかおう、と言うことはできます。しかし、当事者である労働者に、たたかう意思と勇気がないところでサポートはできません。解雇を通告されたとき、「わかりました」と言ってしまうとそこで終わりなのです。でも納得できなければそこで勇気を出し、「納得がいかない」「考えさせてください」と言って相談に来てくれれば、そこから始めることができます。たたかう意思があれば、どうしたらよいかの選択肢は広がり、ユニオンもサポートできるのです。


 日本では労働組合に対する違和感や偏見が強く、納得がいかなくても文句を言わない同調性の強い人が多いので、組合に相談、参加するには抵抗感があるでしょう。それを突破していくには、このような取り組みがあり、成果が上がっていることを周知する必要がありそうです。そして、非正規労働者の意識が変わっていかなくてはなりません。
 
 本書に報告された具体例を見ていると、どうやらこれは格差問題ではなくて、差別問題ではないのか、と思えてきます。現在、マスコミやネットで語られる労働問題は、格差、貧困がメインですが、差別という観点が必要ではないかと思いました。

ワーキングプアと偽装請負―職場ルポ‐非正規雇用を追って (文献パンフ) 日雇い派遣―グッドウィル、フルキャストで働く (シリーズ労働破壊) 派遣のリアル-300万人の悲鳴が聞こえる (宝島社新書) 偽装請負―格差社会の労働現場 (朝日新書 43) (朝日新書) 格差社会ニッポンで働くということ―雇用と労働のゆくえをみつめて
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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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