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『いつまでも、いつまでもお元気で 特攻隊員たちが遺した最後の言葉』 知覧特攻平和会館編

いつまでも、いつまでもお元気で―特攻隊員たちが遺した最後の言葉
知覧特攻平和会館
4794216203


 太平洋戦争末期、鹿児島県の知覧には特攻(特別攻撃隊)基地がありました。アメリカの戦艦に体当たりをして相手に打撃を与えるために、片道分の燃料と爆弾を積んで多くの若者がその知覧の飛行場から飛び立ちました。この本に収められているのはその若者たちが出した手紙です。

 おそらく鹿児島の風景であろう美しい写真をバックに、その日あるいは数日内にでも亡くなったであろう若者の言葉が並びます。(ページ数がとても少ないのが残念です)

 似たような趣旨の本として『きけ わだつみのこえ』があります。こちらは学徒兵の遺書を集めた遺稿集です。日記からの文章が多く、当時の若者の思考がよくわかります。が、編集者の意図がかなり強く反映していて、戦争への懐疑もみられます。

 本書は、手紙。短い文面に、相手への気配りの言葉、感謝の言葉が多く見られます。その一方で、特攻成功への意志を語る言葉がそのまま掲載されていて、反戦気分で手に取ると面食らうかもしれません。

花花しく戦って
必ず必ず
敵艦を屠(ほふ)ります。
皆様ご安心下さい。
私の心はいま日本晴れです。


その真意は知る由もありませんが、このようなきわめて好戦的な言葉が見られます。

特攻というと、心ならずも若い命をささげて無念であったろうという反戦的戦後民主的思想で解釈された特攻隊員イメージがありますが、それは確かに一面の真実であって、好戦的な気分で死を迎えた若者も少なからずいたのではないかと推測されます。


その中で、谷川俊太郎のようなまるで現代の詩人が書いたような手紙がありました。

  「枝幹二 22歳」

あんまり緑が美しい
今日これから
死にに行く事すら
忘れてしまいそうだ。
真っ青な空
ぽかんと浮かぶ白い雲
六月の知覧は
もうセミの声がして
夏を思わせる。
作戦命令を待っている間に
小鳥の声がたのしそう
「俺もこんどは小鳥になるよ」
日のあたる草の上に
ねころんで
杉本がこんなことを云っている
笑わせるな
本日十三、三五分
いよいよ知ランを離陸する
なつかしの
祖国よ
さらば
使い慣れた
万年筆を"かたみ"に送ります。



深刻な気分も、感傷もありません。悔悟とも興奮とも無縁です。まるで外国へ長い旅に出るかのようなすがすがしさです。

死を目前にしてこのような手紙を書いた若者がいたことに驚愕します。


群青―知覧特攻基地より 知覧からの手紙 鎮魂 特別攻撃隊の遺書 今日われ生きてあり (新潮文庫) 特攻隊員の命の声が聞こえる―戦争、人生、そしてわが祖国 (PHP文庫)
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