『ラビ・バトラ緊急予告 資本主義消滅最後の5年』 ラビ・バトラ
資本主義消滅最後の5年―ラビ・バトラ緊急予告
Ravi Batra Pema Gyalpo ペマ ギャルポ

2006年2月に出版された本書には5つの予告が書かれています。
第1の予告の原油価格の暴騰は当たりました。2008年7月11日には最高値147.27ドルをつけました。さすがのラビ・バトラもここまでの高騰は予測しなかったでしょうが、「瞬間的には1バレル100ドルもあり得る」と書いています。
さらに「原油バブル崩壊に住宅バブル崩壊が追い打ち」も予測しています。これは見事に当たっていますが、バブルはいずれ崩壊するという意味では、容易に予測できることでした。(と、後付けで言ってみる)
第2の予告のアメリカの景気後退(リセッション)は、時期がずれましたが、ほぼあたりそうです。2007年の第4四半期でマイナスとなっています。その後、プラスとなり、2008年第3四半期にマイナスとなりました。今回のサブプライムローン問題の実体経済への影響は長引きそうですから、このまましばらくはマイナス成長になりそうです。
さて、問題は2010年の資本主義の消滅です。これまでのきわめて投機的でハイリスク、ハイリターンの金融資本主義は終わる可能性は高まりました。しかし、それ以上のことはどうでしょうか。
ラビ・バトラはアメリカで富裕者の時代は終わり、武人の時代がやってくると考えています。そして富裕者の時代が終わるとき、「必ず大衆(サイレント・マジョリティ)が蜂起し、社会革命が起きる」といいます。
オバマ次期大統領が勝利演説でこのようにいっていました。「今回の金融危機から得たほかでもない教訓というのは、メーン・ストリート(普通の町の中央通り)が苦しんでいるのにウォール・ストリートだけ栄えるなど、そんなことがあってはならないということ。それを忘れずにいましょう。」
しかし、これが社会革命へとつながるかどうかは今のところわかりません。
現時点では格差の是正はそれほど大規模には実現しそうには見えません。アメリカ政府はシティ・グループ救済の条件として役員報酬の制限を掲げています。これはひとつの傾向かもしれませんが、救済の条件ですから、政府から救済を受けない企業には関係ありません。
大きな格差はやがて是正されるとラビ・バトラは考えています。最高賃金と最低賃金の差を当面は10倍、目標としては2倍と前回紹介『1995〜2010 世界大恐慌 資本主義は爆発的に崩壊する』の中で書いています。ただし、それが実現する経済体制を資本主義とはいわずにプラウト経済と呼んでいます。
資本主義にもいろいろなバリエーションがあり、いずれも多少なりとも搾取的であり、どこまでが資本主義なのか定義がむずかしいようです。ラビ・バトラが終わるといっている資本主義は、大きな格差のあるきわめて搾取的な資本主義です。
とりあえずはこれまでのようなアメリカ型金融資本主義は終わるかもしれませんが、ラビ・バトラがいうような資本主義の崩壊が起るかどうかはわかりません。はっきりした予兆が見えるとしたら、不況が本格化する来年でしょう。
第4の予告の中国の問題も深刻です。経済力、軍事力ともに高まった中国は世界の脅威となりつつあります。ラビ・バトラは米中の小さな軍事的な衝突が起り、やがて冷戦時代に入ると考えています。
東シナ海では中国と日本の間に資源をめぐる対立があります。しかし、これにはアメリカは手を出さないといいます。中国側企業にはアメリカの資本も入っているのだとか。
世界的に大きな問題となりそうなのは南シナ海での中国の存在です。
南シナ海には膨大な天然資源が眠るといわれており、すでに中国は南沙諸島にあったベトナムの軍事施設を1988年に軍事力で追い出して、1992年には一方的に海洋法に基づく領海宣言を行っています。
中国が南シナ海の油田を掘削した場合、「そのときアメリカは、間違いなく軍を大動員する。米・中激突だ。」とバトラはいいます。
他に中国国内での分裂、内戦なども予想していて、チャイナリスクというのはかなり高いようです。
第5の予告の日本については別の本『日本国破産のシナリオ―破滅から黎明へ 光は極東の日本から』に述べるということです。
以上見てきたように第1と第2の予告はほぼ当たり。第3以降はこれからの問題です。世界はどのように変化していくのでしょうね。
日本国破産のシナリオ―破滅から黎明へ 光は極東の日本から
Ravi Batra Pema Gyalpo ペマ ギャルポ
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Ravi Batra Pema Gyalpo ペマ ギャルポ

2006年2月に出版された本書には5つの予告が書かれています。
第1の予告 原油価格は、1バレル100ドルを超える
第2の予告 米経済は2006年後半から、長期リセッションに入る
第3の予告 2010年、資本主義消滅へ
第4の予告 米・中冷戦状態でチャイナリスク爆裂
第5の予告 破滅から黎明へ 光は極東の日本から
第1の予告の原油価格の暴騰は当たりました。2008年7月11日には最高値147.27ドルをつけました。さすがのラビ・バトラもここまでの高騰は予測しなかったでしょうが、「瞬間的には1バレル100ドルもあり得る」と書いています。
さらに「原油バブル崩壊に住宅バブル崩壊が追い打ち」も予測しています。これは見事に当たっていますが、バブルはいずれ崩壊するという意味では、容易に予測できることでした。(と、後付けで言ってみる)
第2の予告のアメリカの景気後退(リセッション)は、時期がずれましたが、ほぼあたりそうです。2007年の第4四半期でマイナスとなっています。その後、プラスとなり、2008年第3四半期にマイナスとなりました。今回のサブプライムローン問題の実体経済への影響は長引きそうですから、このまましばらくはマイナス成長になりそうです。
さて、問題は2010年の資本主義の消滅です。これまでのきわめて投機的でハイリスク、ハイリターンの金融資本主義は終わる可能性は高まりました。しかし、それ以上のことはどうでしょうか。
ラビ・バトラはアメリカで富裕者の時代は終わり、武人の時代がやってくると考えています。そして富裕者の時代が終わるとき、「必ず大衆(サイレント・マジョリティ)が蜂起し、社会革命が起きる」といいます。
オバマ次期大統領が勝利演説でこのようにいっていました。「今回の金融危機から得たほかでもない教訓というのは、メーン・ストリート(普通の町の中央通り)が苦しんでいるのにウォール・ストリートだけ栄えるなど、そんなことがあってはならないということ。それを忘れずにいましょう。」
しかし、これが社会革命へとつながるかどうかは今のところわかりません。
現時点では格差の是正はそれほど大規模には実現しそうには見えません。アメリカ政府はシティ・グループ救済の条件として役員報酬の制限を掲げています。これはひとつの傾向かもしれませんが、救済の条件ですから、政府から救済を受けない企業には関係ありません。
大きな格差はやがて是正されるとラビ・バトラは考えています。最高賃金と最低賃金の差を当面は10倍、目標としては2倍と前回紹介『1995〜2010 世界大恐慌 資本主義は爆発的に崩壊する』の中で書いています。ただし、それが実現する経済体制を資本主義とはいわずにプラウト経済と呼んでいます。
資本主義にもいろいろなバリエーションがあり、いずれも多少なりとも搾取的であり、どこまでが資本主義なのか定義がむずかしいようです。ラビ・バトラが終わるといっている資本主義は、大きな格差のあるきわめて搾取的な資本主義です。
とりあえずはこれまでのようなアメリカ型金融資本主義は終わるかもしれませんが、ラビ・バトラがいうような資本主義の崩壊が起るかどうかはわかりません。はっきりした予兆が見えるとしたら、不況が本格化する来年でしょう。
第4の予告の中国の問題も深刻です。経済力、軍事力ともに高まった中国は世界の脅威となりつつあります。ラビ・バトラは米中の小さな軍事的な衝突が起り、やがて冷戦時代に入ると考えています。
東シナ海では中国と日本の間に資源をめぐる対立があります。しかし、これにはアメリカは手を出さないといいます。中国側企業にはアメリカの資本も入っているのだとか。
世界的に大きな問題となりそうなのは南シナ海での中国の存在です。
南シナ海には膨大な天然資源が眠るといわれており、すでに中国は南沙諸島にあったベトナムの軍事施設を1988年に軍事力で追い出して、1992年には一方的に海洋法に基づく領海宣言を行っています。
中国が南シナ海の油田を掘削した場合、「そのときアメリカは、間違いなく軍を大動員する。米・中激突だ。」とバトラはいいます。
他に中国国内での分裂、内戦なども予想していて、チャイナリスクというのはかなり高いようです。
第5の予告の日本については別の本『日本国破産のシナリオ―破滅から黎明へ 光は極東の日本から』に述べるということです。
以上見てきたように第1と第2の予告はほぼ当たり。第3以降はこれからの問題です。世界はどのように変化していくのでしょうね。
日本国破産のシナリオ―破滅から黎明へ 光は極東の日本から
Ravi Batra Pema Gyalpo ペマ ギャルポ
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