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朝寝は健康にいい

 もう一方の閑適詩人の雄といえば唐代の白居易(白楽天)です。白居易の詩集「白氏文集」は「諷諭詩」「閑適詩」「感傷詩」「雑律詩」の四つに分類されています。「諷諭」とは政治批判、社会批判の詩のことです。「雑律詩」はその他という意味です。日本では「閑適詩」と「感傷詩」が愛好されています。

 白居易の数ある詩の中でも「香炉峰下、新たに山居を卜し草堂初めて成り、偶々東壁に題す」が最も好まれている閑適詩です。清少納言の『枕草子』にもこの詩にかかわるエピソードが出てきます。白居易の詩がいかに日本人の教養として定着していたかがわかります。ここでも訳出した上で全体を引用します。

   香炉峰のふもと 山住まいのための草堂を建てて、たまたま東の壁に題す

 日は高く眠りは足りているのに、起きるのはなお物憂い。
 小さな家で布団を重ねているので寒さを恐れることはない。
 遺愛寺の鐘の音は枕をかたむけて聴き、香炉峰に積もる雪はすだれをあげて見る。
 ここ匡盧は名声から逃れるによい土地だ。
 司馬は老後を送るのにふさわしい官職だ。
 心安く身が安寧であればこれこそ私の帰るところ。
 故郷が長安だけであろうはずはない。


 香爐峰下新卜山居草堂初成偶題東壁

 日高睡足猶慵起
 小閣重衾不怕寒
 遺愛寺鐘欹枕聴
 香爐峯雪撥簾看
 匡廬便是逃名地
 司馬仍為送老官
 心泰身寧是帰処
 故郷何獨在長安

 白居易はたっぷり眠った後も暖かい布団の中にとどまっています。ぬくぬくとしたままに鐘の音を聞き、雪山を見ています。なんともゆるやかで静かな時間です。

 こんなに怠惰な生活をしていたら、心身に悪いのではないかと心配になりますが、朝寝は体によくて、早起きは体に悪いという研究があります。

 「ロンドンのウエストミンスター大学の学者は、遅くとも午前七時二〇分までに起きなければならない人々の唾液を採取し、ストレスホルモン、コルチゾン値を検査しました。すると朝寝妨できる人々とくらべてかなり数値が高かったのです。」(ペーター アクスト、ミヒャエラ アクスト・ガーデルマン『なまけることの幸せ』集英社)「早起きに伴うストレスは一日中残るばかりか、健康に悪い影響を及ぼす、と報告されています。」(同)

 どうやら「早起きは三文の得」ということわざは、勤勉主義を広めるためのスローガンだったようです。だまされてはいけません。

 睡眠、入浴、食事などの1次活動も時間をかけて楽しめば閑適の楽しみとなります。日常の些細な行いも時間に追われて急いですませるのと、たっぷりある時間の中でリラックスして行うのではまるで別の体験です。白居易の心境は、満員電車にすぐに飛び乗らなければならない平日とゆっくりしていられる週末の朝との違いを思う浮かべればわかりやすいでしょう。

枕草子 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)白楽天100選 (NHKライブラリー―漢詩をよむ (129))

なまけることの幸せ
なまけることの幸せ

閑適のうた―中華愛誦詩選 陶淵明から魯迅まで (中公新書)

詩人と人生 閑適の巻 (NHKシリーズ NHK文化セミナー・漢詩をよむ)
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