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『大政奉還 徳川慶喜』 童門冬二

大政奉還―徳川慶喜 (人物文庫)
童門 冬二
4313752129


 最後の将軍徳川慶喜が一橋慶喜として政治の表舞台に立ち、やがて大政奉還にいたるまでの政治ドラマを描いています。 

 叙述はやや小説風。登場人物の思考や会話部分などを除くと、小説的な想像力で書かれている部分はそれほど多くはなさそうです。

 NHKドラマの『篤姫』では、あっさりと描かれる政治劇がなかなか詳しく書いてあり、興味深く読みました。

 幕末史は流れが複雑で一人の人物であっても時期により思想が異なり、また役割が異なります。慶喜は外様大名によるプッシュが強く、幕府側からは朝廷側の人間であると見られていながら、自身は徳川家出身であり、思想としては尊皇敬幕という公武合体的な曖昧さを持っていました。

 役職も複雑で、家茂の将軍後見職でありながら天皇直属の大名会議の参与となります。それらをやめたあと禁裏御守衛総督となり朝廷を警護する立場となり、禁門の変では長州を追い払います。

 第二次長州征伐では薩摩の裏切りがあり、幕府軍は敗退。

 家茂が逝去すると慶喜が徳川幕府の将軍となります。薩長による倒幕を予見して大政奉還をしますが、事は収まらずついには朝敵とされ、戊辰戦争に突入。自身は江戸に逃げ帰り、朝廷に対してはひたすら恭順の姿勢をとります。

 ヌエ的であり、日和見的であるように見えますが、この本を読む限りでは慶喜なりに最善の道を探っているようにも見えます。もともと英明の人であり、一時は徳川家康の再来といわれた人物です。政権を投げ出した無責任な人間だと簡単にいうことはできません。

 とにかくその複雑な立場と身の処し方は本書を読んでいただくしかありません。 『篤姫』の背景を知りたい人にもぜひ読んでいただきたい一冊です。

 やはり幕末史は難しいですね。そこが飽きさせないところでもあります。


最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫)
司馬 遼太郎
4167105659


 
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ジャンル : 本・雑誌

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