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初めての裁判傍聴

裁判傍聴に行って来ました。

場所は霞ヶ関の東京地裁。日比谷線のA1出口を出てすぐです。

午前は覚せい剤所持事件。ふつうの所持事件だと単純すぎてつまらないといいますが、私が傍聴したのは密売にもかかわっていた女性でした。やくざが仕切る密売組織で客にどんな薬物をどれだけ売るかをメモする作業をしていた模様。略号でメモをし、Fは大麻、Cはコカイン、XはMAMDだそうです。売買に関する電子メールでのやりとりも証拠にあり、文中のフェラーリは大麻を意味するとか。被告人は4年前にもやはり覚せい剤で捕まったそうです。

新件(初公判)ではないので事件の概要をつかむまで時間がかかりました。

情状証人として夫である外国人が登場しました。すごい巨体です。弁護士はこの人が被告人を更正させることができると主張するのが目的のようです。

夫は職業はドリンキングバーのセキュリティの仕事をしているといっていました。これって酒場の用心棒みたいなものかなと想像しました。スキンヘッドの外国人。体も大きい人なのでこの人が登場するだけで相手は怖気づくでしょう。本人ももっとしっかりした仕事に就いたほうがよかったなどと語っていたので、いささかいかがわしいお店にかかわっているのかもしれません。

検察は夫婦が喧嘩が多く、別居を2回もしていたことを指摘し、日本に滞在する目的で結婚したのではないかと攻めて、夫に被告人を更正させる力がないことを印象づけていました。しかし、夫の職業についての質問はなし。調べていないのでしょうか。それともまともなものなのでしょうか。

弁護側は、喧嘩の原因は夫が被告人に薬物を止めさせたいがために生活態度や人間関係に意見したことにあるといいます。被告人のまわりには薬物にかかわる人がいろいろいたようで、夫はそういう人間関係を断ってほしいと常々思っていたそうです。

証言だけで証拠はないのですが、私は、この人はいい夫であるような印象を受けました。奥さんである被告人にまともになって欲しいと願っていると思えます。女性の通訳を通じて一生懸命話している姿からは誠実さが伝わってきました。

ちなみに被告人の前の夫が薬物で逮捕されています。そのせいで真面目に音楽イベントの仕事をしていた被告人は多くのお客さんや関係者の信用を失ったそうです。今回あまりこの点の追求はありませんでしたが、そのあたりから被告人が薬物にかかわるようになったのかもしれません。

逮捕直後は被告人は薬物の密売にかかわっていたやくざを怖がっていましたが、起訴後に警察に協力的になったそうです。が、時すでに遅しです。協力したということを主張するためでしょうか、被告人は力士の薬物事件のことなどもすべて話したなどといっていました。あのロシアの力士たちなのでしょうか。別件かもしれません。

弁護人はやくざ撲滅の運動をしているようです。被告人はそれを知っているので、今回やくざとかかわりがあった事件なので最初は話せなかったのだといいました。それをいったら、弁護を引き受けてもらえないのではないかと心配した、と。

弁護士が被告人に、薬物依存症である自覚はあるか、更正施設に入るつもりはあるかと気持ちの入ったじっくりした口調で確認していました。父親が病気で大変なときに、こんなことをしている場合ではないなどといったりして、人情がらみの話などもしていました。下條アトムにちょっと似ているこの弁護士の話はなかなか味があってよかったです。被告人は親孝行したいと締めくくっていました。

私はこの弁護士がとてもいい人に見えて共感してしまいました。私の裁判傍聴は情緒に流されすぎかもしれません。

他にもイベントや密売に使っていたマンションに踏み込んだ前後のいきさつや警察官とのやり取りなどに関しての証言もあったのですが、長くなるので省略します。傍聴しているときにはこの部分の話が一番リアリティがあって面白かったのですが、暴力団がらみなので書きづらいです。実名とか組織の名前とか出てくるし。ほかに、韓国人ホステス、おかまちゃんなども登場します。

論告求刑などは次回だそうです。

最初は傍聴人が少なく、途中で帰る人も何人かいました。たしかに前半を聞いていても、どんな事件で何が争点なのかわかりにくかったです。つまらないからと帰ってしまう人の気持ちもわかります。裁判は初回から見たほうがいいですね。どういうわけか終わりごろは10人くらいが傍聴していました。

裁判の進行はところどころグダグダしています。同じような話が繰り返して出てきて、ちょっと飽きてしまう場面がありました。それと検察側の追求がとても弱かったようです。再犯なのでどうせ重い処罰になるだろうと思っているのかもしれません。

裁判は面白いと思いましたが、その面白さは笑うような面白さではありません。内容は真剣そのもの。人生のいろいろが見えてきて、ある種文学的です。最近は裁判を不謹慎なふざけた態度でレポートするような本がよく出ていますが、あれはどうかと思いました。

ふざけた被告人にあたったら、こちらの態度も大いに変わるかもしれませんが、とりあえず初回の傍聴は神妙に拝聴させていただきました。

お昼は地下に降りて食堂ですませました。チャーシューメン、520円。味はよくある食堂クオリティです。1階の玄関に戻ると、人が増えていて驚きました。学生らしい若い人が大勢来ていました。アベックもちらほら。

(つづく)
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テーマ : 今日の出来事
ジャンル : 日記

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情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

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