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『失踪日記』 吾妻ひでお

失踪日記
吾妻 ひでお
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 吾妻ひでおは、『やけくそ天使』や『不条理日記』で知られるかつての人気マンガ家です。この『失踪日記』は、実話マンガであり、人気漫画家が失踪して路上生活者となるという衝撃の内容です。

 吾妻氏は、「仕事したくない病」のためにすべての仕事をキャンセルして、酒を飲んでばかりの生活をはじめます。そしていよいよおかしくなって山中で自殺未遂、そしてホームレス生活に突入となります。

 とにかくそのホームレスの生活ぶりがすさまじい。モノが少ない状態から始めた生活でしかも路上生活初心者のためにやたらと苦労をします。よく我慢ができると不思議に思えます。

 やがてホームレスにも慣れてうまく食事を得る方法を発見して、余裕ができると今度は退屈し始めます。ショーペンハウアーいうところの困苦と退屈です。

 二度目の失踪では、ホームレス生活が退屈なので配管工になって働きます。そこにはおかしな人たちにかこまれた生活がまっていました…。

 人気漫画家だった人が自ら望んでホームレスとなったのですから、前代未聞の奇行であり、それを赤裸々に描いた奇書です。ただし、保護された後の家族とのやりとりはまったく書かれていません。おそらくすごく面白いはずですが、家族に迷惑がかかるということなのでしょう。

 世間から遁世して隠遁閑居の生活を送りたいと思う人は多いでしょうが、ホームレスとなるとさすがに避けたいのが普通の人間です。漫画家としての仕事に行き詰まりを感じていたとはいえ、このような生活をするモチベーションがどこにあるのか理解しにくいです。

 もしかするとホームレスになりやすい人となりにくい人というのが世の中に入るのかもしれません。路上生活への抵抗感のなさといいますか、嫌悪感のなさといいますか。

 それにしても慣れるとホームレスも楽に暮らせそうです。マンガの前半は厳しい生活だったのに、途中からは悲壮感がまったくありません。吾妻氏の画風のせいもあるでしょうが、とても楽しそうに見えます。

 先日、テレビで神奈川県の防風林で暮らすホームレスを取材していました。ビニールや木造でいく部屋かを作り、そこで本を読み、ラジオをきき、コーヒーを淹れていました。じつに優雅な生活で驚きました。東京だと路上で寝ている汚いホームレスが多いのですが、場所さえあれば、あんなことも可能なのですね。ホームレスの世界もはっきりと格差があるようです。

 後半は漫画家へ復帰した後の話と、アルコール依存症で入院したときの体験記です。おそろしいアル中の症状と奇怪な患者たちの世界が描かれます。悲惨さではアルコール依存症はホームレスの比ではありません。壮絶です。

 本のカバー裏にインタビュー記事があるので忘れずに読んでください。本編の補足になっています。

逃亡日記
吾妻 ひでお

逃亡日記
うつうつひでお日記 (単行本コミックス) 便利屋みみちゃん 1 (ぶんか社コミックス) ネオ・アズマニア 3 (3) (ハヤカワコミック文庫 ア 4-11) 失踪日記 ネオ・アズマニア (2) (ハヤカワコミック文庫 (JA873))
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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はじめまして。
ちょっと質問したいのですが、画像から商品プレビューを出す方法ってどうやってるんですか?
よかったら教えてください。
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Author:Cozy
情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

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