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『図説 モーツァルト その生涯とミステリー』 じつはアマデウスではなかった

図説 モーツァルト ― その生涯とミステリー (ふくろうの本)
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 後藤真理子著

 モーツァルトの生涯の概略を知るにはちょうどいい読み物です。写真や絵などのビジュアル資料が豊富で、モーツァルトのかかわった人物や建物が目で見てわかるのもグッド。

 モーツァルトの洗礼名がアマデウスではなかったということを初めて知りました。名前の一部には「テオーフィルス」とあって、これが「神が愛する者」の意味を持ちます。これをのちにモーツァルト自身がラテン語の「アマデウス」と自署することになります。確かにこの方が音の響きが美しいです。

 幼いモーツァルトは父親に連れられてヨーロッパ各国をまわりますが、その父親の動機を著者は「この奇跡は、世間に広く示すべきである」「旅はまた、息子の才能に大きな影響を与えるだろう」とふたつあげていますが、好意的すぎる解釈です。実際には世間ではなく貴族に息子を紹介したわけですし、かなりのお金になったのですから、金銭的および将来の就職口を得ることを大きく動機と考えるべきでしょう。

 晩年(といっても35歳でに死ぬのですが)のモーツァルトの音楽は人気がなくなり、演奏会に人が集まらなくなるというのは有名な話です。しかし、そのころの借金の申出の額が生活費にしては多すぎるので、賭博による借金があったのではないかとの説があります。

 そのことは本書でも紹介されていますが、最近、研究者により、晩年のモーツァルトの収入はかなり多かったが、浪費が過ぎた、との説が発表されています。

 24人の研究者から成る国際的モーツァルト研究チームが、約5年間にわたる緻密な調査によって、モーツァルトの晩年の財政状況を明らかにした。研究チームはオーストリアや各国で可能な限りのモーツァルトの財源を調査。その結果、モーツァルトは現在の金額に換算すると年収約15万ユーロ(約1900万円)であり、年収の約17%を貴族的ライフスタイルを維持するために浪費していたことがわかった。
     モーツァルト、実は高給取りで浪費家だった


 いうまでもなくモーツァルトは貴族ではありませんが、売れている頃はかなりの収入があったのでしょう。その頃、身についた貴族的な生活を続けたくて、借金を申し出たのだと考えられます。貴族でもないのに貴族的な生活を続けたいとしたのなら、かなり享楽的で見栄っ張りな性格だったかもしれません。過去の成功体験がありますから、一発当てればまた大金が入ってくるとでも思っていたことでしょう。(当然、この研究は本書には反映されていません)

 ただ、いまだ謎なのはなぜ晩年に健康を害したのかという点です。晩年の毛髪でも残っていればいいのですが、不幸にもモーツァルトの墓地はどこにあるのかさえ不明です。共同墓地に埋められたことだけがわかっているだけで、妻のコンスタンツェも埋葬には立ち会っていません。遺体やそれにまつわる何かが出てくる可能せはほぼゼロです。こちらの謎の方は解けることはないかもしれません。


モーツァルト 天才の秘密 (文春新書) モーツァルトの手紙 モ-ツァルト (講談社学術文庫) 恋愛哲学者モーツァルト (新潮選書) 西洋音楽史―「クラシック」の黄昏 (中公新書)
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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

龍馬伝 第17回視聴率 21.8% 千葉佐那は容色に優れたる美剣士

 龍馬伝第17回の視聴率は21.8%でした。前回に比べてマイナス0.1%と微減。まずまずの数字です。

 意外にも坂本龍馬(福山雅治)と千葉佐那(貫地谷しほり)との関係はあっけなく終息しました。加尾(広末涼子)との恋愛をあれだけ大仰に描いてしまったので、佐那と深い仲にしてしまうと龍馬がいかにも節操の無い人間に見えてしまうので、あっさりと別れさせてしまったのかもしれません。この後、お龍との結婚もありますから、三人の女を渡り歩いたとしたくはなかったのでしょう。

 千葉佐那が美人であったことは宇和島藩8代藩主伊達宗城の記録「稿本藍山公記」に記述されていることが最近わかりました。

「稿本藍山公記」には宗城の日記や藩の記録が編年体で収めてある。1856年6月19日の部分で、伊達家の姫君に剣術を教えていた19歳の佐那について「左那ハ、容色モ、両御殿中、第一ニテ、薙刀ニモ、熟達シ」と記していた。

   産経ニュース「竜馬の婚約者は「美人」 愛媛・宇和島藩の記録から判明」(2010.4.4 19:19)


 龍馬と別れ生涯独身であった千葉佐那。龍馬伝での扱いがぞんざいすぎます。

 今回の龍馬伝、ストーリー的にはつなぎの回でした。見るべきものは特にないのですが、武市半平太(大森南朋)の勢いも頂点に達したこと、岡田以蔵(佐藤健)が人斬りとして堂にいってきたことが印象に残りました。


 視聴率の推移

 第1回 23.2% 前回との差
 第2回 21.0% -2.2 最低視聴率更新↓
 第3回 22.6% +1.6
 第4回 23.4% +0.8 最高視聴率更新↑
 第5回 24.4% +1.0 最高視聴率更新↑
 第6回 21.2% -3.2
 第7回 20.2% -1.0 最低視聴率更新↓
 第8回 22.3% +2.1
 第9回 21.0% -1.3
 第10回 20.4% -0.6
 第11回 21.4% +1.0
 第12回 17.7% -3.7 最低視聴率更新↓
 第13回 18.8% +1.1
 第14回 18.5% -0.3
 第15回 18.4% -0.1
 第16回 21.9% +3.5
 第17回 21.8% -0.1

裏番組との比較
21.8% 20:00-20:45 NHK 龍馬伝 第17話「怪物、容堂」
19.7% 19:58-20:54 NTV 世界の果てまでイッテQ!
*8.4% 19:57-20:54 TBS オレたち!クイズMAN
10.6% 19:58-20:54 CX* 爆笑レッドカーペット
*9.0% 19:58-20:54 EX__ 大改造!!劇的ビフォーアフターSEASONⅡ
*8.9% 19:57-22:08 TX__ 日曜ビッグバラエティ完成!ドリームハウス

テーマ : 龍馬伝
ジャンル : テレビ・ラジオ

特報首都圏「“ひとり”が怖い」 異様な友だち強要社会

 NHKの特報首都圏「“ひとり”が怖い」で紹介されていた大学生の人間関係は私には冗談か悪夢の世界でした。

 最近の大学生が、ひとり食事をしているところを人から見られたくないと真剣に考えていて、もしそうなる状況ならトイレで食事をするというのです。

 携帯電話のリストには友だちが700人とか1000人とか載っているのは普通のことのようです。メールのやり取りは頻繁に行われ、直ぐに返事をしなければならない。話題は特になくてもダラダラと続き、会話を終えていいのは眠る時だそうです。

 これはなにかの罰ゲームでしょうか。

 いつだったか「友だち100人できるかな」なんて歌詞の歌を聞いたことがあります。100人という数字は常識的には無理な数字ですから、これはオーバーな表現にすぎないのだろうと思っていましたが、世の中はこういう世界を本気で考えていたようです。

 もちろん友だち700人というのは間違った日本語でしょう。本来知り合いと呼ぶべきで人間を友だちだと称しているだけで、およそ実態のないもののはずです。

 その中でよくメールをやり取りする人間をたとえば友だちと呼んでいいとしても、さて、このような相互監視的なメールの送りあいは友だち関係の強要ではないでしょうか。

 番組の中では、孤独の重要性と言うことが語られていました。孤独の中で自分を見つめることも発達心理学的には重要だ、と。それからすると、今の大学生は中学生くらいの心で止まっているのではないか、といってました。

 四六時中人とやりとりをしなければならない状況というのは私には辛いものに思えるのですが、彼らはどう思っているのでしょう。番組に出てきた若者はニコニコしている人が多かったのでそれはそれで楽しいのかもしれません。そういう状態に適応しているのでしょう。

 一方で無縁社会が進み、一方で友だち関係の強要が進む、私たちはかなり異常な社会を形成しているようです。


友だち幻想―人と人の“つながり”を考える (ちくまプリマー新書)

友だち幻想―人と人の“つながり”を考える (ちくまプリマー新書)
友だち地獄―「空気を読む」世代のサバイバル (ちくま新書) ジンメル・つながりの哲学 (NHKブックス) いまこの国で大人になるということ 「個性」を煽られる子どもたち―親密圏の変容を考える (岩波ブックレット) ほんとはこわい「やさしさ社会」 (ちくまプリマー新書)
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テーマ : NHK
ジャンル : テレビ・ラジオ

『ルポ貧困大国アメリカ II』 企業と政府がつくりだす経済奴隷

ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)
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 堤未果著

 驚愕のアメリカ貧困リポートの第二弾です。

 とりあげるのは、教育ローン、年金などの社会保障、医療保険、刑務所での低賃金労働です。

 アメリカの貧困はたんに低所得者の生活が苦しいとかいうレベルの問題ではなく、企業が政府と癒着して意図的に学資ローン漬け、医療難民、受刑者を生み出しているとこうことです。一生かかっても返済できない債務を負いどうあがいてもはい上げれないような状況に人間を追い込むシステムが作られていることです。

 アメリカ型の自由主義は本当に恐ろしいものです。強い立場の人やグループが弱い立場の人間から徹底的に搾取する構造を生み出し、どんどん強化しています。私たちはさんざん社会主義や共産主義の失敗や恐ろしさを吹き込まれてきましたが、自由主義経済もここまでくるとほとんど悪夢であることがわかります。

 悲惨な状況に陥らないように各人が気を付けるべきだという考えは当然あるでしょう。2005年のアメリカ人の貯蓄率はゼロになったそうです。原因の一つはひたすら消費を追いかける馬鹿げた生活習慣のせいですが、そのように洗脳された結果だとも言えますし、洗脳されやすい無批判的で怠惰な思考力と無教養のせいであるとも言えます。

 とくにショックを受けたのは刑務所の話です。民営化された刑務所や関連企業が多くの受刑者を意図的につくりだしているのです。

 マイケル・ムーアの映画で紹介された例では、ペンシルバニアの民営更生施設が裁判官に賄賂とともに圧力をかけ「路上で騒いだり、教師の悪口をネットに書き込むなどの行為で逮捕された若者たちに有罪判決を出させ、刑期を意図的に引き伸ばしていた」といいます。若者の逮捕率の上昇は、多くの州でも見られる現象です。そして、今後はホームレスを違法化しようとしています。

 信じられないような話ですが、刑務所に入るとなにかとお金がかかり借金を負わされる構造になっています。貯金のないものが一度逮捕されたら、終わり。借金を背負い、社会に戻っても就職はできず、再犯をおかし、刑務所に戻る。そして出所すれば、次に捕まるときはスリーストライク法で終身刑に追い込まれるのです。

 受刑者が異常な低賃金労働者として利用されている実態など一体どこの独裁国家だろうかと思うほどです。「世界を飲み込もうとしているのは、「キャピタリズム(資本主義)」よりむしろ、「コーポラティズム(政府と企業の癒着主義)」の方だろう」と著者は警告します。

 日本がこうした社会にならないようにするためには、一人ひとりが市民であるための教養を身につけ、社会を監視していかなければならないのでしょう。マスコミもまた企業ですから、そう簡単に信じるわけにはいきません。インターネット上のジャーナリズムが盛んになることも大切でしょう。


アメリカから<自由>が消える (扶桑社新書) ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書) コミック貧困大国アメリカ 新・反グローバリズム――金融資本主義を超えて (岩波現代文庫) オバマ演説集 (岩波新書)
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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

『改訂版 知のツールボックス 新入生 援助集』 とても親切な大学生向けお勉強ガイド

知のツールボックス―新入生援助(フレッシュマンおたすけ)集
専修大学出版企画委員会
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 専修大学出版企画委員会編

 大学の新入生に「大学での勉強はこれまでとは違います。こうやってください」と親切に教えてくれるお勉強ガイドです。読みやすく、しかもけっこうよくまとまっていて親切すぎるほどです。ただしこの本独自の主張というのはないようです。あれやこれや必要なものを並べているだけともいえます。

 こういう本を見ると、今はまわりにが親切にしすぎるから積極性がないんだよ、と批判したくもなりますが、大学の大衆化はずっと以前から始まっているし、昔の学生も積極性があったとは思えません。自分もぜんぜん勉強しなかった口ですから、批判する側には立ちにくいです。

 自分の学生時代にこういう本があったとしても、やっぱりサークルに入り浸り、授業とは関係ない本を読んでいたことでしょう。


<目次>
プロローグ 大学での勉強はこうなっている
第1章 話を聞き、ノートをとる
第2章 自分で調べる
第3章 文章を読む
第4章 ひとと議論して考える
第5章 レポートを書く
第6章 プレゼンテーション
第7章 ネットのコミュニケーションを活用する

 第1章のノートの取り方なんて結構すごいです。授業をぼんやり聞いていたどころか常に上の空だった自分からすると、なんと高度なことをやるのかと思いますが、勉学に真剣で優秀な学生なら普通のレベルなのかもしれません。

 問題は、方法を提示しても学生自身が実践するかということでしょう。それにはいろいろ足りないものがありそうです。そもそも学問的な知的好奇心や学習意欲があるのかどうか。基礎学力は十分かどうか。入試制度や企業との関係など、ガイドだけでは済まないもっと大きな問題が背後にあります。


アカデミック・スキルズ―大学生のための知的技法入門 大学生のための日本語表現トレーニング スキルアップ編 大学生のための日本語表現トレーニング 実践編 大学活用法 (岩波ジュニア新書 (357)) 広げる知の世界―大学でのまなびのレッスン
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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

龍馬伝 第16回視聴率 21.9% みんな知っている勝海舟

 龍馬伝第16回の視聴率は21.9%でした。前回に比べてプラス3.5%と大幅増。一気に数字を戻す展開です。

 舞台は江戸に戻り、勝海舟と出会い、龍馬が自分の道を見つけることができた重要な内容でした。武田鉄矢のどうしようもない江戸弁と老人ぷりにもかかわらず数字を戻したのは見事なものです。題名の「勝麟太郎」も期待を抱かえるものだったのでしょう。やはり日本史の有名人ですから。もちろん武田鉄矢がいいんじゃなくて、勝麟太郎に関心があるってことですよ。

 千葉佐那との関係をさてどうするか。これが問題です。ふたりは婚約したといわれています。一体いつになったら二人の距離は縮まるのか。注目のサブストーリーです。


 視聴率の推移

 第1回 23.2% 前回との差
 第2回 21.0% -2.2 最低視聴率更新↓
 第3回 22.6% +1.6
 第4回 23.4% +0.8 最高視聴率更新↑
 第5回 24.4% +1.0 最高視聴率更新↑
 第6回 21.2% -3.2
 第7回 20.2% -1.0 最低視聴率更新↓
 第8回 22.3% +2.1
 第9回 21.0% -1.3
 第10回 20.4% -0.6
 第11回 21.4% +1.0
 第12回 17.7% -3.7 最低視聴率更新↓
 第13回 18.8% +1.1
 第14回 18.5% -0.3
 第15回 18.4% -0.1
 第16回 21.9% +3.5

裏番組との比較
21.9% 20:00-20:45 NHK 龍馬伝 第16回「勝燐太郎」
19.0% 20:45-21:00 NHK ニュース・気象情報

18.6% 19:58-20:54 NTV 世界の果てまでイッテQ!
*6.7% 19:00-20:54 TBS オレたち!クイズMAN SP
10.2% 19:58-20:54 CX* 爆笑レッドカーペット
*8.9% 19:58-20:54 EX__ 大改造!!劇的ビフォーアフターSEASONⅡ
*6.5% 19:54-21:48 TX__ 日曜ビッグバラエティ・料理の怪人

テーマ : 龍馬伝
ジャンル : テレビ・ラジオ

龍馬伝 第16話「勝麟太郎」 ありえない鉄矢の江戸弁とわくわくする龍馬の未来

 勝麟太郎(武田鉄矢)の江戸弁がまったく江戸弁に聞こえません。それにあの老人っぽいセリフ回しはないでしょう。見ているこちらはただただ醒めるばかりです。

 勝と龍馬(福山雅治)の最初の会見場面もよくなかった。勝の態度がつまらなさすぎますし、龍馬の受け答えもまったく面白くない。あえてそう描いたのかもしれませんが、成功はしていません。

 しかし、二度目の会見で龍馬が日本の未来を語る場面から後はよかったです。龍馬の考えは軍事力が抑止力になるという抑止論にすぎないのですが、侵略されずに平和を維持するにはこれしかありません。倒幕がたんなる権力の交代ではなく、日本という統一国家の成立であるという点もうまく紹介されていました。

 咸臨丸に乗り込んだ龍馬もよかったです。龍馬の感動がこちらにも伝わってきました。これから龍馬伝が本格的にはじまるぞという感じです。

 武田鉄矢のミスキャスト以外はおおむねいい感じの展開です。

テーマ : 龍馬伝
ジャンル : テレビ・ラジオ

『カルレッティ氏の東洋見聞録』 日本人の残虐ぶりを伝える記録

カルレッティ氏の東洋見聞録―あるイタリア商人が見た秀吉時代の世界と日本 (21世紀図書館)


エンゲルベルト ヨリッセン著

 副題は「あるイタリア商人が見た秀吉時代の世界と日本」です。

 カルレッティが1594年から1602年にかけておこなった世界一周の旅を紹介しています。日本についての記述が多めですが他の地域についても書かれているため、副題に引かれて読むと分量が少なくてがっかりするかもしれません。

 特記すべきことは日本人が世界で好戦的な民族として知られていたということです。「スペイン領フィリピンで、とりわけ日本人が恐れられていた」とあります。著者のヨリッセンによれば「日本人のその好戦的な性格については、すでに一六世紀の半ばからその地に赴いたほとんどすべてのヨーロッパ人が異口同音に述べ伝えていた」そうです。

 当時の日本が戦国時代であったことも影響しているのでしょう。対外的には倭寇や秀吉の朝鮮出兵などもありますし、このような評価もやむなし、でしょう。

 カルレッティが日本についてからの記述も、日本人の残虐さに触れたものが多く、人の命や苦痛を軽く見ている様子がわってきます。

第四の性格は、はなはだ残忍に、軽々しく人間を殺すことである。些細なことで家臣を殺害し、人間の首を斬り、胴体を二つに断ち切ることは、まるで豚を殺すがごとくであり、これを重大なこととは考えていない。


 戦国時代末期の話ですからこれは嘘ではないでしょう。

 姦通罪に対する以下の処罰などはちょっと信じられないものです。

夫の面前で、姦夫の陰茎が切り落とされる。その際、本体からは帽子が作られるくらいの皮膚を剥ぎとり、それを姦婦の頭上にのせる。
姦婦の陰唇からは肉が切りとられ、それでもって一種の花飾りが編まれ、姦通した男の頭上にのせられる。そして相手の身体から切りとられたものを身体の一部に飾られ、裸にされ街中を歩かされ、哀れで恥しい見せ物として肉体を大衆の前に曝す。一方、血は傷口から流れ続け、やがて彼らは死に至る


 これはすごい拷問と恥辱です。本当かな、と思ってしまいますが、人権とかヒューマニズムという概念のない世界ですから、こういうこともありえたのかもしれません。ヨーロッパだって魔女狩りの世界です。日本がとくに野蛮だと批難もできないと思います。

 他に秀吉が朝鮮出兵をしたのは、彼が内政を思うがままにしたいがためだったとの説を披露していて興味深いです。一面真実かもしれません。

 他に奴隷にまつわる話、インドの性的文化などいろいろ関心を引く話題も紹介されています。機会があれば読んでみてはいかがでしょう。

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

ファスト住宅、550万円で家が建つ

 NHKで紹介していましたが、今はファスト住宅といって早い安い一軒家の低価格住宅が流行りつつあるようです。

 番組で紹介していたのはなんと550万円の一戸建て。二階建てのたしか3LDKだったと思います。家のあちこちを安い素材や工法に変えることでこの価格を実現しています。例えば、天井はクロスを使わず、石膏ボードのみ。窓枠は四方を木材で囲まずに下枠のみ。こうしたことを1000箇所以上積み重ねて低価格を実現しています。当然工期が短くなって人件費も少なくなるのでしょう。

 地方の安い土地でも買えば、新築の一戸建てとあわせて1000万円程度で家を建てることもできます。

 ネットに調べたところこんなサイトがありました。

新すまい55(550万円からの家づくり)

 オール電化、オール床暖房の平屋プランもなかなかいいじゃないですか。早期リタイアにはぴったりの家という気がします。

 日本の人口は減り続けるでしょうから、今後もこういう安い不動産の話題が続々と出てくるはずです。一人暮らしも増えて無縁社会となっていくことは政府も自治体も不動産業者もわかっています。単身の人が入りやすい安い物件もきっとでてくるでしょう。今後はそういう話題を待ちたいですね。

テーマ : マイホーム
ジャンル : ライフ

『ベートーヴェンの生涯』 晩年と臨終「芝居は終わった」

 残念ながらベートーヴェンを襲ったのは難聴だけではありませんでした。彼は多くの病気に苦しめられていました。現在ではベートーヴェンの毛髪を分析した結果、彼が鉛中毒だったという説が有力です。本書にはどこから鉛を摂取することになったのかは書かれていませんが、当時ワインには鉛の化合物が甘味料として使われることがあったそうなので、ワイン好きのベートーヴェンはワインから鉛を取っていた可能性があります。

 また甥とその母親(義理の妹)との関係に問題が発生し、心労が多かったため、、ストレスも体調にマイナスに働いたことでしょう。

 作曲家としての名声は高かったにしても、病苦と人間関係(養子問題)の問題で苦しんだりして、つらいことが多かったことは間違いありません。

 ベートーヴェンの最後の言葉は「喝采を、諸君、芝居は終わった」であったと本書には書かれていますが、一般には「芝居」ではなく「喜劇」と訳しています。原語のラテン語ではcomoediaという言葉を使っていますが、これは喜劇と同じ意味ではなく悲劇ではない劇一般を指す言葉のようです。あえて喜劇を訳さない方が意味を限定しないのでいいかもしれません。

 著者はこの言葉をベートーヴェンの「ユーモアを含んだ達観」と評していますが、むしろアイロニー(皮肉)というべきでしょう。

 ちなみにこの言葉はローマ皇帝アウグストゥスの臨終の言葉を真似たものだそうです。なぜか本書には書かれていませんでした。

 実際にベートーヴェンがなくなるのは、この言葉を発してから3日後の1827年3月26日です。享年56才。ベートーヴェンは忌まわの際に不思議な動作をしますが、これは一体なんだったのでしょう。雷が落ちたときに、突如目を開いて、天を凝視し、しばらくの間、右手の拳をかかげたそうです。本当に不思議な現象です。

 著者はその時の様子に妙な解釈を付け加えていますが、とってつけたような無理な空想です。それまで押さえ気味の筆致だったのに、最後になって妙な見解を示したことは本書の汚点です。

 ベートーヴェンの葬式はかつてないほど盛大なものでした。それはオーストリアの皇帝以上だったといわれています。このことからベートーヴェンは生きながらに伝説的な存在となっていたことが伺われます。生前報われない芸術家が多いなか、ベートーヴェンはこの点では幸福ではあったようです。

 本書はベートーヴェンに関心のある人には最適のベートーヴェンの伝記です。新しい研究が反映されている点が何よりも優れていますし、コンパクトです。彼の音楽に感動したならばぜひ読んでいただきたい一冊です。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

『ベートーヴェンの生涯』 性格と芸術への態度

 本書よりベートーヴェンの人間性に言及した言葉を集めてみました。

 ベートーヴェンが一時的に惚れていた若い女性ベッティーナ・ブレンターノの言葉です。

 「自分の芸術に誇りを持つ姿はまるで王者のようです。世俗のすべてを蔑視して何ものにも縛られず、人間のただ中にあってもその目は自然の深奥の秘密に向けられています」

 ベートーヴェンが世間の常識を無視した人間であることはこの言葉からも伺われます。彼の世俗蔑視は芸術至上主義および自分を孤高の存在と見ていたことからきているようです。自然科学者でもないのに「自然の深奥の秘密」に目が向けられているという表現に違和感を覚えますが、芸術を通してそれに触れ得るとベートーヴェンが考えていたのか、あるいは彼自身強く自然を愛していたのでこう表現したのか、ベッティーナの言葉はちょっと謎です。

 ベッティーナの義姉で人妻でもあるアントーニア・ブレンターノの言葉です。
 「ベートーヴェンは、私のもっとも愛する人の一人になりました。彼の卓抜さはそのままのつき合い方、いかなる感情にもたとえようのない感情をよびさます彼の演奏、それは彼のほの暗くかげった額の丸天井に覆われた、音芸術の霊がやどる聖櫃の中から、それらを神々しい姿によみがえらせるかのようです。彼のあり方すべてが、素朴で気高く善意にみち、そして彼の心のやさしさは、もっとも感じやすい女性のそれにもまさるものです。」

 著者の青木氏は上記のアントーニアをベートーヴェンの「不滅の恋人」であると考えています。「不滅の恋人」とはベートーヴェンの残した恋文の相手のことです。この手紙はベートーヴェンの机の引き出しから出てきたもので、強い恋愛感情が表明されています。

 いろいろ複雑な事情があって最期は別れたようですが、その詳細は本書には書かれていません。同じ著者の『ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探究』に詳しいようです。

 当時二人が恋愛関係にあったこと、あるいはこの言葉の後に恋愛関係になるだろうことを考慮すると、ベートーヴェンはとりわけ彼女にはやさしく接したことでしょうから、アントーニアがこのような印象を持ったことは不思議ではありません。おそらくベートーヴェンが誰にもでこうした面を見せたわけではないでしょう。

 本書を読むと、ベートーヴェンはけっして恋愛に奥手ではなかったことが推測できます。最終的には上手く行かなかったにしろ、比較的積極的に振舞ったように思えます。

 ベートーヴェンは尊敬していたゲーテとも会っています。ゲーテが妻へ宛てた手紙にはこうあります。
 「私はこれまで、これほど強い集中力を持ち、これほどエネルギッシュで、しかも内面的な芸術家を見たことがない」

 ここからはベートーヴェンが激しく芸術に専心していた様子が伝わってきます。ベッティーナの言葉と合わせると芸術、音楽にかける彼の並々ならぬ思いが伝わってきます。だからこそ、難聴に苦しんだときには自殺を考えたのでしょう。しかし、それも芸術への愛のためにすぐに思い直しています。「ハイリゲンシュタットの遺言書」には「自分が使命を自覚している仕事をしとげないでこの世を見捨ててはならない」と書いています。

 つづく


ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探究 決定版 (平凡社ライブラリー あ 21-1)

ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探究 決定版 (平凡社ライブラリー あ 21-1)
ゲーテとベートーヴェン―巨匠たちの知られざる友情 (平凡社新書) ベートーヴェンの生涯 (平凡社新書) ベートーヴェン (新潮文庫―カラー版作曲家の生涯) 新編ベートーヴェンの手紙 下    岩波文庫 青 501-4 新編 ベートーヴェンの手紙〈上〉 (岩波文庫)
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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

龍馬伝 第15回視聴率 18.4% 内容はいいんです、ホント

 龍馬伝第15回の視聴率は18.4%でした。前回に比べてマイナス0.1%と続落。4回連続で20%以下となりました。

 ストーリー的には歴史的に重要なイベントはなく、坂本龍馬(福山雅治)と平井加尾(広末涼子)の恋愛関係に決着をつけたこと、岡田以蔵(佐藤健)が人斬りとしてアイデンティティを確立したことが、今回の主要テーマでした。
私としては面白く見ましたが、歴史ドラマとしては地味なのかもしれません。

 加尾との恋愛は史実とは言い難いのですが、まあこういうフィクションもあっていいでしょう。広末もかわいい姿を見せたし、二人の関係も味わいがありました。いいですよ。

 しかし、以蔵は哀れですね。人を殺すことで自分の存在を認めてもらうというのは。もちろん戦争の英雄も同じなのかもしれませんが、佐藤以蔵の場合は可憐で健気であるだけに余計悲しく感じます。でも、これもいい。

 龍馬の大志がじょじょに方向性を見せ始めています。平和主義で開国を志向しながら日本を救うにはどうすればいいのか。ここに焦点が当てられています。

 龍馬がもし生きてたら、戊辰戦争を回避する方法を見出したのでしょうか。


 視聴率の推移

 第1回 23.2% 前回との差
 第2回 21.0% -2.2 最低視聴率更新↓
 第3回 22.6% +1.6
 第4回 23.4% +0.8 最高視聴率更新↑
 第5回 24.4% +1.0 最高視聴率更新↑
 第6回 21.2% -3.2
 第7回 20.2% -1.0 最低視聴率更新↓
 第8回 22.3% +2.1
 第9回 21.0% -1.3
 第10回 20.4% -0.6
 第11回 21.4% +1.0
 第12回 17.7% -3.7 最低視聴率更新↓
 第13回 18.8% +1.1
 第14回 18.5% -0.3
 第15回 18.4% -0.1

裏番組との比較
18.4% 20:00-20:45 NHK 龍馬伝
12.9% 19:00-20:54 NTV ザ!鉄腕!DASH!!ソーラーカー今夜ついにゴール&水鉄砲ジャッキー緊急参戦SP
13.8% 19:00-20:54 TBS 春の超豪華版!さんまのからくりTV芸能人替え歌王決定戦SP
11.0% 19:00-20:54 CX* 爆笑レッドカーペット日曜日に大移動だよ芸人集合スペシャル!
10.7% 19:00-20:54 EX__ 世界の子供がSOS!!仕事人バンク!第5弾ウガンダの貧困大家族を救うニッポンの技
*7.5% 19:54-21:48 TX__ スターズ・オン・アイス2010

テーマ : 龍馬伝
ジャンル : テレビ・ラジオ

『ベートーヴェンの生涯』 ベートーヴェンは醜男なのか?

ベートーヴェンの生涯 (平凡社新書)
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 青木やよひ著

 最新研究が反映されたベートーヴェンの生涯です。恋愛が成就せず、病気に苦しめられたという点では悲劇的ですが、人付き合いが多く、生前から人々から尊敬を受けた生涯は恵まれた点も多くあったと思われます。人嫌いで苦悩の中で生きたという古いベートーヴェン像とはだいぶ違ったベートーヴェン像を見せてくれます。

 ベートーヴェンの容姿については不細工がありましたが、本当のところはどうでしょう。たしかに求婚して断られた相手であるマグダレーナ・ヴィルマンのベートーヴェンの印象はひどいものです。彼を「あまりに醜く、狂人じみていた」といっています。

 しかし残っている彼の肖像画は特に醜男ではありませんし、彼自身が友人などに自分の肖像画をプレゼントしているところを見ると、容姿に強いコンプレックスがあったとも思えません。ただ髪型などには無頓着で毛が逆立っていたし、色は浅黒く、痘痕(あばた)の跡が残っていたといいます。とくに痘痕の跡についてはやはり醜いといってもいいかもしれません。また背が低かったといいます。

 ベートーヴェンがかなり引かれていたらしいベッティーナという女性は彼の額を「崇高な丸天井…これは傑作です」とほめています。容姿についてはほかに褒めるところがないということかもしれませんが。

 次に狂人じみているという評価について。常識的な行動をしないというのは本当のようです。人とはちゃんと付き合いもありましたが、激昂しやすいところもありました。

 彼は自分の作品においても世間に迎合しないことを意識していました。

 こんな言葉が残っています。

 作品を引いたヴァイオリニストに「これはあなたのためのものではない、やがて来る時代のためのものです!」

 晩年のベートーヴェンの世話をした少年には「私は自分がよいと思ったままを書き、同時代人の批評にまどわされることはないのだ」といっています。(実際は筆談です)

 つづく


ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)
片山 敏彦

ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)
新編ベートーヴェンの手紙 下    岩波文庫 青 501-4 新編 ベートーヴェンの手紙〈上〉 (岩波文庫) ベートーヴェン (新潮文庫―カラー版作曲家の生涯) ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探究 決定版 (平凡社ライブラリー あ 21-1) 音楽と音楽家 (岩波文庫 青 502-1)
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昭和館企画展『版画に描かれたくらしと風景』 戦中戦後の東京を味わう

 九段下の昭和館でやっていた企画展『版画に描かれたくらしと風景』を見てきました。

 川瀬巴水などの昭和の版画がまとめて見られる機会はなかなかありませんので、版画好きなら見ておくべきでしょう。

 織田一磨、吉田博、恩地孝四郎、川上澄生、小泉癸巳男などの東京風景で知られる版画家はもちろん、ノエル・ヌエットの作品も展示されていました。ヌエット作品が見られたのは収穫ですが、あまりいいできではなかったです。風景は得意ではないのかもしれません。

 意外だったのは伊東深水の版画もあったことです。美人画で有名な日本画家です。朝丘雪路の父親といえばわかるでしょうか。

 戦中の版画には戦争の影響が色濃く、戦時体制に迎合的なものを作らないと発表ができなかった当時の状況が偲ばれます。作品的には井上仙「千人針」と小早川秋馨「国旗輝く」あたりは見る価値があります。とくに「国旗輝く」は版画には珍しい題材と表現でちょっと驚かされました。

 江戸期の浮世絵は愛好するひとが多いのですが、明治以降の版画にもそれなりの面白さがあります。世の中の殆どの人がこういう芸術を知らないというのは残念です。絵画に比べると表現が幼稚に見えるかもしれませんが、単純化された表現と構図の工夫に独特の味わいがあります。

 この企画展は無料です。来週展示の入れ替えがあります。


昭和館ホームページ



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『武士道』 幕藩体制下の戦わないサムライの理想化された姿

武士道 (PHP文庫)
岬 龍一郎
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 新渡戸稲造 著、岬龍一郎 翻訳

 明治時代に外国人向けに書かれた武士道の解説書です。原文は英語で日本語訳がいくつか出ています。岩波文庫版を持っていますが、字が小さいのと翻訳が固いので、PHP研究所版のものを選びました。だいぶ読みやすいです。

 ここに書かれた武士道が本当に武士の間での倫理観であったかどうかは不明です。私はかなり疑わしいと思っています。なにしろ新渡戸本人が書いているように武士道とは何かその道徳観は何かについて記した本は存在しないからです。五輪書も葉隠も特殊な存在でこれらが武士道の倫理書とは呼べません。

 ということで、本書の内容を鵜呑みにしてこれが武士道などと思い込まない方がいいでしょう。

 武士道の根本にあるのは忠義であると新渡戸は書いていますが、これはおおいに怪しい説です。戦国時代には忠義とは言えない行動が多く存在することは周知のことです。藤堂高虎は「武士たるもの七度主君を変えねば武士とは言えぬ」と家訓に残しています。

 江戸時代になって幕藩体制が確立して以降のことならば、忠義を美徳とする風潮は定着したでしょう。徳川政権がガバナンスのために儒教の倫理観を取り入れました。いわば上からの思想教育として作用していました。一方、武士側から見れば、藩を脱しては生きようがないという支配体制に合わせるための価値観という側面が強いのではないでしょうか。長いものに巻かれ、波風を立たせず、無事にすごすという因循姑息なありかたも見ようによっては忠義に見えるでしょう。

 それを越えた忠義となるとどの程度まで信じられ、実行されたのかはよくわかりません。赤穂浪士があのように賞賛されるのも、滅多に無い理想主義的行動を取ったからでしょう。赤穂藩は理念的教育が強烈だったのかもしれません。

 また、武士階層に限らず日本の各階層で倫理観が高かったとの証言も多くありますから、武士道というよりも日本人の性質として儒教的なところがあったと見てもいいかもしれません。といっても、それは新渡戸が書いたような武士道としての強烈な倫理観とはまた別ですが。

 私が疑いながら読んだせいもあって、多くの人のように本書を賞賛する気にはなれません。しかし、明治以降に日本精神なるものがいかに語られたのかそのルーツのひとつとして読んでおく価値はあると考えます。現在の日本人が考える武士道はこの本によって形作られたとはほぼ定説です。


葉隠入門 (新潮文庫) 学問のすすめ (PHP文庫) 学問のすすめ―自分の道を自分で切りひらくために 代表的日本人 代表的日本人 (岩波文庫)
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龍馬伝 第14回視聴率 18.5% 離れた視聴者が戻りません

 龍馬伝第14回の視聴率は18.5%でした。前回に比べてマイナス0.3%と3回連続で20%以下となりました。

 これはもう離れてしまった人が戻らないということでしょう。ストーリー的にも今回の「お尋ね者龍馬」はこれといったイベントがありませんから、視聴率を奪還する力は弱かった。第2部などと称して、これから見ても間に合います的な宣伝をしていましたが、奏功していません。

 大阪の街中で井上佐一郎が龍馬を捕らえようとした場面で、龍馬が長刀がないことに気づいたとき、井上が店先に立てかけてあった龍馬の刀を蹴ってよこします。

 ここで疑問。斬り合いの相手である龍馬に刀を渡すのは不思議でした。そのままでは卑怯と考えたのでしょうか。龍馬は下手人ですから、正々堂々と戦う必要があったのかどうか。

 それと、武士の魂である刀を足蹴にしていいものでしょうか。これには納得できませんでした。


 視聴率の推移

 第1回 23.2% 前回との差
 第2回 21.0% -2.2 最低視聴率更新↓
 第3回 22.6% +1.6
 第4回 23.4% +0.8 最高視聴率更新↑
 第5回 24.4% +1.0 最高視聴率更新↑
 第6回 21.2% -3.2
 第7回 20.2% -1.0 最低視聴率更新↓
 第8回 22.3% +2.1
 第9回 21.0% -1.3
 第10回 20.4% -0.6
 第11回 21.4% +1.0
 第12回 17.7% -3.7 最低視聴率更新↓
 第13回 18.8% +1.1
 第14回 18.5% -0.3


裏番組との比較
18.5% 20:00-20:45 NHK 龍馬伝
11.7% 19:00-21:54 NTV 小中学校教科書クイズ
14.9% 19:00-20:54 TBS 爆笑問題のドッキリパニックフェイス王5
11.9% 19:00-20:54 CX* 熱血!平成教育学院教科書だけではわからない校外学習SP
*9.3% 19:00-20:54 EX__ ナイナイのスポーツ絶対に負けられないガチバトル
*8.9% 19:00-21:48 TX__ 日曜ビッグバラエティ世界7大ミステリー人体の奇跡SP

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龍馬伝 第14話「お尋ね者龍馬」 可憐な岡田以蔵に涙する

 シーズン2が始まりました。(笑)

 今回は内容的には岡田以蔵(佐藤健)につきます。なんと可憐な岡田以蔵でしょうか。

 学問がないために難しい話に加われず、しかし剣の腕は立つ。誰それが邪魔だという話を聞けば、その人間を殺すことで自分の存在価値を見出す以蔵というのが、今までのイメージです。今回の設定では武市半平太(大森南朋)に心酔していて、武市の役に立ちたくて人を殺めるという動機づけを加えています。悪くない設定です。

 武市は「おまんには本音がしゃべれる」「友だちだ」などと言っておいて、以蔵の忠義心をさらに高めます。この人の為ならという思いを強めた以蔵に、ちらっと邪魔な人間のことを話します。以蔵の純情さにつけ込んだ陰険なやり方に腹がたち、以蔵が可哀想でなりません。私はこのシーンを見ていてちょっと涙が出てしまいました。

 以蔵が土佐藩からの追っ手を殺すシーンはちょっとヘタレに描きすぎではないでしょうか。岡田以蔵は剣の腕前はそれなりにあったはずです。いくらなんでもオタオタしすぎです。徐々に殺人に慣れていく様子を描きたいのかもしれませんが、ちょっとやりすぎの感があります。

 ちなみに追っ手を絞殺したことは史実のようです。ヘタレだから絞殺という脚本が納得がいきませんが。

 一方、予想通りがっかりさせてくれたのは、武田鉄矢演じる勝海舟です。ちらっと映った瞬間だけで、ひどすぎると思いました。やおら立ち上がる鉄矢を見て、もうダメだと思いました。年を取りすぎています。顔がでかすぎます。海舟は顔が小さくてもっと若いですから。それに江戸弁がしゃべれていないのも役者としてはダメすぎですね。年齢はともかく篤姫の時の北大路欣也は江戸弁がしゃべれたので様になっていました。風格もありました。武田鉄矢の海舟はダメすぎです。

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無縁社会、若い頃から「無縁なう」な人が増えている

 NHKの『無縁社会 私たちはどう向き合うか』『追跡!A to Z「無縁社会の衝撃」』を見ました。

 1月の放送では無縁死に焦点が当たっていましたが、今回は死ぬときだけを問題にするのではなく、もっと若い時期から無縁な人が増えているという意味での無縁社会に焦点が移っていました。

 実際、日本は今後生涯未婚率はどんどん伸びるでしょう。地縁が薄く家族との関係も薄い個人は企業と離れると社会との縁がなくなります。これに社会としてどう対応するか。

 50歳を過ぎて職を失った男性が「人との関係がなくなることは、自分の存在がなくなることだ」といっていたのが印象的でした。そこまで追い込まれたことがないのでよくわかりませんが、自分もそういう状況になれば自己存在の喪失感みたいなものを味わうのでしょうか。

 民主党の山井和則が、社会保障は個人単位にしなければならない、といっていましたが、今までも単身者には不利な制度が多いのに、子ども手当などを作って、逆行しているように思えます。

 具体的な社会の対応として、地域で園芸部というクラブを作る例が紹介されていました。意図的に地縁をつくるこういう取り組みがどんどん増えていくかもしれません。そしてそれなりに有効であるだろうと思います。

 番組では取り上げていませんでしたが、自治体によってはシルバー大学という老人向けの生涯教育に力を入ているところもあります。これなんかもかなり力を発揮しているようです。もちろん、参加する意志があれば、ですし、参加するとそれなりに面倒な人間関係にも悩むことになるかもしれません。

 私も以前はカメラや洋楽のサークルにネットを通じて参加したことがあります。入り口はネットでしたが、実際の活動は会って行なうグループですから、内実はリアルな関係が中心の普通の趣味のクラブでした。そういうものがもっと活発になればいいのにと思います。ツイッターでつぶやいているだけでは物足りない人も多いでしょう。

 それにしても、番組の中ではツイッターばかりに注目していたのでしょう。今の流行りだからなのか。ツイッターって一方的につぶやいているだけに見えるので余計寂しそうにテレビに映るはずです。2ちゃんねるの実況などは賑やかなのでかなり印象が違います。

 ネットがあるから救われている面もありますが、ネットがあるから無縁の状況に耐えられてしまうので逆に抜け出せないという面もあるようです。良し悪しですね。

 しかし、ネットを通じての出会いもありますし、人とのつながりも作れるはずです。無縁状況を少しでも脱する可能性を私は感じています。番組の中ではインターネットの利用が虚しい独り言のように紹介されていたのは残念です。

 とりあえず感じたことを簡単に書きました。

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本日、NHKで「無縁社会」祭りを開催します!

 4月3日はNHKが無縁な人々のためにお送りするスペシャルな一日となりました。
 2ちゃんねるの実況板はパンクの可能性があります。
 自重してください。


■無縁社会 私たちはどう向き合うか
■NHK総合 2010年 4月3日 土曜 午後4時00分~6時00分
# NHKスペシャルを中心に1月~2月にかけて集中的に放送した「無縁社会」。2300通を越える反響に応え改めて無縁社会を考える。一連の番組を再放送、厚生労働大臣政務官と有識者が無縁社会の背景を読み解き、解決への道を討論で探る。
# 出演 【ゲスト】厚生労働大臣政務官…山井和則,放送大学教授…宮本みち子,NPO北九州ホームレス支援機構代表…奥田知志,【キャスター】鎌田靖

■追跡!A to Z「無縁社会の衝撃」
■NHK総合 2010年 4月3日 土曜 午後10時00分~10時45分
# 1月に放送した「無縁社会」。直後からネット上で衝撃が広がった。「無縁死しそう」と書き込んだ若い世代を追跡取材。さらに活況を呈する“無縁ビジネス”にも迫る。
# 出演 【ゲスト】評論家…内橋克人,【キャスター】鎌田靖,【語り】小谷公一郎,柴田祐規子

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『ジャンヌ・ダルク』 神の声を聞いた処女はいかにしてフランスの英雄となったか

ジャンヌ・ダルク―歴史を生き続ける「聖女」 (岩波新書)
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 高山一彦著

 ジャンヌ・ダルクについては裁判記録が残っていて、しかも本人の証言も含めて詳細を知ることができます。これは意外でした。詳細はもちろん漠然とした話だけが伝わる伝説の人物だと思っていたからです。

 ですから一般に知られているジャンヌ・ダルクの話は嘘ではありません。解釈によりいろいろな説がありますが、基本部分は事実として伝えられています。

 ジャンヌ・ダルクの物語を簡単にまとめるとこうなります。

 イギリスとフランスの間で行われた百年戦争において、田舎町に住むジャンヌという少女が神の声を聞き、当時劣勢にあったフランスの救済に立ち上がり、オルレアンの包囲戦を勝ち、王太子シャルル7世を戴冠させ、フランスの勝利に寄与しますが、後にイギリス軍に捉えられ、異端審問にかけられ、異端の罪で火刑に処せられます。ときにジャンヌ19才、1431年のことでした。

 異端審問の一番のポイントは、神の声を聞いたことは真実か否か、です。当時の教会の判断はこれを嘘と断定し、ジャンヌを異端者として処刑しました。

 ほとんどの日本人からすれば、教会の権威も神の声もみんな嘘ごとにすぎないのですが、キリスト教徒からすれば後に聖女となるジャンヌの処刑はイエスの処刑に比すべき悲劇の一つに数えられるわけです。

 その後の重要なエポックを記します。25年も後の1456年になってジャンヌの復権裁判が行われ、処刑裁判の破棄が宣告され、さらに1919年になって、キリスト教の聖人に認定され、聖女ジャンヌ・ダルクとなります。

 以上が、基本事実なのですが、本書はジャンヌにまつわる様々な説、解釈、民衆の間で描かれたジャンヌ像の紹介に多くのページを割いています。いわばジェンヌ像の変遷史こそが主題です。ですから副題は「歴史を生き続ける「聖女」」となっています。

 ジャンヌの容貌については知られていないので、絵画に書かれたジャンヌ像はじつに様々で同一人物には思えません。いかにも戦士風のたくましいものから、貴族の夫人のような優雅なものまであります。

 その役割、素性についても傀儡説、王女説などがありますが、説得力のある説は皆無。みんな勝手に色々な想像をしています。

 日本でもジャンヌ・ダルクは愛国少女として紹介されていたという事実にはいささか驚かされました。しかもジャンダークとか記述されていたりして。

 ジャンヌに限らず歴史上の人物はいろいろな姿をまといその時代に都合のいい人物像として解釈されるものだと改めて感じます。

 本書は内容がしっかりしているし、なかなか面白い歴史書ですが、最初は胸が熱くなる物語として読んだ方がいいかもしれません。十分感動できる素材です。一冊目は小説じたてをお勧めします。二冊目ならば本書です。

ジャンヌ・ダルク失われた真実―天使の“声”に導かれた少女 英仏百年戦争 (集英社新書) 奇跡の少女ジャンヌ・ダルク (「知の再発見」双書) ジャンヌ・ダルク (中公文庫) ジャンヌ・ダルク [DVD]
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『愛国心を考える』 平和主義者が語る理想的愛国心

愛国心を考える (岩波ブックレット)
Tessa Morris‐Suzuki
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 テッサ・モーリス-スズキ著

 愛国心にはさまざまなものがあるといいながらも、排他的なもの、暴力につながるもの、上からの押しつけには反対しています。筆者が嫌うのは戦前戦中の日本の軍国主義の中で称揚された愛国心であり、外国への憎しみを持つ愛国心です。

 愛国心が戦争と結びつくときには、当然著者の嫌うものになるでしょう。ということは著者は平和の訴えを愛国心を語るふりをしながら行おうとしているのではないかと思っていたら、やはり最後にこう書いていました。

 自分の国を愛するとは、何よりも、そこをよりよい場所、より幸せな場所にしようとすることである。平和は繁栄と幸福のもっとも基本的な要素であるので、自分の国を愛するということは、平和を持続させるための取り組みが必ず含まれる。


 このように本書は愛国心がどのようなものかを分析したものではなく、筆者が理想としている愛国心こそ善きものと考え読者に押し付ける内容となっています。私なら筆者のいう愛国心もまた愛国心のひとつにすぎないと考えますが。

 愛国心がどのような状況で醸成されるのかという著者の考えもまた筆者自身の理想であるようです。

企業について言えることは国家にも当てはまり、末永い旺盛な忠誠心は、スローガンや演説や国家によってよりも、公正で思いやりのある社会の実現や、それに向けた将来ビジョンによって、よりいっそう掻き立てられるのである。


 現実にはそうとは思えません。かつての日本も現在のアメリカも愛国心を持った人たちが多くいますが、筆者の理想とは逆の方法で愛国心を掻き立てています。

 著者は企業の場合で言えることは国家でも言えるのだとしてますが、そもそもこの前提が間違っています。国家の思想教育や強制力をなめてはいけません。

 筆者の理想を語ることはいいのですが、それなら『理想の愛国心を語る』というタイトルにして欲しかったです。


愛国心
姜 尚中
4062119110

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プロフィール

Author:Cozy
情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

Twitterはcozyoffです。
TwilogはCozy(@cozyoff)です。

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