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最近の読書「ゴーマニズム宣言 中流絶滅」など

新・ゴーマニズム宣言〈15〉中流絶滅
小林 よしのり
4093890153


 小泉改革がアメリカの要望を受けたもので、アメリカ企業が日本の市場に進出したり、日本の資本を吸い上げるためにやっているのだと指摘しています。この話はどこでだか何度か聞いてますね。

 格差拡大で中流階層が減ることは、日本の共同体が崩壊することにつながり、それが個人の生きがいを弱め、倫理観を弱め、日本人の美徳を失わせるものだといいます。

 どちらも納得できる指摘です。しかし、共同体うんぬんに関しては、アノミー論も併用した方がいいと思います。中流がいれば問題ないとは言えないはずです。

 事件の前だったらしく、赤福の社長をやたら褒めているのが笑えます。善人面をしていても裏で不正をする人はいるものです。もちあげまくりのよりしんが情けない。


独身王子は早く死ぬ? (ピンポイント選書)
牛窪恵
483341872X


 タイトルは「一生結婚しない男性は、既婚男性より8~9年早く死ぬ」という調査から来ています。ただし、その点についての論及は少なく、主題は他にあります。

 多くは早婚、晩婚、未婚の比較論になっています。「ビジネス&健康」「趣味&恋愛」「子作り&子育て」「マネー&介護」で得するのはどれか、という比較です。いろいろあるけど協同できる結婚がいいと著者は結婚を勧めています。

 いろいろな事例をごちゃごちゃに並べている感じですが、考えるヒントはにはなるだろうと思います。
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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

裁判傍聴 どちらか死ぬか二人とも死ぬしか

 この裁判の傍聴記録が産経ニュースに掲載されていました。詳しくはこちらを読んでください。

【法廷から】「どちらかが死ぬしか終わりはない」 交際相手殺した女の情念

「両方死ぬか、どちらかが死ぬしか、私たちに終わりはなかったと思う」(被告の供述調書より)。2度の中絶を強いられた女が、交際相手の男性を殺した背景には、女の情念があった。


 弁護人が強調していたのは、被告人の供述調書の「どちらか死ぬか二人とも死ぬしか私たちに終わりはなかった」という言葉です。引用した記事の文より私が書いたものの方が多分正確です。傍聴中メモっていましたから。

 被告人は執着が強く被害者と別れることは考えられませんでした。被害者は何度か別れるといっていたそうです。事件の前に別れ話が出たときは「今度別れるといったら本当に別れる」といわれていて、事件当日の別れ話のときは次の交際相手の名前も告げられたため絶望したことがあげられます。彼女は目の前が真っ暗になったといいます。

 弁護人は二度の中絶のことを重視していました。それでも別れられないほど被害者を好きだったと。検察側は被告人にも責任があると当然言います。そして別れればよかったのだ、と。

 私の見るところ、中絶という代価を払った被告人は余計別れにくくなったと思います。手を引くには今までの投資が大きすぎたということです。もちろん、誠実さが期待できない相手だと見切って、損切りすべきというのが理性的な判断なのでしょうが、それができないのが情念の持つ不条理さということでしょう。

 それから考えさせられたのは家族の問題です。

 被害者の家族はいろいろ事情があります。父母は別居。祖母は痴呆が進み、弟は知的障害を持ち、今回の長男の死により母はかなりの精神的なショックを受けているようです。

 最初この被害者の母は被告人の母に向かって、1億円払えとか、1億5千万円払えとかいったそうです。家庭の事情を考慮すると、「お金」のことを言いたくなるのもわかります。実際は被害者の姉が被告人に対して7000千万円の損害賠償の民事裁判を起こしているそうです。

 あんまり詳しく書きませんが、家族同士のやり取りとか聞いていると、事件は当事者だけでなく家族に大きな影響を与えることがよくわかります。

 それにしても被害者の親は可愛そうです。被害者側の医療費、葬式代、その他もろもろの諸経費を被告人に代わって支払っています。さらに民事での賠償金も支払いの手伝いをするでしょう。高校中退で技能もなく殺人で前科のつくであろう被告人にそんなに稼げるわけもありませんから。

 成人した人間の犯罪です。とくに育て方とか家族関係に問題があったようでもありません。親は関係ない、と思うのですがそうもいかないのでしょうか。

 これからの人生ということを考えると被害者側も被告人側もどうなってしまうのだろうと心配になりました。一時の感情での犯罪ですが、影響の大きさは計り知れません。

 求刑は懲役13年でした。

 判決は10月6日、14時30分から。私は仕事で見にいけません。

テーマ : ニュース
ジャンル : ニュース

裁判傍聴 若い女性の殺人事件

 午後は新件できれば殺人事件を傍聴しようと開廷表を繰っていると、丁度いいのが見つかりました。

 30分ほど早めに法廷に行くと廊下にはすでに行列ができていました。さすがに殺人事件は人気があるようです。後で調べたらニュースになっていたんですね。

 満員で座れないかもと心配しましたが、なんとか座れました。後数分来るのが遅れていたら、座れなかったでしょう。

 殺人事件の公判の前に同じ法廷で道路交通法違反の判決がありました。裁判長、弁護人、検察官、それぞれひとりでさみしい布陣。裁判長はすごい早く口で判決やらなにやらを話して風の様に去っていきました。公訴事実は首都高速で80キロオーバーのスピード違反。判決は懲役3ヶ月、執行猶予2年でした。5分もしないで終了しました。

 被告人は自分の事件とは関係ない満員の傍聴人の前にさらされて困惑したでしょうね。前座でつまらないスピード違反。裁判長も傍聴人も「さっさと終われや」といわんばかりの雰囲気。

 数分待たされていよいよ殺人事件のはじまりです。

 検察官3人(ひとりは女性)、弁護人ひとり(だったかな)がスタンバイしています。後でわかったのですが、傍聴席の右端の前には被告人の母親、左端の前には被害者の姉が座っていました。

 手錠と腰縄を付けられた被告人の登場。やや小柄で大人しそうで地味な雰囲気の若い女性です。眼鏡をかけ、ポニーテールのように髪を後ろにまとめています。リクルートスーツのような黒いスーツパンツを着ています。普通の容貌、服装なので最初は裁判所の職員かと思ったほどです。

 やがてさっきと同じ裁判長が入ってきました。さっきは裁判長が独りでしたが、今度は裁判官を二人従えています。

 裁判長はさっきと違ってゆっくりと丁寧に説明しながら話します。傍聴人が多いし、殺人事件だし、やはり事件によって丁寧さが違うのでしょうか。

 検察側による事件の概要の説明があったのですが、なんとパワーポイントを使い、プロジェクターでスクリーンに映写しての説明です。事件現場の写真、凶器となった酒瓶の写真なども大きく写していました。検察官の一人はこの操作のために来ているみたいでした。

 事件の概略は以下のようなものです。ニュースにもなっているのでそれを転載します。事件は2008年の3月27日です。

交際男性を瓶で殴り重体 殺人未遂で女を逮捕

 別れ話で口論となり、就寝した交際相手の男性の頭を殴って意識不明の重体にしたとして、警視庁池袋署は27日、殺人未遂の現行犯で、東京都豊島区池袋、無職、梁取優子容疑者(24)を逮捕した。「別れ話を切り出され、殺そうと思った」と供述している。

 調べでは、梁取容疑者は27日午前4時25分ごろ、自宅マンションで、就寝していた交際相手のアルバイト男性(21)の頭を洋酒の瓶で3、4回殴り、意識不明の重体にした。

 男性が同日午前2時ごろ、酒に酔って帰宅後に口論になり、別れ話を切り出された。男性はそのまま寝てしまったという。梁取容疑者が犯行後、「人を殺した。彼氏を瓶で殴った」と110番通報した。


 2008年4月3日に被害者は死亡しています。

 裁判の中では被告人は職業を無職ではなく、ホテル従業員といっていました。被害者男性はバーテンダーです。

 事件の概要だけでなく、二人が付き合い始めてから事件までの経過、被害者の日記、被害者の母と姉の供述などを紹介していました。

 被害者の日記の中には、被告人の女性に中絶をさせたことを反省する文章、喧嘩を反省する文章が抜粋されており、検察側は、事件までの経過おいて、被害者なりに苦しみ反省していたことを伝えようとしていました。

 被害者が被告人に殺されるかもしれないと不安を語っていたという話も出てきたのは驚きでした。「優子はいつもニコニコしているけど、意に沿わないことがあると豹変する」とも語っていたそうです。

 なるほど、見かけとはだいぶ違い女性のようです。

 検察側の説明はすごいわかりやすかったです。事件の概要を知るためにも新件(初回)から傍聴したほうがいいようです。今回のようにパワーポイントでプレゼンしてくれるとほんとわかりやすいです。しかし、なんでプレゼンするのでしょうね。裁判官向けなのか。傍聴人向けなのか。

 被告人は公訴事実については「間違いありません」と冒頭に認めてしまいました。自分が殺したし、殺意もあったということです。

 ですから公訴事実についての争点はなし。争点は情状に関してのみでした。こうなると裁判は単純です。殺意をめぐって丁々発止のやり取りがあるかもしれないと期待していた私は少しばかりがっかりしたことを告白しておきます。

(つづく)

裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録 (角川oneテーマ21 B 107)
今井 亮一

裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録 (角川oneテーマ21 B 107)
裁判傍聴マガジン―日本初! (vol.1(2008Spring)) (East Press Nonfiction Special) はじめての裁判傍聴 (幻冬舎新書 い 2-2) 裁判狂時代-----喜劇の法廷★傍聴記 B級裁判傍聴記 冤罪File (ファイル) 2008年 09月号 [雑誌]
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テーマ : ニュース
ジャンル : ニュース

初めての裁判傍聴

裁判傍聴に行って来ました。

場所は霞ヶ関の東京地裁。日比谷線のA1出口を出てすぐです。

午前は覚せい剤所持事件。ふつうの所持事件だと単純すぎてつまらないといいますが、私が傍聴したのは密売にもかかわっていた女性でした。やくざが仕切る密売組織で客にどんな薬物をどれだけ売るかをメモする作業をしていた模様。略号でメモをし、Fは大麻、Cはコカイン、XはMAMDだそうです。売買に関する電子メールでのやりとりも証拠にあり、文中のフェラーリは大麻を意味するとか。被告人は4年前にもやはり覚せい剤で捕まったそうです。

新件(初公判)ではないので事件の概要をつかむまで時間がかかりました。

情状証人として夫である外国人が登場しました。すごい巨体です。弁護士はこの人が被告人を更正させることができると主張するのが目的のようです。

夫は職業はドリンキングバーのセキュリティの仕事をしているといっていました。これって酒場の用心棒みたいなものかなと想像しました。スキンヘッドの外国人。体も大きい人なのでこの人が登場するだけで相手は怖気づくでしょう。本人ももっとしっかりした仕事に就いたほうがよかったなどと語っていたので、いささかいかがわしいお店にかかわっているのかもしれません。

検察は夫婦が喧嘩が多く、別居を2回もしていたことを指摘し、日本に滞在する目的で結婚したのではないかと攻めて、夫に被告人を更正させる力がないことを印象づけていました。しかし、夫の職業についての質問はなし。調べていないのでしょうか。それともまともなものなのでしょうか。

弁護側は、喧嘩の原因は夫が被告人に薬物を止めさせたいがために生活態度や人間関係に意見したことにあるといいます。被告人のまわりには薬物にかかわる人がいろいろいたようで、夫はそういう人間関係を断ってほしいと常々思っていたそうです。

証言だけで証拠はないのですが、私は、この人はいい夫であるような印象を受けました。奥さんである被告人にまともになって欲しいと願っていると思えます。女性の通訳を通じて一生懸命話している姿からは誠実さが伝わってきました。

ちなみに被告人の前の夫が薬物で逮捕されています。そのせいで真面目に音楽イベントの仕事をしていた被告人は多くのお客さんや関係者の信用を失ったそうです。今回あまりこの点の追求はありませんでしたが、そのあたりから被告人が薬物にかかわるようになったのかもしれません。

逮捕直後は被告人は薬物の密売にかかわっていたやくざを怖がっていましたが、起訴後に警察に協力的になったそうです。が、時すでに遅しです。協力したということを主張するためでしょうか、被告人は力士の薬物事件のことなどもすべて話したなどといっていました。あのロシアの力士たちなのでしょうか。別件かもしれません。

弁護人はやくざ撲滅の運動をしているようです。被告人はそれを知っているので、今回やくざとかかわりがあった事件なので最初は話せなかったのだといいました。それをいったら、弁護を引き受けてもらえないのではないかと心配した、と。

弁護士が被告人に、薬物依存症である自覚はあるか、更正施設に入るつもりはあるかと気持ちの入ったじっくりした口調で確認していました。父親が病気で大変なときに、こんなことをしている場合ではないなどといったりして、人情がらみの話などもしていました。下條アトムにちょっと似ているこの弁護士の話はなかなか味があってよかったです。被告人は親孝行したいと締めくくっていました。

私はこの弁護士がとてもいい人に見えて共感してしまいました。私の裁判傍聴は情緒に流されすぎかもしれません。

他にもイベントや密売に使っていたマンションに踏み込んだ前後のいきさつや警察官とのやり取りなどに関しての証言もあったのですが、長くなるので省略します。傍聴しているときにはこの部分の話が一番リアリティがあって面白かったのですが、暴力団がらみなので書きづらいです。実名とか組織の名前とか出てくるし。ほかに、韓国人ホステス、おかまちゃんなども登場します。

論告求刑などは次回だそうです。

最初は傍聴人が少なく、途中で帰る人も何人かいました。たしかに前半を聞いていても、どんな事件で何が争点なのかわかりにくかったです。つまらないからと帰ってしまう人の気持ちもわかります。裁判は初回から見たほうがいいですね。どういうわけか終わりごろは10人くらいが傍聴していました。

裁判の進行はところどころグダグダしています。同じような話が繰り返して出てきて、ちょっと飽きてしまう場面がありました。それと検察側の追求がとても弱かったようです。再犯なのでどうせ重い処罰になるだろうと思っているのかもしれません。

裁判は面白いと思いましたが、その面白さは笑うような面白さではありません。内容は真剣そのもの。人生のいろいろが見えてきて、ある種文学的です。最近は裁判を不謹慎なふざけた態度でレポートするような本がよく出ていますが、あれはどうかと思いました。

ふざけた被告人にあたったら、こちらの態度も大いに変わるかもしれませんが、とりあえず初回の傍聴は神妙に拝聴させていただきました。

お昼は地下に降りて食堂ですませました。チャーシューメン、520円。味はよくある食堂クオリティです。1階の玄関に戻ると、人が増えていて驚きました。学生らしい若い人が大勢来ていました。アベックもちらほら。

(つづく)

テーマ : 今日の出来事
ジャンル : 日記

最近の読書から 『いわゆるA級戦犯』など

 この2、3日に読み終わった本を紹介します。

いわゆるA級戦犯―ゴー宣SPECIAL
小林 よしのり
4344011910

 東京裁判の違法性を語り、さらに国内法的に日本にはA級戦犯はいないことを説明しています。そのためタイトルには「いわゆる」がついています。

 アメリカを中心とした戦勝国がいかに自分勝手な裁判をし、日本人を洗脳してきたかがわかります。日本の言論人の嘘がよくわかり、彼らが信用ならない人たちであることを知る上でも重要な一冊です。おすすめ。

 アメリカのバブルスタンダードや他国を侵略する方法ってのはもっと知られていいですね。

はじめての裁判傍聴 (幻冬舎新書 い 2-2)
井上 薫
4344980514

 裁判傍聴の本は他にも読みましたが、これは元裁判官が書いている点で異色です。プロの目から見ているので内容的に安心。かといって難しいことは書かれていません。

 裁判をする側の気持ちや事情などが語られているので、裁判傍聴する新しい楽しみが得られるでしょう。他の本と併読してほしい一冊です。

 なんて書いてますが、私はまだ裁判傍聴はしていません。来週中に行こうと予定しています。

論理的な書き方が身につく本―発想から構成、説得ストーリーの作成まで
西村 克己
4569658997

 内容的にはわかっていることが多いのでほぼ流し読みでした。

 気をつけて欲しいのは、この本はロジカルシンキングについてはほとんど説明していないということです。MICEやロジックツリー(この本ではピラミッド・ストラクチャーと呼んでいる)の説明と実例が中心です。プレゼンテーションのための構成法を学ぶ本だと思ってください。そういう意味では、あれこれと欲張らずに焦点を絞っていますから、類書の中でもかなりわかりやすいはずです。

 ただし実例があまり論理的ではありません。プレゼンのひとつの型として、かつ手順の説明としてだけ読んでください。ロジカルシンキングについては別の本を探してください。

 たとえば、以下の本がおすすめです。

哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))
伊勢田 哲治
4480062459

テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

フェルメール展にがっかり

上野の東京都美術館でやっている「フェルメール展」を見て来ました。

「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」

昼少し前について30分待ち。やはり人気です。

最初のがっかりは今回の目玉の一つ「絵画芸術」という作品が来ていないこと。入り口に小さく書かれていました。インターネットで調べると絵画展のサイトにも小さく書かれています。

フェルメール展のパンフレットにはしっかり掲載されているんですけどね!

かわりに「手紙を書く婦人と召使い」が来ています。やはり比べるとちょっと地味ですね。

次のがっかりは、フェルメールの絵が輝いていないことです。

今回一番期待していたのは「ワイングラスを持つ娘」だったのですが、第一印象は「色が薄い…、くすんでいる…」。フェルメール展のパンフレットよりははっきりと色が薄いです。

いろいろ理由はあるでしょう。本物を見る前に見てしまった写真の色再現がおかしい、印刷が濃すぎる。とりわけパンフの写真はメリハリがありすぎます。また一般的にテレビで見るより本物は地味に見えることがあります。テレビは画面が発光しているので光輝いて見えるのですが、実物は反射光なので印象が弱くなります。ですから、テレビで絵を見てから絵画展に行くとがっかりすることがあります。そのうえ展示室の照明が暗い。

そんなこともあって頭の中にあったフェルメールの絵よりも色が薄いので、ちょっと失望がありました。

それに全体にもやっとしています。「かすみがかかったみたいだ…」とも思いました。場面によってはそれが効果を上げることもありますが、「ワイングラスを持つ娘」に関してはちょっと違いました。本当に全体がもやっている印象なんです。

今回は予想よりかなり地味な印象でした。もちろん絵画そのものが発する物質感、手触り感などは本物でないと感じられません。

とはいえ、フェルメールの作品が一挙に7枚も見られたのはよかったです。今までもチャンスがありながら、見に行かなかったので。1、2枚の展示にお金を出すのをもったいないと思ってしまったのです…。

最近、絵画への興味が薄れていることもあって、ちょっと満足度の低い絵画鑑賞でした。

フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版) (集英社新書ヴィジュアル版)
朽木 ゆり子

フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版) (集英社新書ヴィジュアル版)
謎解き フェルメール (とんぼの本) 恋するフェルメール―36作品への旅 盗まれたフェルメール (新潮選書) フェルメールの世界―17世紀オランダ風俗画家の軌跡 (NHKブックス) 私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

井の頭恩賜公園にいく

昨日は、武蔵野市の井の頭恩賜公園に散歩にいってきました。

以前はよく東京都内を散歩しながら写真を撮っていましたが、最近はとんと興味がなくなり出かけることもなくなりました。

夏の暑さも薄らいできたのでちょっと外出したくなったのと、都内(23区)はほとんど行きつくしたので今度は都下(多摩)を中心に歩こうかと思い、井の頭公園を選びました。ここは高校以来。吉祥寺で働いていたときは一度も行きませんでした。

井の頭公園はさすが緑が多くて雰囲気がいいです。散歩向いていますね。池のまわりを歩いたあとに、善福寺池まで行く予定でしたが、昼近くになって気温が上昇。途端に根性がなくなり、都心に引き返しました。

あとは、本屋と図書館をはしごして、司馬遼太郎『峠』の中巻を読了。激動の幕末を生きた長岡藩士、河井継之助が主人公です。

公園で撮った写真はそのうち別ブログに掲載予定です。

今回の散歩に先立って購入したのが、多摩市街道路地図(東京地図出版)。サイズは手ごろで見やすいのだけど、分厚くやや重いのが難。ですが、1/8000もあるし、詳しく、見ていて楽しめる地図です。今後の散歩のお供にしようと思います。

峠 (上巻) (新潮文庫)
司馬 遼太郎

峠 (上巻) (新潮文庫)
峠 (下巻) (新潮文庫) 峠 (中巻) (新潮文庫)
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多摩市街道路地図―でか文字!! (ミリオンくるマップmini)
4808507048

テーマ : 日記
ジャンル : 日記

小谷野敦さんの『「篤姫」の大ポカ』

 テーマと直接関係ない話題ですが、趣味の話ということで。

 私はNHKの篤姫を毎週見ています。昨日の篤姫がなかなか面白かったのですが、作家で文学者の小谷野敦さんが『「篤姫」の大ポカ』なんて記事を書かれていたので勘違いを指摘しておこう思います。

最初のほうで篤姫が、薩摩から来た中に「小松尚五郎という者がいるか、調べられるか」と問う。続いて久光に会うのだがその際小松帯刀もついてくる。その後、将軍に頼んでもう一度帯刀と会う機会を作ってもらい、そこで篤姫は、肝付尚五郎が小松家へ養子に入り小松帯刀となったことを初めて聞くのである。

 たとえフィクションだとしても、それなら最初の「小松尚五郎」という台詞は「肝付尚五郎」でなければおかしいのだ。


 これは小谷野さんの聞き間違いでしょう。セリフを聞けばわかりますが、篤姫は養子に入ったことは知っていました。おちかさんと結婚したのをはじめて知ったのです。篤姫は「ああ、養子に入ったときに…」みたいなことをいっていた筈です。

さらに言えば、久光に一人だけ小松帯刀がついてくるのに、その名を天璋院が知らされずにいるのもおかしいし


 正式に合うわけでもないのに供の名前をいちいち知らせるものでしょうか。時代考証的に知らせるのが常識というのならば、たしかにおかしいのですが、私はストーリー的に不自然とも思いませんでした。

後で将軍から帯刀を呼び出しているのに相変わらず小松帯刀の名を知らずにいるのもおかしい。


 勅使と同席していた者を呼んでほしいとか久光の側近の小松という者を呼んでほしいとだけいったのでしょう。たとえ小松尚五郎といったとしても、家茂の命を受けて実際に手紙を書いたものが知っていたもしくは調べたとすればストーリー上は問題ありません。

 これからは自分の趣味道楽についても書いてみようかなと思っています。ただでさえ少ない読者がいなくなってしまうかな。

テーマ : 篤姫
ジャンル : テレビ・ラジオ

竹中平蔵が無責任に若者にサクセスストーリーを期待

消費しない20代が日本を滅ぼす!?

竹中 そこで私が声を大にして言いたいことは、こういったミニマム世代の若者に「サクセスストーリーをぜひとも経験してもらいたい」ということです。


 竹中平蔵氏はお金を使わない若者にお金を使わせるには、サクセスストーリーを経験させればいい、と考えました。ここでいう成功とはもちろん経済的成功です。つまりお金を稼ぐこと。

竹中 先ほど言ったように、この世代が小学生のときにバブルが崩壊して、大学の就職活動の時期には超就職氷河期でした。本当に「受難の世代」であったことは事実です。そのため、将来に対するリスクを過大に見積もる傾向がある。これは特に主観的なリスクなので、消費を抑えて将来に備えて貯蓄しようという動きが出てきます。

 でも、イケイケドンドンとは行かないまでも、やはりいくつかの成功体験を積み重ねて行くうちに、「自分はもっと行けるはずだ」「自分はもっと色々なことができるはずだ」という気持ちになれるはず。そうなると、消費に対して前向きな思考が出て来ます。ミニマム世代の人たちは、これまでの人生でそういう経験がなかったんですね。


 バブル崩壊と就職氷河期を見てきた若者はお金をがんがん稼いでがんがん使うようなイメージや経験を持っていないので、成功体験を積み重ねることで、消費するようになるというのです。

 がんばって稼げばお金はもらえるのだから、どんどん使っていも大丈夫だと思えれば、若者だってお金を使うだろうというのでしょう。

 しかし、年寄りが支配しているのがビジネスの世界です。年配者に比べると、若者は安い給料で使われたり、不安定な職場にいます。派遣の規制緩和をして、企業に有利な雇用関係を許しておいて、何を言っているのか、ということです。

 対照的なのが団塊世代です。仕事をやればやるほど給料も上がったし、競争は大変だったけど、それなりのリターンもあった。サクセスストーリーが豊富だったんですね。だから、今のおじさんやおばさんを見ると、若者と比べてすごく元気です。そういった意味でも、若者に色々なサクセスストーリーを経験して欲しい。


 そういう年配者が若者を苦しめてきたのですけど、竹中氏は何を考えているのでしょう。

 その経験の場はやはり企業の職場です。企業も重要な仕事に若者をどんどん登用して行くべきだし、その中で前向きな思考を持った若いリーダーがどんどん出てくればよいと思います。


 そのためにそういう法律や制度が必要です。具体的な施策もなく、どうしてそんな希望を語ることができるのか、不明です。 

竹中 そう。たとえば、仕事に限らず、ボランティアでサクセスストーリーを経験してもらってもよいわけです。そして、新しい考え方のステップに進んでもらう。人生には、お金を稼ぐ面と使う面が両方あります。今後はその「稼ぐ面」において、この世代の動向を見守りたいですね。


 ボランティアのサクセスストーリーって何なのかよくわかりませんが、それがさらに消費性向を高めることとどう関係しているのかもまったくわかりません。

 「この世代の動向を見守りたい」って。見守っているだけで何か変わるのでしょうか。

 竹中氏がひとりで格差社会を作ったわけではありませんが、こんな心配をするのなら、なぜもっと若い人も苦しまないで済むような政治をしなかったのでしょうね。稼ぐ奴がガンガン稼げる社会が彼の理想でしょうから、社会的弱者が大量に出ることは必要悪と考えているのかもしれません。

 竹中氏はオランダのようなワークシェアリングにより全員正社員の社会も考えていたといいます。これは賛成できます。が、実際にはそこことでは何もしていないわけで、そういう状況で低所得者に厳しい税制にしたことはやはり失敗です。

 正規非正規の間に大きな格差があるのなら、累進課税はやむをえないはずです。結果的に社会的弱者である若者が損をする社会を作ってしまいました。それでいて、若者にサクセスストーリーを期待するとは無責任な人です。

 団塊の世代の大量退職により就職がよくなり非正規雇用の問題が掻き消えてしまいましたが、再び不景気により再燃してきそうです。今度の総選挙ではこの問題にどんな対策が語られるのでしょうね。

闘う経済学―未来をつくる公共政策論入門
竹中 平蔵
4797671734


希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く (ちくま文庫 や 32-1)
山田 昌弘
4480423087

テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

竹中平蔵が格差を隠してミニマムライフ世代論

消費しない20代が日本を滅ぼす!?

 BS朝日で放送している番組『竹中平蔵・上田晋也のニッポンの作り方』の第21回「消費しない20代が日本を滅ぼす!?」を文字に起こしたページを紹介します。

 最近の若者の間に、お金もあってもあまり消費しないミニマムライフが増えているといいます。ミニマムライフは「生活にかかるお金と時間の量を節約しよう」とする志向で、収入が少ないから支出が少ないのではなく、収入が多くてもお金を使わないのだそうです。英語では「シュリンク(縮み志向)」といいます。

 この記事ではおおざっぱに20代をミニマムライフ(シュリンク)世代と呼んで、ひとくくりにしています。竹中平蔵氏は、彼らを「小学生のときにバブルが崩壊して、大学の就職活動の時期には超就職氷河期」だった「受難の世代」だといいます。

 就職氷河期世代はロストジェネレーションとも言われていて、同じ世代間でも経済的格差があることで有名ですが、あえてひとつの世代の問題としてひとくくりにしてところが竹中氏らしいところです。格差問題を話題にするとアメリカ型競争社会を推進して、格差拡大に貢献した竹中氏の責任問題は免れませんから、そこは巧妙に避けているのでしょう。

 消費しない若い世代の特徴はあるのは間違いないでしょうが、経済的格差によりなおさら低収入層は将来の不安から支出を抑えるわけですから、両面を指摘するべきだと思います。

 ミニマムライフ(シュリンク)世代の特徴は次の通りです。

1.生活や人生を縛るものを持ちたくない
2.「ラク」が一番
3.傷つくのが嫌い
4.損をするのが嫌い
5.人生に手ごたえを求めている

竹中 ミニマムライフ世代の思考は、私たち団塊世代と比べると「コインの裏側」のようなものです。団塊世代は、リタイアして「これから人生を楽しもう」という人たち。今までおカネを貯めて来たけど、老後は一生懸命夫婦で使おうという意識が旺盛です。 しかし、若者は違います。「とにかく将来に備えなくてはいけない」という不安が強い。年金問題もそうですが、将来の日本の重荷を負担する側としてのプレッシャーを抱え込んでいるような側面もあります。


 竹中氏は、自動車の販売台数の落ち込みや酒税の落ち込みもミニマムライフ世代の影響は無視できないといいます。日本経済新聞社産業地域研究所の調査でも、「お酒も飲まない。車に乗らない。その他の家電もブランド衣料も欲しがらない。」という傾向が現れています。

竹中 それに加えて、最もわかりやすいのが「消費性向」、つまり所得が100あれば、それをどれだけ使っているかという目安になる指標です。男性を見ると、1970年前後は所得の9割を消費に回していましたが、現在は7割強しか使っていません。女性のトレンドは男性と少し違いますが、やはりバブル以降は下降トレンドにあります。


 このデータはもっと詳しく知りたいところです。どの世代の男性なのでしょう。これまでの話だと若者だけがそういう傾向があるのでなければ話が成り立ちません。あいまいですね。

 たとえ、若者が消費性向が落ちているにしても、若者よりも年寄りの方がお金を持っていることは調査でわかっています。若者がお金を使わないと嘆くよりも、老人にお金を使わせることを考えるべきでしょう。その老人がお金を使わないのが、将来の不安であるなら、将来の不安は若者だけの問題ではないということです。そしてそういう社会に向かわせたのは誰だったのでしょうか。

 竹中氏の発言だけにどうも素直に受け取れません。

 それはさておき、

 竹中氏は若者は金を使わないために経済に悪影響があると考えています。そこで彼の提出した対策は…。

 (続く)

20代若者の消費異変―調査研究報告書 2008年1月
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第1章 急速に進む「車離れ」
第2章 飲酒文化からの離脱
第3章 将来に備える「アリ」増加
第4章 身近な消費を堅実に
第5章 下流転落は怖い 自助努力大切に
第6章 和風・伝統文化への回帰
第7章 後に続く世代 新人類ジュニアは「クールな調整型」

テーマ : マーケティング
ジャンル : ビジネス

婚活をしない理由は「結婚する気がないから」

 婚活って変な言葉ですね。結婚活動の略だとか。就職活動が就活と呼ばれいてるので、できた略語らしいです。この略語、どうやら定着しつつあるようです。

 マッチ・ドットコム・ジャパンが婚活についての調査を行いました。

ただいま“婚活中”8%、これから26.5%――独身男女の婚活調査

独身の人で現在、「婚活をしている」(8%)あるいは「今後、婚活をする予定」(26.5%)の人は34.5%、約3人に1人が婚活中または予定であることが、マッチ・ドットコム・ジャパンの調べで分かった。男女年代別で見ると、男性の20代後半が27.5%、30代前半が36.7%、30代後半が43.4%、女性の20代後半が37.5%、30代前半が40.0%、30代後半が23.3%。婚活をしている男性は30代後半、女性は20代後半から30代前半が多く、性別により婚活の時期が異なった。


 ざっくりいって、3割以上のひとが婚活をしている、あるいはする予定だそうです。でも実際にしているのは8%ですから、やろうと思っていても面倒だからやらない人も多いのでしょう。

 言葉だけが独り歩きして実態がついてきていないというよりも、こんな状況だからこそ「婚活」を盛り上げようとしている人たちがいるのだと推測します。

 なにしろデートしたり結婚したりしたほうが人はお金を使います。内需拡大の意味でも婚活をして欲しいと考える商売人は多いはずです。それに少子化を食い止めないと需要のパイが小さくなります。経済界としてはどうしても婚活ブームを起こしたいのです。

また婚活をしていない(予定もない含む)人にその理由を聞いたところ、男性1位は「結婚する気がないから」、次いで「結婚は自然にするものだから」「交際相手がいるから」「金銭的に『婚活』をする余裕がないから」。女性1位は「結婚は自然にするものだから」、次いで「交際相手がいるから」「結婚する気がないから」「もう結婚はあきらめている」という結果が出た。


 やはり男性の1位に注目です。「結婚する気がないから」。結婚に対する意欲のなさ。どうでもいいというしらけた気分が感じられます。

 より詳細な内容がわからないので、推測するしかありませんが、早く家庭を持ちたいという動機が乏しいということでしょう。結婚を牽引するプラスの動機が弱まっているような気がします。その結果として、今の生活を続けたいと思っていたり、結婚して責任かぶって苦労したくないと思っているのではないでしょうか。

 「金銭的に『婚活』をする余裕がないから」という理由には、格差問題も影響を与えているのでしょう。

 結婚への動機の弱さと格差問題。この二つは今後も続きそうです。

 やがて「婚活しない人」が話題になり、マスコミでバッシングされる時代が来るような気がします。ニートが今そうなっているように。

「婚活」時代 (ディスカヴァー携書 21)
山田 昌弘

「婚活」時代 (ディスカヴァー携書 21)
崖っぷち高齢独身者 (光文社新書 354) 「キャリモテ」の時代 合コンの社会学 (光文社新書 331) 30女という病――アエラを読んでしまう私の悲劇 シンデレラは40歳〜アラフォー世代の結婚の選択〜 (扶桑社文庫 み 5-1)
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テーマ : 恋愛・結婚について思うこと
ジャンル : 結婚・家庭生活

20代の男女3割が「車に興味ない」

20代の男女3割が「車に興味ない」、若年層の自動車離れ顕著に=ネットエイジアの調査

【9月5日、さくらフィナンシャルニュース=東京】「リサーチTV」を展開するネットエイジア(東京都港区)が行った「自動車に関する調査」によると、20代の男女の約3割が「車に興味がない」と答えており、近年言われている「若年層の自動車離れ」を如実にあらわす結果となった。

自動車に興味を持った時期について、世代や性別間での差異を調べたところ、「自動車に興味を持ったことがない」と回答した割合が、男性では20代前半で26.3%、20代後半で25.6%、また女性では20代前半で45.0%、20代後半では33.1%となった。


 今までの調査が若者が自動車を買わないといった実際の消費行動を対象にしてきたのに対して、この調査は「自動車に対する関心」を聞いているのが新しいようです。

 若者はお金がないから自動車を買わないのだという議論がありますが、それはある程度その通りだと思いますが、この調査を見ると、やはり自動車に対する考えが変わりつつあることを感じます。

 「自動車に興味を持ったことがない」20代の男性が約25~26%もいます。最初から自動車に興味がないということは低賃金の仕事についたからというよりも、はなから自動車に興味を持つことなく育ったということでしょう。

 この20年くらいの間に子どもや若者の興味をひくものが増えてきました。ゲームだのケータイだの若者をひきつけるモノがいろいろあります。ネットや音楽やアニメやマンガなど若者の気を引くものがたくさんあります。

 昔は子どもの遊びは原始的なものばかりで、20歳近くにもなればどれも卒業して大人の遊びを覚えたものでした。

 大人の遊びと言えば、酒タバコなどの嗜好品のほかは、ギャンブル、女。自分でやるスポーツはゴルフ。家にいるときはテレビでプロ野球。通勤電車の中ではスポーツ紙。大人の男のやることは相場が決まっていました。バイクや自動車に関心を持つのもほぼ定番コースでした。

 そういった定番はどれも若者の間では廃れつつあります。自動車もその一つということでしょう。

 若者の収入が少ないことやガソリン代が高騰していることの影響がないとはいいませんが、それだけで説明するのは無理というものです。やはり若者の中での自動車の存在感が小さくなっているのだと思います。

なぜ若者は「半径1m以内」で生活したがるのか? (講談社+α新書 364-1C)
岸本 裕紀子
4062724545

テーマ : マーケティング
ジャンル : ビジネス

『人生後半戦のポートフォリオ』 水木楊

人生後半戦のポートフォリオ「時間貧乏」からの脱出 (文春新書)
水木 楊
4166603604

 人生を自由時間、金、モノと3つに分けて、自由時間にもっと重点を置きましょうと提案しています。

 ユニークなのは、すべてをお金に換算していることです。モノは購入金額がありますから、当然として、自由時間も労働時間と同一の価値があるとしています。自由時間の1時間は、時給1時間に相当させて計算しましょうというのが本書の一番のアイディアです。

 たとえば、時給1000円の人が1時間釣りを楽しめば1000円分遊んだことになります。時給1万円の人が同じく1時間釣りを楽しめば1万円分遊んだことになります。

 どうも腑に落ちません。無理があります。

 もしその時間を働けばそれだけの違いがあるといいたいのでしょうが、実際は働いていないのですし、主観的な体験として収入に比例して10倍も価値の違いがあるわけがありません。

 ある人が若い頃、バイトで時給1000円で働いていて、やがて大企業の役員になって10倍の収入を得るようになったとしましょう。その人の余暇の価値も10倍になっているなんてことはありえません。錯覚とか詭弁の類です。

 もし、仕事と自由時間が同じ価値を持つなら、時間があってもなくてもどちらでもいいってことになります。自由時間を多くしなさいと勧める根拠はありません。私としてはやはり自由時間と労働って別もの、交換できるものではないと思うのですが。というか、基本的に経験の内容によるでしょう。

 本書にはしばしば自由時間を自分への投資に使うという表現が出てきます。やはり著者にはお金になることが価値があるのだという固定観念があるのでしょう。

 いろいろ腑に落ちない点はありますが、仕事人間がそう考えてみることで自由時間の価値を再発見できるなら、こういう計算もありかもしれません。発想を変える、価値観を変える、きっけになるような気がします。

 サブタイトルは「「時間貧乏」からの脱出」です。金やモノを持つことはそれだけ時間貧乏になることですよ、といっています。本書を読んだ人が時間を持つことが豊かさなのだと気づくなら、それはけっこうなことだと思います。

人生後半戦のポートフォリオ「時間貧乏」からの脱出 (文春新書)
水木 楊

人生後半戦のポートフォリオ「時間貧乏」からの脱出 (文春新書)
働かないって、ワクワクしない? 人生と投資のパズル (文春新書) いま債券投資が面白い!―資産運用の世界を変える債券投資のススメ 【新版】内藤忍の資産設計塾─あなたとお金を結び人生の目標をかなえる法 大人の投資入門―真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金運用法」
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

消費を促す方法論 シンプルでわかりやすい表現

若者がモノを買わない理由--インターネット依存、低い上昇志向(livedoorニュース)

「若者がモノを買わない要因の考察と消費を促す方法論」(PDFファイル)

要因:消費力が低い人は、インターネットを長時間利用する人で、いろいろ調べて混乱したり、面倒になって購入を止めたりする
  ↓
留意点:商品への興味が喚起され、インターネットでいろいろ調べてもわかりにくければ、商品への熱が冷めてしまう
  ↓
効果的アプローチ:インターネットを活用した情報提供では、欲しい情報にすぐに辿りつけること、内容がわかりやすいこと、他商品との違いがわかりやすいこと、など”シンプルでわかりやすい表現”が不可欠


 このシリーズも最終回です。

 消費意欲の低い若者の消費を促すための最後の方法論は「シンプルでわかりやすい表現」です。

 シンプル(単純)でわかりやすい表現はマーケッティングにおいては以前より重視されています。値引きの仕方もいちいち計算しないとわからないのでは消費者は自分から理解しようとはしません。たとえば、2.3%の割引と書くよりも1000円引きと書いたほうがよいのです。

 この場合は、計算する手間をはぶいてあげることだけなので、問題はありませんが、「シンプルでわかりやすい表現」には危険性もあります。シンプルでわかりやすい表現にさらされ続けていると、消費者は結果的に細かいことがわからないままで判断することになれてきます。スペックの詳細を知らない。メリットとデメリットの詳細を知らない。そんな状態で判断するのがあまり前になります。

 しかもシンプルでわかりやすい表現が同時に感覚的な表現であった場合、たんにイメージだけで判断することになってしまいます。そんな判断で購入すれば、後になっていろいろと不都合も発見されるでしょう。こんな商品だとは思わなかった。こうだと思っていたのは、単なる思い込みにすぎなかったとか。

 ちょっとした製品ならばそれでいいかもしれませんが、現在では金融商品や生命保険なども詳細を知らずに購入する人が増えています。自分がいくらもらえるのかどんなときにもらえるのか、ほとんど理解しないまま8000万円の生命保険とかガン保障特約があるとか、ただそれだけの言葉で生命保険に入っている人がほとんどです。

 単純な表現に引っかかる人が悪いのだといえなくもないですが、社会全体が単純化の傾向にあれば、受け手はそのような表現になれ、自ら努力をすることはなくなり、人間そのものが単純化され、ものごとを吟味し判断する力を失っていくことになります。

 問題はモノを買う場面だけではありません。政治においても単純化された人間はマスコミの煽りや政治家のパフォーマンスに簡単にだまされることになります。

 構造改革と郵政民営化を旗印に巻き起こった小泉ブームなどのそのいい例でしょう。単純な掛け声だけを見てその他の政策には吟味を加えず小泉純一郎を応援したことにより高所得者や大企業有利の格差社会に拍車をかけることになりました。

 シンプルでわかりやすい表現やワンフレーズには落とし穴があることを知らなければなりません。現実は複雑です。シンプルな表現があれば、その裏に隠されたものがあります。このことは忘れずにいたいものです。

テーマ : マーケティング
ジャンル : ビジネス

消費を促す方法論 素晴らしい自分のイメージ

若者がモノを買わない理由--インターネット依存、低い上昇志向(livedoorニュース)

「若者がモノを買わない要因の考察と消費を促す方法論」(PDFファイル)

要因:消費力が低い人は、上昇志向を持たない人で、いいものが欲しいという欲求も低い
  ↓
留意点:モノへのこだわりが低いから、機能面の長所を訴求しても共感は得られない
  ↓
効果的アプローチ:モノ自体の素晴らしさではなく、そのモノを買うことで、”どんなに素晴らしい自分になれるのか”を想起させてあげるかが重要

消費力が低い層の今後「お金をかけたいもの」Best.3
(M1)1自分の感性に合うもの 2リラックスできるもの 3ストレスを発散できるもの 3知的好奇心を満たすことができるもの
(F1)1自分の感性に合うもの 2自分磨きができるもの 3家族や恋人・配偶者と楽しく過ごせるもの
  ↓
(M1)たとえば、これらの商品を買った時の「癒される自分」や「知的好奇心が満たされる自分」を想像させる
(F1)たとえば、「自分を好き」になれるシーンや、「皆で楽しめる自分」を想像させる


 「自分の感性に合うもの」はすでに戦略に織り込みました。男性向けには「リラックスできるもの」「ストレスを発散できるもの」「知的好奇心を満たすことができるもの」が残っています。

 それにしても男性にはよほどストレスがたまっているようです。うつ病ぎりぎりというか爆発寸前というか、厳しいビジネス社会の重圧を感じさせます。

 でもリラックスしたりストレスを発散にするのに最適なのは休息なんですよね。会社を休んで緑の多い公園のベンチでぼーっとしていれば、リラックスできるし、ストレスも消えてなくなります。ついでに本でも読めば、知的好奇心も満たせます。

 これって気候のいい季節に私がよくやっていることです。ペットボトルのお茶とパンでも買って、昼食をします。ほとんどお金もかからずにいい気分になれます。

 リラックスグッズだとかストレス発散グッズだとか、あるいはそういうサービスを買う必要なんてありません。ごく普通の休息の仕方で十分ではないでしょうか。

 女性の場合は「自分磨きができるもの」「家族や恋人・配偶者と楽しく過ごせるもの」がお金をかけたいものとして残っています。

 ここでの自分磨きはどういう意味でしょう。以前は能力向上のための勉強とか教養を高めることを指していましたが、最近の広告では美容関係のことが自分磨き女磨きなんていわれています。以前は、学校、今はエステといったところでしょうか。

 内容がよくわからないのでコメントしづらいのですが、どうやら女性の方がお金がかかりそうがことが好きそうです。買い物依存なんて女性に多いみたいですし、そういう傾向はあるんじゃないでしょうか。 

 でも、読書や美術館程度なら安く教養を高めることはできますし、エステなんていかずに運動をするでも美容効果はあります。安い方法はいくらでもありそうです。

 「家族や恋人・配偶者と楽しく過ごせるもの」というのもよいことですが、お金を使わないと家族や恋人と楽しく過ごせないのでしょうか。不思議な感じもします。

 そもそも消費意欲の低い人に聞いた答えですから、基本的にお金を使いたくないし、たんにこういうことをしてみたいと答えただけのようにも思えます。

 私たちとしては、「リラックス」「自分磨き」なんて言葉は要注意キーワードであることをインプットして、商業場面で見かけたときは警戒することです。安上がりな方法なんていくらでもあるのですから。

テーマ : マーケティング
ジャンル : ビジネス

消費を促す方法論 「限定感」で煽る

若者がモノを買わない理由--インターネット依存、低い上昇志向(livedoorニュース)

「若者がモノを買わない要因の考察と消費を促す方法論」(PDFファイル)


要因:消費力が低い人は、結婚想定時期が遠い人で、今やりたいことをやっておきたい意識が低い
  ↓
留意点:「今やらなくてもいい、買わなくてもいい」という意識が強く、消費に対しては受身
  ↓
効果的アプローチ:今必要であることを分かってもらう必要があるので、”先送りはできない”と思わせることが有効。たとえば、ここでしか買えない、今しか買えない、今が買い時といった、「限定感」を煽る


 本日限り、限定品、残り僅少とかよく見かけます。今、買わないと手に入らない。今買うとお得。私たちはどうもそういうのに弱いのです。

 時間的に切迫していますから、すぐに決断をしなくてはなりません。だから余計冷静な判断ができません。それで、それほど必要性のないものも買ってしまいます。敵もよく考えています。

 でも、買わなかったからってそれほど違いがありますか? 損していますか?

 そんなことはありません。そんな気がしていただけです。本日限り、限定品、残り僅少などの文字を見かけたら、「これは煽りだ」と華麗にスルーすることをお勧めします。某巨大掲示板でおなじみの心得です。

 よく考えると待った方が安い、待った方が得をすることが多いような気がします。夜のスーパーでは値下がりの値札を持つ人が店の隅のほうでじっと待機しているのを見かけます。待ったほうが得なのです。

 IT系を中心に電気製品なども後にればなるほど、コストパフォーマンスの高い安くていい商品が出てきます。お、値下がりしたなんて思って手を出すとすぐに新商品が出てきて、買ったものが陳腐化します。たいがいは待った方が得です。

 「限定感」を煽る広告は所詮は「釣り」なのですから。

テーマ : マーケティング
ジャンル : ビジネス

消費を促す方法論 自分へのご褒美

若者がモノを買わない理由--インターネット依存、低い上昇志向(livedoorニュース)

「若者がモノを買わない要因の考察と消費を促す方法論」(PDFファイル)

要因:消費力が低い人は、将来に不安を抱えている人で、貯蓄志向も高い
  ↓
留意点:堅実志向が高いだけに、買うことに簡単に踏み出せない
  ↓
効果的アプローチ:ためらいを払拭するための”背中の一押し”が必要。たとえば、単なるモノの購入ではなく、「自分へのご褒美」という位置付けにすることで、モノを買う行為に対する罪悪感を払拭する


 将来が不安で貯金に励んでいる人は「これが欲しい」と気軽に買うことはしません。そんな人も「自分へのご褒美」と大義名分を立てれば購入にいたる、というわけです。

 たしかに最近、自分へのご褒美として買い物をしたり旅行をする若い女性が増えているようです。雑誌には「辛いときには、がんばった自分にご褒美として、ちょっと高価なモノを奮発してみては♪」などと書かれているそうです。

 別の記事にはこんなのもありました。

博報堂生活総合研究所(東京)が行っている定点調査によると、「『自分へのご褒美』として自分にプレゼントを贈ったことがある」と答えた20代の女性は、2004年は68・2%。1998年の59・4%よりも伸びた。30代女性の場合、98年は46・8%だったが04年には55・7%と、こちらも増加している。(2005年12月15日 読売新聞 キーワード「自分へのご褒美」定着)


 そういう風に自分に言い訳をしわないと、自分の消費行動を肯定できないというのはかわいそうな気もします。若い女性の置かれている状況が、それこそ先が見えないということを表しているのだともいえます。 

 「もしかするとずっと自分で独りで生きていかないといけないかも」「将来、低賃金のままだと生活がきつそう」そんなことを考えると「ご褒美」としなければ物が買えないのでしょう。

 もっともこの言葉はブームになっていますから、余裕のある女性でも使っていそうですね。

 では、男性に対する”背中の一押し”はどんな言葉になるのでしょうか。ネットで検索してみたら、男性向けでも「自分へのご褒美」が増えているみたいです。自分で自分にご褒美を出す男って、ちょっとさみしいというか、違和感があるのですけど…。

 私自身はがんばっていないので、ご褒美はなしです。欲しいものがあって、それだけの価値があると思えば買います。それだけです。

 そもそも自分が自分へ褒美を出すなんてことは奇妙です。労働の対価として賃金を得ているのですから、当然の報酬です。それをどう使おうと自分の勝手。使わずに貯金するのも勝手です。何も言い訳せずに、必要なら、価値があるなら買えばいいと思います。

 褒美、褒美などといつも言っていると、褒美と唱えれさえすれば抵抗感もなくホイホイと高価なモノを買う習慣がついてしまいます。所詮は売り手の策略です。お気をつけください。

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消費を促す方法論 感性に合う商品

若者がモノを買わない理由--インターネット依存、低い上昇志向(livedoorニュース)

レポートでは、若者に積極的に消費してもらうためのアプローチとして、購買へのためらいを払拭するための“背中の一押し”や“先送りはできないと”思わせることが効果的で、さらに機能訴求よりも“素晴らしい自分”イメージを想起させることが有効であると考察している。


 上のまとめにはありませんが、レポートでは「ターゲットへの直接的なアプローチ」と「感性に合う商品と認識させる」という戦略を立てています。

要因:消費力が低い人は、人間関係が固定化している人で、他人に触発されてモノを買う経験が少ない
  ↓
留意点:他人から影響を受けにくいので、クチコミは効きにくい
  ↓
効果的アプローチ:クチコミを醸成するようなコミュニケーションではなく、ターゲットへの直接アプローチが可能なメディアを活用…雑誌、無料情報誌、メルマガ、DM
 企業発のメッセージで”自分の感性に合う”商品だと認識させることが特に有効


 どうやらR25などの雑誌は特に注意を要しそうです。記事の中に巧妙に仕組まれた広告など最近は増えていますから、気を抜けません。

 自分の感性に合う商品だと認識させる、というのは実際に合うかどうかではなく、そう思わせるように仕組むということです。色違いやちょっとデザインの違う商品をいくつか並べて選ばせれば、選んだ本人は自分の感性で選んだのだと思い込みます。所詮は、選ばされているだけです。

 ”自分の感性に合う”というのは、個性の表現、他者との差異化などを含んでいます。以前指摘した
ように商品を買うことで自分の感性や個性を表現できるなどと錯覚しないように気をつけましょう。個性が表現できたなんて思わされているだけですよ。所詮は商売人の手のひらの上で転がされているだけのことです。

(続く)

[関連記事]
消費社会の個性化/差異化
消費しない消費スタイル

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プロフィール

Author:Cozy
情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

Twitterはcozyoffです。
TwilogはCozy(@cozyoff)です。

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