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『ターシャの庭』 ターシャ・テューター

ターシャの庭
Tasha Tudor Richard W. Brown 食野 雅子
4840112657


 絵本画家、ターシャ・テューターの庭を中心とした写真集です。

 この本の主人公であるターシャ・テューターは1915年生まれ。この本が出版されたときには90歳のおばあさんです。

 アメリカ、バーモント州の山中に30万坪の敷地にターシャの庭はあります。その広大な土地に、フラワーガーデン、ハーブガーデン、野菜畑、母屋、温室、納屋、ニワトリ小屋、山羊舎、鳩小屋があります。

 そして、住んでいるのは、ターシャさんひとり。2匹のコーギー犬、猫1匹もいます。近くに住む息子さんがやってきたり、孫かひ孫かわかりませんんが、子どもたちもやってきますが、基本的にひとりの生活です。

 ターシャはここで、18世紀の農家の生活を再現しているようです。お金を出して買わなければならない物がひとつもありません。現代に作られた商品がまったくありません。生活に必要なものの多くは手作りです。庭の世話をし、木の実を摘み、水を運び、薪を割る。そういう伝統的な生活をしながら、四季を生きています。

 写真には、多くの花、花が写っています。季節ごとの花。そして、息子が作ったという手作りの木の家。家具はすべてアンティーク。お皿も樽もすべてが古く、リンゴを搾る手動の機械もおそろしく古い物です。

 本当にこんな生活ができるのかなと不思議に思います。メルヘンのようです。でも、大変ですよ、これを実現するのは。90歳をすぎたおばあさんが薪割りをしているんですから。

 NHKでターシャの生活を紹介する番組を見ました。ちゃんと生活しているんです。ほとんど一人で。本当に驚きます。

 この人はひとりでなんでもできる人です。庭造り、農作業、料理をふくめて、生活の一切に関する知恵があります。有名な画家なので現金収入もあるでしょうが、贅沢なところはまったくありません。質素な生活です。それでいて自然の恵みを十分に享受した豊かさがあります。

 文明って何だろう、人間の幸せとは何だろうと考えるときには、ぜひともターシャのことを思い出してください。

ターシャの庭
Tasha Tudor Richard W. Brown 食野 雅子

ターシャの庭
ターシャの家 思うとおりに歩めばいいのよ―ターシャ・テューダーの言葉 (ターシャ・テューダーの言葉) NHK 喜びは創りだすもの ターシャ・テューダー四季の庭 永久保存ボックス〈DVD+愛蔵本〉 ターシャの庭づくり 暖炉の火のそばで―ターシャ・テューダー手作りの世界
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

精神的な物欲に克つ方法

 物欲のほとんどは精神的なものです。ほとんどの商品は肉体的に生きていくためには必要のないものです。それでも買ってしまうのは、心の弱さであり、自らを説得するすべを持たないことが原因です。

 物を買わないコツはいくつかあります。最初に行うべきことは、家計簿をつけることです。これは昔からいわれていることですから、いまさら感が強いのですが、効果は大きいようです。

 現金出入りを具体的な数字で見ていれば、無駄な買い物に警戒心が強まるのは当然です。人間は自分がいくら使ったかを忘れてしまうので、どんどん支出が膨らんでしまうのです。毎回チェックしていくらの合計支出がどこまでいったのかを把握していると、もう買うのはやめようと自らに警告が出せます。

 家計簿をつけることで、残高が増えるうれしさも味わえます。世の中には預金残高を見るのが趣味だという人もいます。出店費用をためるとか目標があればなおさら、残高の把握は必要です。

 できれば支払いは現金がいいでしょう。カードでは支払った実感が湧きませんし、支払う行動が簡単すぎます。現金で支払うときは、銀行でお金を下ろし、それを持ち歩く必要があります。これが面倒です。さらに現金で支払いをするときに若干でも心理的抵抗を感じるでしょう。お釣りを財布に入れることもちょっとですが面倒です。このように現金での支払いはいくつかのネガティブ要因があり、買い物への意欲を少しながら削いでくれます。

 目標を決めて貯金をするのもいい方法です。早期リタイアに向けての貯金や海外ロングステイのための貯金など、B級遊民的な壮大な計画に向けての貯金ならば大きな励みになるでしょう。また、目標を持つことで生活の方向ができます。精神的にも安定します。

 購入を検討する時間をなるべく長く取ることも有効です。

 資料を取り寄せあれこれと調べて好奇心を満たしておいて、買ったらどうだろうと楽しい様子を想像して、でも実際に買ってしまえばその想像は間違っているだろうなと反省し、買ったときの満足は慣れによって長続きしないことを思います。

 検討には最低でも二週間、できれば一ヶ月はかけましょう。欲しい気持ちはそんなに長続きしないことが多いのです。一ヶ月もあれば、その買い物はどうでもよくなっているものです。そして、結局は買わないことに決定します。

 買いたいものは買いたい時に買うべきだという意見がありますが、バカげています。本当に欲しいかどうかはその感情の高まりの時期をやりすごしてみなければわかりません。一ヶ月たってもまだ欲しければ、本当に欲しいのかもしれないと、やっと本格的な検討に入れます。

 購入を決定してから、しばらく購入を先送りすることもいい方法です。「来週買おう」とか「来月買おう」と先送りしておいて、来週や来月が来たら、また先送りをします。人間は、自分の欲望を断念することには抵抗を感じますが、先送りにはけっこう耐えられるものです。

 心理学ジャーナリストの佐々木正悟は「禁止するとき、人は禁止の対象に注目する」「送りするとき、人は先送りの対象を意識しない」というふたつの事実から、先送りはダイエットや禁酒などに応用できると書いています。(『ブレインハックス-人生を3倍楽しむ脳科学』マイコミ新書)

 私の経験からすると、先送り作戦は買い物にも大いに有効です。「来月買おう」とか「次に入金があったら買おう」と先送りを繰り返し、最終的には買わずに済ませるように自分をうまく誘導してみてください。

 理詰めに攻めるなら、「今は買う時期じゃない。次に出るのが最高の機種だ」という説得もかなりの効果を発揮します。次々と新機能を搭載した電気製品などはこの説得でいくらでも先送りができます。たいがいの電気製品は次の機種の方が高機能で実質的な値下がりになっているケースが多いのです。これをネタに自分を説得すれば、今は買う時期じゃないという結論にたどり着くのは必定でしょう。

 もしどうしても買わなければならないときは、長く使えるものを選びましょう。丈夫で長持ちして、飽きのこないもの、品質がよいものを選びます。

 リュクスという言葉がはやっています。「贅沢」を意味するフランス語ですが、「自分にとっての贅沢」「安らぎのある贅沢」というニュアンスで使われています。

 高価な商品を買う贅沢ではなく、心の豊さを味わえる買い物を指していることが多いようです。高級品、ブランド品だからといって選ぶのではなく、自分が本当に気にいった品物を納得して購入し、長く使います。この「長く使うこと」が大きなポイントです。

 そのためにも商品は時間をかけてじっくり選ばなければなりませんし、購入後の心の満足がどれだけ得られるのかを冷静に判断しなければなりません。

「物欲に克つ方法」のまとめ
・家計簿をつける
・支払いは現金にする
・目標を決めて貯金する
・商品購入の検討に長い時間をかける
・購入を先送りする
・次に出る機種を待つ
・買うなら長く使えるものを

「買わない!」技術
知の生活計画社
4569615414


ブレインハックス-人生を3倍楽しむ脳科学(マイコミ新書) (マイコミ新書)
佐々木 正悟
4839923914


テーマ : 節約
ジャンル : ライフ

贅沢は健康の敵だ

 生活習慣病(成人病)の多くは贅沢な生活を原因とする文明病です。糖尿病・脂質異常症・高血圧・高尿酸血症などは悪しき生活習慣が原因になって起こることが多く、その原因は食生活の欧米化(肉や脂質、糖分の多い食事)、運動不足、肥満、タバコ、お酒などです。

 生活習慣病に対抗する一番のポイントは、贅沢をしないこと、楽をしないことです。つまり、お金をかけずに、時間をかけて、自分の体を使うことです。

 日常生活で体を使い、多めに歩いていれば運動不足は解消できます。移動手段は自動車より自転車、自転車より歩きが環境にやさしいし、健康的です。しかもお金もかかりません。

 家事労働も運動です。掃除をし、布団を干し、洗濯物を干し、取り込んでたためばそれだけでも運動です。食事の準備や後片付けも同じです。家事で楽をすることが体を蝕みます。

 運動不足解消のためにスポーツクラブに行く人がいますが、これはもったいないことです。ストレッチングや腕立て伏せや腹筋、スクワット程度なら自宅でやれば十分です。それに、スポーツジムでやるような超時間の高負荷の運動は体のためにはなりません。激しい運動は寿命を縮めますし、体に負荷をかける運動は心臓や関節、筋肉の故障の原因です。

 私はウェイト・トレーニングをやっているときに腰を痛めたことがあります。同じジムには腰や肘や膝などの関節を痛めている人が多くいました。ジョギングマシンやエアロビクスでも膝に負担がかかります。お金を払って体を壊すことはありません。

 日本人の食生活は欧米化しています。炭水化物や野菜類の摂取量が減少し、動物性脂肪が増えています。甘い菓子や甘い飲料も増えました。こうした傾向は栄養についての無知と贅沢が原因といっていいでしょう。霜降り肉を喜んだり、スイーツを楽しむことは無駄な贅沢であり、健康の敵です。

 量が多すぎることも問題です。低カロリーの食事の方が長生きすることは、いろいろな動物実験で実証されています。

 一般的に、摂取カロリーを満腹に比べて3~4割減らすと寿命が3~5割も伸びます。人間にそのまま当てはまるかどうかはわかっていませんが、腹6~7分目にしておけば一番健康にいいといわれています。ちなみに、摂取カロリーを5割以下に落とすと寿命はかえって短くなります。清貧ではなく「ちょい貧」がいいのです。

 生物は少ない食事で生きるように設計されています。人間も長い間、好きなだけ食事がとれるような環境にはいませんでした。それが現代になって急に豊かになり、摂取カロリーが増えました。こうした環境下では、意識して節制しないと生活習慣病になってしまいます。

 ある意味、贅沢そのものが現代の病です。とりわけ贅沢は健康の敵であることを肝に銘じましょう。


生活習慣病を防ぐ―健康寿命をめざして (岩波新書)
香川 靖雄
4004306795


太りゆく人類―肥満遺伝子と過食社会 ハヤカワ・ノンフィクション
栗木 さつき
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よくわかるメタボリックシンドローム脱出法 (健康ライブラリー)
菅原 正弘
4062592878

テーマ : ダイエット・美容・健康
ジャンル : ライフ

嫌われる「外こもり」

 内外価格差を利用しているのは、リアイア組ばかりではありません。「外こもり」の若者も多くなりました。

 外こもりとは、日本でのバイト生活と海外ロングステイを繰り返しながら生きていくライフスタイルです。彼らの収入源は日本でのアルバイトもしくは工場への派遣などです。そこで数ヶ月から一年間働いて、数十万円から100万円程度の貯金をします。そして、物価の安い海外へ渡り、節約生活をしてなるべく長く滞在をします。

 東南アジア、とりわけタイのドミトリー(宿泊所)には、この方法によって日本から渡ってきた若者がたむろしています。こうした宿泊所は一晩数百円で泊れるため、数ヶ月のバイトで貯めたお金で一年の残りを暮らすことができます。

 最近はドミトリーよりも月単位で契約できる安アパートに入る若者が増えています。アパート生活の場合、他の日本人との交流もなく、文字通り海外で引きこもる生活をしているケースが多いようです。

 一見気楽な生活ですが、なかには日本に戻る渡航費用まで使いきり、不法滞在のまま海外に残っている若者や、何もしないでぶらぶらする生活を続けるうちにあらゆる意欲を失うケースも多いようです。

 お金がなくなったので現地でバイトをはじめても、現地の賃金はとても安いため貧しい生活から抜け出せなくなります。このような状態を「沈没」と呼ぶようです。

 外こもりは現地では歓迎されてはいません。彼らはほとんどお金を使わずに生活をしているので現地にあまり経済的なメリットを与えることはありません。なおかつ不法就労、不法滞在の温床になるからです。タイではこういう人たちを国に入れないようにパスポートの制限をきびしくしました。

 今後は、貧乏な外こもりを排除して、ある程度お金を使ってくれる退職者ビザの利用者を歓迎する傾向は強まるものとみられます。


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テーマ : 海外生活
ジャンル : 海外情報

海外でどんな生活をするつもりか?

 運よく海外生活を軌道に乗せることができたとしても、考えておくべき問題はあります。海外生活において本来自分がやりたかった生活や趣味がそこでも可能かということです。ただ楽に生活できるからという理由だけで海外に行ってみても、やることがなければ退屈でしょうがありません。

 海外生活での生活は日本の生活と同じというわけにはいきません。読書をしたくても日本語の書籍は輸入品ですから割高です。映画館で日本語の映画はやっていません。外国映画の字幕も日本語ではありません。テレビも現地の言葉です。(ケーブルテレビで日本語放送が見られるとだいぶ楽です)

 言葉が通じなければ、今まで当たり前にできたことができなくなります。同好の士も見つからないかもしれません。

 今までの趣味ができなくなるのなら、それに変わる新しい趣味がそこで見いたせるでしょうか。

 もちろん海外だからこそ実現できる楽しみも多くあります。大自然を相手にしたアウトドアライフ。安くできるリゾートでの遊び。近隣諸国への旅の楽しみ、など。

 こうした新しい体験に喜びを見出せるのなら、海外生活も楽しいものになりますが、海外に行ったのに、何もすることがないのでは退屈してしまいます。安く生活できるから海外へ行く、というだけでは行き詰ってしまいます。なにか新しい楽しみを見つける必要があります。

 そのためにも、いきなり移住をするのはなく、様子を見るために1カ月から3ヶ月くらいの体験期間は必要です。自分に合った土地を見つけるために複数のロングステイ先を体験することも大切です。

 海外生活というと、つい夢の生活を思い描いてしまいがちです。日本語が使えない環境、知り合いがいない環境が大きなストレスになることもあります。一度体験をしてから本格的な海外移住を計画してください。


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テーマ : 海外生活
ジャンル : 海外情報

海外にいて収入を得る方法

 海外できちんと働きながら生活するなら、外資系企業で採用されるのが一番いいようです。現地企業に比べて賃金がいい。残業がない。休暇が多い。と日系企業とは段違いの労働環境が用意されているケースが多いのです。

 一方、日系企業の現地採用は労働条件が悪く、海外に出た意味がないようです。長時間労働が多く、休暇が少ないことは国内並みです。日本で採用されて海外に転勤するのに比べると現地採用は賃金が安いのも不満です。

 外資系に勤める以外でお勧めしたいのはインターネットを介したSOHOです。日本とは距離が離れているので、オンラインでのやり取りだけで可能なWeb制作やデザイナー、あるいはプログラミングのようなIT系の仕事やアフィリエイトなどがやりやすいでしょう。

 商品の販売ならば、現地で仕入れたものを日本国内に送る形になります。この場合、オンラインショップもしくはインターネットのオークションということになります。

 SOHOならばインターネットさえつながっていれば、ノートパソコンを持ち込んでしまえば(ソフトとデータだけでも)、どこでも仕事はできます。住む場所に縛られないので、複数の国でロングステイ(長期滞在)を繰り返すことも可能です。日本に住所を持ったまま、あちこち国をロングステイ先としてかわるがわる滞在すれば生活費は安く、半分は観光気分で暮らせます。

 日本にマンションなどの不動産を所有しているならば、それを貸して自分は海外で暮らすのも賢い方法です。都心のマンションを人に貸して、自分は安い海外で使って暮らせば、それだけで働く必要もなくなります。

 この方法で困るのは借り手が付かない場合ですが、借り手がつかなくても一定額を保障する不動産管理会社もありますので、それを利用すれば安定的に収入が得られます。若くして単身者用のマンションなどを買って、ローンを払い終わっている人などは、簡単に海外生活を楽しむことができます。

カリスマ大家が実践する[稼動率99%]満室経営―空室対策・解消マニュアル―
浅輪 裕彦
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テーマ : 海外生活
ジャンル : 海外情報

中高年には退職者ビザがいい

 中高年が長期間安定的に滞在したければ、退職者ビザを取るのが一番です。

 タイの退職者用の長期滞在査証(ビザ)は、50歳以上で、タイ国内に80万バーツ以上の預金がある人。または月6万5千バーツ以上の年金収入などがある人。あるいは預金と年金の年間収入を合せて80万バーツ以上ある人が対象です。1年間の滞在許可が得られ、以降は1年毎の更新をすれば延長されます。就労はできません。(1バーツ=約3円で計算すると、80万バーツは240万円です)

 フィリピンはもっとゆるい条件で退職者ビザが取得できます。年金を貰っていない人でも35歳以上50歳未満ならば50万米ドル(約600万円)、50歳以上ならば2万米ドル(約240万円)の半年の定期預金を組めば退職者ビザ(永住権)が取得できますし、現地での就労も可能です。

 マレーシアのマイセカンドホーム査証(ビザ)は、50歳未満で、マレーシアの銀行に30万リンギ(約900万円)の定期預金をする人が対象です。50歳以上では、月1万リンギ(約30万円)の年金受給(公的年金のみ)収入がある人。または、マレーシアの銀行に15万リンギ(約450万円)の定期預金をする人が対象です。有効期間は最長10年間ですが、更新可能です。永住権ではなく、就労もできません。

 他の国にも似たような退職者ビザがありますが、基本的にある年齢以上を対象にして、その国に預ける定期預金を一定額以上、もしくは収入(年金)が一定額以上を条件としています。就労も制限されるのが普通です。

 なぜそういう条件があるのかといえば、現地の人の仕事を奪うことなく、お金だけを落としてくれる人に移住して欲しいからです。逆に、現地の人の仕事を奪う不法就労、あまりお金を持たないで入国して、不良外人となる人、不法滞在する人はお断り、です。現地で起業して、現地の人を採用するような場合は、むしろ歓迎される傾向にあります。

 退職者ビザは、お金をためて早期退職をした人や、年金がある程度入る見込みの人にはありがたい制度です。同じお金が日本の数倍の価値になるのですから、海外生活も視野に入れて将来設計をしてみたらいかがでしょうか。


タイでロングステイ (大人の海外暮らし国別シリーズ)
ラシン編集部
4871495914


半分海外ぜいたく暮らし―年金カップルなら誰でもできる 夢をかなえた9カ国24人の新しい生き方 (LONG-STAY PERFECT BOOK)
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半分海外ぜいたく暮らし―年金カップルなら誰でもできる 夢をかなえた9カ国24人の新しい生き方 (LONG-STAY PERFECT BOOK)
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テーマ : 海外生活
ジャンル : 海外情報

物価の安い国で海外暮らし

 生活費の安い場所を探すなら、日本にこだわる必要はありません。東南アジアなどの生活費の安い海外で暮らすことも選択肢のひとつです。

 リタイア(退職)組に人気なのが海外移住もしくは海外でのロングステイ(長期滞在)です。最近になって内外価格差(日本国内と海外との物価の違い)を利用して外国でリッチに暮らす人が急に増えています。

 東南アジアはとくに生活費が安く月15万円もあればけっこう裕福な暮らしができます。タイの田舎にでも行けば、住居費込みで5~6万もあればなんとか生活ができるのですから、貧乏人にはありがたい話です。

 5~6万円といえば、国民年金の満額を少し下回る金額です。日本にいたらぎりぎりの生活どころかほとんど生活ができません。内外価格差というものはありがたいものです。

 海外で生活をするといっても、いろいろな方法があります。パスポートだけで入国する。観光ビザや労働ビザを取得する。永住権を取得する、などです。最近はリアイア組に特化した独自のロングステイ(長期滞在)ビザを発行する国も増えています。

 パスポートだけで入国するのが一番簡単ですが、連続して滞在できる期間が短く、期間が切れる前に一度国外へ出なければなりません。簡単に隣の国へ行けるようなロケーションならばいいでしょうが、そうでなければ渡航費用がかかります。基本的に長期滞在向きとはいえません。

 最近やたらと日本人移住者が増えているタイではパスポートの制限がきつくなりつつあります。ビザなしでは、1回の入国につき滞在は30日間までになりました。さらに最初の入国時から6カ月の間に合計90日間を超えての滞在は不可です。不法就労や不法滞在の温床となるので、だらだらと滞在することは歓迎されていません。

 フィリピンのパスポートは21日以内、マレーシアは3ヶ月です。

 観光ビザでは3ヶ月程度の滞在が可能な国が多いようです。東南アジアの移住組に人気のフィリピンは59日、タイは60日(現地にて30日間延長可能)、マレーシアは3ヶ月まで、です。パスポートだけで入れる国が多いので、わざわざ観光ビザを取得する人は多くありません。

 労働ビザはたんに生活費を安くする目的では取得は難しいでしょう。基本的には現地の人間が持っていない特殊な技能がある人が対象です。そもそも現地の言葉ができないと就労は難しいという言葉の壁もあります。

海外リタイア生活術―豊な「第二の人生」を楽しむ (平凡社新書)
戸田 智弘

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テーマ : 海外生活
ジャンル : 海外情報

田舎暮らしのデメリット

 地方での生活には不便もあります。

 近所で買い物をすませるほどお店が多くありません。それなのに交通手段は少なく、自家用車で移動するしかありません。都心ならば徒歩で買い物に行けたのが、いちいち車で出かけるのでガソリン代がかかります。

 野菜や魚介類の産地に近ければ、直販店や朝市などで安く買えますし、大規模スーパーがあれば、車で出かけてまとめて購入することになるでしょうが、そういうものがなければ、かえって食べ物や日用品が高くつきます。

 社会的インフラが整備されているかどうかも気になるところです。医療機関までどれだけ離れているのか、その医療機関に医者は常駐しているのか、夜間診療に対応しているのかは要チェックです。持病を抱えているのなら、専門科があるかどうかは死活問題です。少なくとも緊急時にあまり長くかからない距離に医者が常駐している病院があるかどうかは確認しておきたいところです。

 寒冷地は冬場の暖房費が馬鹿になりません。雪が多い地域では雪かきに時間と体力を奪われます。衣料費もよけいにかかります。年間を通した生活を考えないと、意外な出費に苦しむことになります。寒さは体にこたえますから、年を取れば取るほど寒い地域での生活はつらくなってくるはずです。
できれば移住は暖かい地域の方がいいでしょう。夏はエアコンの冷房費がかかりますが、都心のような熱帯夜はほとんどありません。暖かな気候は健康にプラスに作用しますから、医療費が抑えられるかもしれません。

 地域によっては行事が多く、自分の時間が思うように取れないこともあります。地元消防団の訓練がしょっちゅうあったり、なにかと顔を合わせる会合が開かれたりします。地元の人間関係にとけこめず、つらい目にあう人もいるようです。

 いい場所だからと移住してみたら、想像と違うことがたくさん出てきます。事前の調査は慎重にしなければなりません。田舎暮らしをしたことがない人はしばらく体験してみて自分に向いているかどうかを判断したほうがよいでしょう。


田舎暮らしに殺されない法
丸山 健二
4022504404


田舎暮らしはつらかった
渡辺 瑠海

田舎暮らしはつらかった
イヌキー 田舎暮らし虎の巻 田舎暮らしができる人できない人 (集英社新書 388H) 失敗しない田舎暮らし入門―土地や家の取得法から土いじりの楽しみ方まで 図解 田舎暮らし (目からウロコのさんぶん図解)
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テーマ : エコロジーライフ
ジャンル : ライフ

自給自足と農業

 ちょっとした広さの土地が手に入る場合は食料の自給もやってみるべきです。

 米作りは水田の管理が大変ですが、野菜作りなら比較的簡単にできます。商品として売るのではなく、自分が食べるだけならば、形が悪くても、大きさがそろっていなくて、多少の虫食いでも問題ありません。市場で人気のある品種を求めて新しい品種や育てるのが難しい品種に手を出す必要はありません。育てやすいものだけを続けて育てればいいのです。

 植物のいいところは、光と水があれば自分で育つところです。小さな畑ならばあまり時間をかけずに勝手に野菜ができてきます。市民農園とかクラインガルテンという、ちょっと農業をしてみたい人向けの制度がありますが、これなどは週末の農作業をするだけで収穫が可能です。商売でなければ作業量はさほどではないのです。

 株数を少なめにして、品種を増やし、収穫時期の違うものを選べば、年中なんらかの野菜が収穫できます。あまった野菜は近所の人にあげれば、お返しに別の野菜やお米、地域によっては魚などがもらえます。農業で現金収入を得るのは大変ですが、自分で食べたり、人にあげたりする程度ならなんとかなります。

 自給と物々交換でほとんどまかなえるなら、他に必要なのは調味料、油くらいでしょう。もし足りないものがあれば現金で買うしかありませんが、それでも都会に比べれば、食費が安くなることは間違いありません。

 農作業そのものを楽しめるなら、理想の生活ではないでしょうか。定年後に農業をする人が増えているのは、田舎暮らしへの憧れ、土をいじることの悦び、自分が食べるものを自分で作ることの充実感を求めてのことです。実益を兼ねてできるのですから、やらない手はありません。

 陶淵明の時代は農産物の生産力が低かったので、農業は大変でしたが、今は違います。品種は改良され、農具も発達しています。肥料も農薬も進化しています。過去に比べてはるかに効率よく農産物を得ることができます。とくに日本は植物が育ちやすい気候に恵まれています。平野が少ないので大規模農業には向きませんが、小さな農業、自給にはむしろ適しています。

 陶淵明の描いた桃源郷には、農耕生活があり、道には鶏と犬が鳴いています。にわとりを飼って、毎朝新鮮な卵を食べて、犬をともに生活すれば、理想の生活により近づくというわけです。

 それならば、いっそ農業を職業にしたらどうでしょう。しかし、新規就農は楽ではありません。挫折率が70%ともいわれるほどのハードな職業です。

 全国農業会議所「新規就農者の実態に関するアンケート結果」(1997年)によると、新規参入者が経営にかかった金額(実費)は平均1,600万円台です。作目別では、花き、野菜(施設)で1,500万円前後、野菜(露地)、養鶏が400~600万円台となります。これ以外に新規参入者は就農後の生活資金を400万円準備しています。

 露地栽培の野菜であれば、総計で800~1000万円になりますが、これだけあれば就農が成功するという意味ではありません。

 新規参入者が農家で生活できるかどうかを尋ねたところ、「生活できない」が52.4%、「生活できる」が39.9%と、うまく経営ができていない実態がうかがえます。不足分は貯金を取り崩すか農業以外の収入で補う、もしくは借金をするしかありません。

 「生活できる」とした人でも、就農1年目で生活できるようになった人が3割程度しかいません。2年目までで約半分です。3年目まででやっと約7割、5年目までが約8割です。

 自己資金が必要な上、食えるまでにはかなりの年月がかかります。新規就農の挫折率が70%だというのもうなずけます。

 というわけで、農業に関しては、本格的に現金収入をあげることよりも、家庭菜園レベルのものと位置づけておいた方が身のためです。


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テーマ : ロハス&エコロジーライフ
ジャンル : ライフ

家賃の安い田舎でSOHO

 支出を抑えるには生活費の安い場所で暮らすことがもっとも効果的です。

 田舎暮らしは住宅費が安いのが一番の魅力です。利便性やその地域の人口の増減によって価格はいろいろですが、当然ながら不便で過疎化している地域ほど住宅費は安くなります。

 過疎に悩む地方は多く、都会からの流入を歓迎しているところもあります。建築年数の長い公営住宅だと5000円以下の家賃で借りられます。家賃は収入に応じて変わりますが、都心に比べれば驚くほど安いのです。

 入居条件は様々なので各自治体に問い合わせておかなければなりません。現在その地域に住所がないと入居できない場合も多いのですが、その場合でも一度民間の賃貸住宅で暮らしてから応募するばいいでしょう。

 地方には仕事が少ないという問題があります。求人倍率が低く、アルバイトもほとんどありません。仕事があったとしても賃金が安く、せっかく地方に移住しても経済面でのメリットは得られません。就労という点では地方はあまり好ましい場所ではありません。

 しかし、SOHOならばこの点は心配ありません。

 SOHOとはSmall Office/Home Office(スモールオフィス・ホームオフィス)、パソコンとインターネットを使って、小さなオフィスや自宅などでビジネスを行なうビジネス形態のことです。ある程度のパソコンの知識があり、インターネット環境があれば、手軽に商売を始められますし、通勤の必要もありません。これからますます増えていく働き方です。

 フリーランスの仕事の多くは、SOHO(ソーホー)で行えます。SOHOで収入を得ながら、生活費の安い地方で暮らす。同じ仕事で同じ収入ならば、都心で暮らすよりは経済的に有利であることは間違いありません。

 ただし、SOHOでもあっても、仕事を選びます。顔を合わせての打ち合わせが頻繁に必要となるような仕事はむずかしくなりますので、そのあたりは気をつけてください。

パソコンでできた おうちdeおしごと大図鑑 (PASOTOMOブックス)
パソコン主婦の友編集部 SOHOコンピューティング編集部
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「SOHO事業」の進め方―独立開業したい人も副業で稼ぎたい人も
浦野 敏裕

「SOHO事業」の進め方―独立開業したい人も副業で稼ぎたい人も
SOHO起業家として生きる―明日の地域経済を拓く元気な挑戦者たち SOHO独立開業ビジネスの素〈3〉 地獄の在宅ワーク (くわがたBooks) 生きがいを見つけたい「専業主婦」の仕事探し―“小遣い稼ぎ”から“起業”まで、やり方次第で人生も変わる「在宅ワーク」 オール図解 いちばんやさしい個人事業のはじめ方
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テーマ : 田舎暮らし日記
ジャンル : ライフ

パラサイトシングルで資産作り

 成人して働くようになっても親の家に同居する生活形態をパラサイトシングルといいます。

 パラサイトシングルならば、住宅費はゼロとなります。東京で6畳間のアパートを借りれば、7~8万円くらいはします。不便な場所や汚い古いアパートならば4万円以下でもありますが、一般的なアパートはやはり高い。これがゼロになるならば、こんなにありがたい話はないでしょう。

 一人っ子ならば、親の家はどうせ自分のものになりますし、独立してもいずれ家に戻るなら最初から同居した方が無駄がありません。そう考えればパラサイトシングルもさして不自然とも思えません。昔は家を継ぐ人が同居を続けるのは当たり前だったのですから、子どもは独立すべきと考える必要はありません。

 結婚をして家族が増えれば、家が狭くなります。その場合、独立せざるをえないのは当然でしょう。しかし、シングルのままで家を出て空き部屋を作るのは「もったいない」ことです。光熱費も家具、電気製品も余計に必要になります。人がバラバラに暮らす生活は効率が悪く、地球に優しくない生活です。親の実家に残ることで生活費が余るなら、そのお金は貯金をしておくのが賢明というものです。

 独身者の生活費は月15万円だと書きました。住居費がゼロならば、当然収入は10万円以下でも可能です。うまくやればさらに少ない金額で生活できます。といっても、わざと収入を少なくしなくてもよいのです。早めにリタイアできるように貯金しておくのは賢明な選択です。

 株の運用の話題の時に、若い頃から株に投資するほうが安全であると書きました。パラサイトにより浮いたお金を株式投資すれば20~30年後には完全リタイアの悠々自適の生活が可能です。自分ひとりが生きていくだけのお金を稼いだらさっさとリタイアして遊んで暮らす生活に入りたいものです。

 株式投資に使うのは余裕資金にすべし、というのは投資の鉄則です。生活費を投資に回してはいけません。さらに投資を始める前には2年くらいの生活費を確保しておくことも常識といっていいでしょう。家を出て独立してから貯金をした場合、こうした条件をクリアするには数年どころか10年もかかってしまうかもしれません。しかし、パラサイトシングルであるならば、より早い時期から株式投資にお金がまわせます。

 一時的な失業で収入の道が途絶えても、家にいれば食わせてもらえる可能性は高いのもリスク管理という点でも有利です。2年分の生活費を確保しておく必要はないので、どんどん貯金して投資をすることができます。資産運用という面から見ても、パラサイトシングルは圧倒的に有利です。

 金がないから実家に寄生するという発想ではなく、積極的に資産作りのためにパラサイトするのだと明るく考えてもらいたいのです。もっとも効率のいい長期戦略だと考えれば、堂々とした気持ちでパラサイトシングル生活を楽しめるのではないでしょうか。


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テーマ : 節約・暮らしの知恵
ジャンル : 結婚・家庭生活

危険な買い物=専業主婦、子ども、住宅

 非正規雇用はもちろんですが、フリーランスや自営業を営んでいる場合も、収入は不安定です。となると、住宅ローンのように長期的に支出を強いられるものには手を出せません。将来的に収入が落ちた場合に現金不足の事態に対処できないからです。

 長期的な支出を強いられるものはリスキーな買い物です。このことはしっかり頭に入れておかなければなりません。

 リスキーな買い物の代表は、専業主婦、子ども、住宅の三つです。経済アナリストの森永卓郎は「人生の三大不良債権は、専業主婦と子供とマイホーム」と書いています。実際には債権ではありませんが、ニュアンスは伝わります。

 専業主婦に関してはすでに結婚について書いたときに触れました。男女の分業が確立していた時代は大いに意味がありましたが、現在では分業のメリットはなくなりましたから、経済的な利点はあまりありません。今ではリスキーな買い物、不良債権に分類してもいいでしょう。しかし、いざとなったら働いてくれる可能性もあるわけですから、専業主婦がいつまでも専業主婦というわけではありません。ケースバイケースでしょう。

 では、子どもはどうでしょう。

 森永卓郎の計算によると、子ども一人あたりにかかる費用は総額で7881万円となっています。ほとんどの人の予想をはるかに超える金額ではないでしょうか。

 学校教育費、補習教育費、習い事、小遣い、交通費、サークル等の参加費などの広義の教育費、食費等の生活費、出産・育児費用や衣料費、理美容費、パーソナル所有品代までの総計で2933万円です。森永さんが使った1993年のデータですが、それより新しい2005年のデータ(AIU保険「現代子育て経済考 2005年版」)では、子どもの誕生から大学卒業までにかかる費用は、すべて国・公立校に進んだ場合でも2985万円とさらに増えています。

 森永の計算が面白いのはここからです。

 「ただし、このAIU推計でも、推計から漏れているコストがある。家賃と結婚費用である。子供部屋を六畳一間としても二二年間のその家賃は七六〇万円。結婚費用のうち親からの援助と結納金の合計額は三八四万円。一人分としてその半額の一九二万円。これらを合わせると、一人当たりの子育てコストは三八八五万円に達する。

 さらに忘れてならないのは、子育てにかかる人件費コストである。子供のいる世帯と子供のいない世帯の家事・育児時間の差から、子供一人当たりに投入している時間を計算し、その時間に年齢別の時間当たり賃金を乗じて人件費コストを算出すると、三九九六万円となる。つまり、直接経費に人件費コストを加えた総コストでは七八八一万円という膨大なコストが必要になるのである。」(『<非婚>のすすめ』森永卓郎 講談社現代新書)

  一般的に考えられる養育費に加えて、子どものための家賃、子どもの結婚費用の一部負担、子育ての人件費を総合すると7881万円。膨大な額となります。

 子育てはレジャーだとする子育てレジャー説があります。平成17年版国民生活白書には「子育てを行うということは、費用とともに時間も要するという点で時間消費型活動と似た面がある」と書かれています。それにしては高いレジャーです。もはや贅沢品、奢侈品といっていいレベルです。

 負担は経済面だけではありません。子育てに問題が生じれば、精神的な負担も生じます。子どもがいる親は鬱傾向であるというアメリカ社会学会の報告もあります。

 子育てには、長期間大きなコストがついてまわることを覚悟しなければなりません。

 最後は、住宅です。

 住宅は通常、分割払いで購入します。住宅ローンは長期間の利息つくために膨大な額になります。1000万円を金利3%で30年借りたら、約1500万円を返済しなければなりません。4%なら約1700万円、5%なら約1900万円。なんという無駄な支出でしょう。さらに固定資産税が支払う必要があり、マンションなら管理費、修繕積たて金、一軒家ならメンテナンスが必要です。ローンを完済したころには家もマンションもボロボロになっているかもしれません。

 それでも賃貸料を払うよりもマシではないかとの意見もあります。

 日本の土地は災害に弱いため、台風や地震による持ち家喪失の危険性があります。造成地を買った場合はたいした災害でなくても、ひどい損害を受けることもあります。ちょっとした雨で地盤が緩むし、埋め立てた場所では地盤沈下します。そもそも日本は土地がデコボコしていて平面が少ない。戦後に開発されたような地域はたいがい造成地です。

 環境に問題が発生しても引越しができないのも困ります。たとえば、まわりに気に入らない建物ができるかもしれません。陽をさえぎるような大きなビルや人が集まってうるさい公園ができるかもしれません。隣近所とのトラブルも発生するかもしれません。土壌からダイオキシンが見つかるかもしれません。

 こんな場所はごめんだと家を売って引っ越したいと思っても、売値が購入価格よりかなり安くなっている可能性もあります。

 住宅(ローン)は長期間の支出が継続するだけではなく、いろいろなリスクを抱えていることがわかっていただけるでしょう。

 一方、賃貸住宅のいい点は、上に書いたことと逆になります。地震などの災害にあっても、環境に不満があっても、引っ越せばいいのです。今後は人口減少により賃貸住宅はどんどん安くなる可能性がありますし、自分の生活スタイルに合わせた間取りに変更していけばいいのです。

 やはりリスキーなのは家・マンションを買った場合、ローンで買えばなおさらです。


「非婚」のすすめ (講談社現代新書)
森永 卓郎
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一生賃貸!
エイブル

一生賃貸!
いま、マンションを買うのはやめなさい―「家賃を払い続けるくらいなら…」という価値観を見直せ! (アスカビジネス) 住宅購入学入門-いま、何を買わないか (講談社+α新書) もう後悔しないぞ、部屋探し お部屋探しのプチトリック マンションはこうして選びなさい―マンションの販売価格はこうやって比較しなさい
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テーマ : 節約
ジャンル : ライフ

広告・販売のテクニックに気をつけろ

 広告は素晴らしいイメージで私たちの購入意欲をかきたてます。その商品を手に入れればきっと幸せになれるだろうと私たちに想像させます。その想像は現実を反映しているわけではありません。広告会社が作ったイメージであり、そのイメージを元にした私たちの想像にすぎません。

 とりわけ広告が巧妙なのは、広告が私たちを気分よくさせるイメージを使う点です。「われわれは未来の感情を予測するとき、自然と現在の感情を出発点とするため、未来の感情が実際以上に今の感情に似ていると思い込んでしまう」(ダニエル・ギルバート『幸せはいつもちょっと先にある』早川書房)のです。

 テレビや雑誌やインターネットの広告を見て、素晴らしいイメージで気分がよくなったとしても、それが現実の未来に訪れるとは限りません。広告を見てうっとりしたら、自分は悪い魔法にでもかけられていると思ったほうが賢明です。

 広告と気づかずに洗脳されていることもあります。テレビのCMや雑誌の広告ページだけが広告ではありません。番組と見分けがつかないような広告、記事と見分けがつかないような広告が増えています。番組の中でさりげなく紹介されている商品があります。テレビドラマに登場する登場人物が使っている携帯電話、身が着ている衣服、部屋のインテリア。どこにでも商品がはいりこんでいます。バラエティー番組ではお店や企業とのタイアップは当たり前です。

 インターネットの口コミも信用できません。自腹で買った商品を紹介しているフリをして、じつは企業から便宜供与を受けていることもあります。アフィリエイトのように紹介料が入るため本人はまったく気に入っていない商品でも褒めているケースもあります。

 電気店の店頭で実際の商品を見比べながら購入を決めるときも気をつけてください。

 とても手が出ないほど高価な大型薄型テレビは、それより安い商品を買わせるための、オトリかもしれません。人はある商品を単独で見るよりも、より高い商品を見た後に、その商品を見たほうが安い商品だと感じてしまいます。

 似たような商品ばかりが並んでいる売り場で、おすすめ商品の美点を並び立てる店員にも気をつけましょう。人は多くの似たものを前にすると迷ってしまってひとつを選ぶことができませんが、ひとつの商品だけ差を際立たせてある場合、それを選んでしまいがちです。
あちこちに巧妙な売りのテクニックがあなたを待ち受けています。

 そしてなによりも思い出して欲しいのは、何かを買って生活の中で使ってみても、どうせ満足は長続きしないということです。嬉しいのは最初だけです。すぐに人は慣れてしまいます。そして、想像の中での素晴らしいイメージは現実によって裏切られます。

 かくて家の中には使わない商品があふれることになります。なぜそれを買ったのか後になると理解できない商品を誰もが押入れに隠しています。


幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学
熊谷 淳子
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明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045) (アスキー新書 45)
佐藤 尚之
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テーマ : 節約・暮らしの知恵
ジャンル : 結婚・家庭生活

消費しない消費スタイル

 個性化/差異化はメーカーによって意図的に作り出されるようになりました。同じ型番のデジカメでも色違いのものがたくさんあります。デザインをちょっとだけ変えた類似商品、オプションによるオリジナル性の強調も盛んです。所詮メーカーのお仕着せなのですが、消費者はそこに個性があるのだと思っています。

 メーカー品で飽き足らない人はインディーズ系の商品に手を出します。とりわけファッション関係にはそういう「個性」を求める人に向けた商品がたくさん用意されています。これもまた業者の手のひらの上で遊ばされている構造に変わりありません。

 バブル崩壊以後、こうした若者特有のこだわりの消費や身に着けるもので自分を語る「モノ語り」の感覚がより目立つようになって来ました。いかにも「お金を使っています的な消費」よりも「自分だけのオリジナルの消費」という幻想へと時代は傾斜してきたように見えます。

 そこで消費者を支配するのは「他人との差異を際立たせて自己の独自性を認めてもらいたい差異化への欲望」(『ヴェニスの商人の資本論』)です。自分の個性を求めて、自分を肯定するために、消費という行為に向かいます。自分探しの消費といってもいいかもしれません。

 本人はその幻想性に気づきません。気づかないからこそ、個性であると思っています。気づいてしまえば、なんとも寂しく惨めな自分の姿が発見されるだけです。モノで語られた自分など所詮そんなものです。

 裕福さを誇示するような見せびらかしの消費に比べれば、まだしも浪費的な性格は弱いとはいえ、個性化/差異化もまた幻想を購入するという新しい形の浪費への傾斜を内包しているという意味で、B級遊民にとっては危険な消費のあり方です。

 B級遊民ならば、「消費しない消費スタイル」こそが目指すべき消費です。消費しない消費スタイルというのもおかしな表現ですが、これからの新しい消費スタイルは消費に積極的な価値を見出さない形での消費になるのではないでしょうか。

 消費に対して積極的でない若者が最近になって増えていることは、ニュースなどで確認できます。彼らの中に生まれてきた新しい傾向を私は肯定的に見ています。

 都会では若い人が自動車を買わなくなりました。2007年の国内新車販売台数は、軽自動車を含めて535万台で前年比6.7%減でした。販売台数のピークだった1990年の777万台と比べると31%も減少しています。

 自動車だけではありません。日経新聞社の調査では首都圏に住む20代の若者を「車を買わず、酒もあまり飲まない。休日は自宅で過ごす。無駄な支出を嫌い、貯蓄意欲は高い」と分析しています。「消費を喚起するにはかなり手ごわい相手といえそうだ」と記事は結ばれています。(日本経済新聞2007年8月22日『20代の暮らしぶり地味、貯蓄意欲は高め・日経調査』)

 このような傾向が現れた背景には、若い人を中心に非正規雇用が増えて収入が減っているという経済的理由と将来の見通しの暗さがあるのでしょうが、それだけが理由とは思えません。物質的に恵まれた中で育ちながら、物質によってはそれほど幸福が高まるわけでもないと認識した若者が実際に増えているのではないでしょうか。(増えているといっても少数派でしょうけど)

 「自動車? かっこわるいよね」といったような価値観がそろそろ生まれてもいいでしょう。なにしろ歩くことこそ人間の自然なのですから。自分だけのオリジナル高級自動車よりも歩きやすくて丈夫な靴の方が欲しいと思う人が増えることを願っています。


ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)
岩井 克人
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イギリス式お金をかけず楽しく生きる (+α文庫)
井形 慶子
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浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ (カッパ・ブックス)
サンドラ ヘフェリン
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テーマ : 節約
ジャンル : ライフ

消費社会の個性化/差異化

 消費(商品)の持つ記号性に着目して現代的な「消費社会論」を展開したのはフランスの思想家、ジャン・ボードリヤールでした。彼は1970年に書いた『消費社会の神話と構造』で社会学でいうところの「記号消費」を分析してみせました。

 大量消費時代における物の価値は使用価値ではなく、記号としての価値だとボードリヤールはいいます。商品は他者との差異を示す「記号」としての役割を持っていて、商品を選択的に消費することは自分と他者との違いをしらしめることになります。たとえば、消費は「もっと自分らしいモノ」「もっと個性的なモノ」「もっとオリジナルなモノ」を求める行為となります。そこでは消費は個人や集団のたんなる権威づけの機能を超えて、個性の表現(個性化/差異化)へと向かうことになります。

 図式化するとこのようになります。

 必要性(使用価値)→権威付け(見せびらかしの消費)→個性の表現(個性化/差異化)

 このように記号消費が進んだ社会が「消費社会」だとボードリヤールは考えました。

 商品は意味づけられています。消費者はその意味を理解したうえで消費します。すると消費が一種の言語活動、すなわち一種のコミュニケーションとなります。

 たとえば、四輪駆動車はかつて未舗装の道路で作業をする人たち使う自動車でした。それがやがて都市生活者がアウトドアを楽しむライフスタイルの記号(シンボル)となりました。消費者はそういう商品の持つ意味を知って消費することで、他人に自分のライフスタイルを示すことになります。消費は、個性の表現であり、コミュニケーションであるというわけです。


消費社会の神話と構造 普及版
Jean Baudrillard 今村 仁司 塚原 史


わたしたち消費―カーニヴァル化する社会の巨大ビジネス (幻冬舎新書 す 1-1)
鈴木 謙介
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テーマ : 節約
ジャンル : ライフ

見せびらかしの消費

 人間の競争心はより多くの収入を求めるだけではなく、より多く支出=消費することへも向けられます。

 消費は自分の物質的欲望を満たすだけが目的ではありません。虚栄心を満たすことが目的になることもあります。自分の消費ぶりを他人に見せることで自分がどれだけ裕福であるかを示すことができるからです。こうしたステータスを誇示するための消費を「見せびらかしの消費(conspicuous consumption)」といいます。(T・ヴェブレン『有閑階級の理論』)(顕示的消費とか誇示的消費と訳すこともあります)

 見せびらかしの消費においては、ある商品が自分のための必要であることを超えて、他人に見せるたことで自分のステータスを誇示するように機能します。家や自動車や装飾品や服装が自分の地位の高さや所属する階層を他者に認識させます。

 今でこそみられなくなりましたがミンクのコートはかつて見せびらかしの消費の代表でした。指輪、高級腕金時計、高級靴、ブランド品などは人に見せるために購入され、身につけられます。さらにお金があれば大きな邸宅、庭園、プールなどを購入するかもしれません。

 高級車はもとよりヨットを買うことや、ゴルフや高級スポーツクラブなどのクラブの会員なるなどもステータスを誇示する消費です。

 その目的は他人に勝つことばかりではありません。自分があるグループに所属していることを認めて欲しいとする「他人を模倣して他人と同一の存在であると認めてもらいたい模倣への欲望」(岩井克人『ヴェニスの商人の資本論』ちくま学芸文庫)もあります。

 社会学者の加藤秀俊はこうした消費のあり方を「血統、家柄、その他もろもろの旧『身分』がモノを言わなくなった近代社会では、消費の質と量が、人間の社会的地位をはかるモノサシとしていつの間にか通用するようになってきたからである」(『新しい消費者像』)と説明しています。

 ブランドものや高級品にはこのようなモノサシとしての機能が含まれています。たんに使い勝手がいいとかデザインがいいとかだけで、それらの商品が選ばれているわけではありません。商品は富の象徴になります。しかもそれは「心理的には身分的上昇の感覚を提供する」のです。

有閑階級の理論―制度の進化に関する経済学的研究 (ちくま学芸文庫)
Thorstein Veblen 高 哲男


恋愛と贅沢と資本主義 (講談社学術文庫)
Werner Sombart 金森 誠也
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ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)
岩井 克人
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テーマ : もっとイイ暮らし
ジャンル : ライフ

浪費戦略に気をつけろ 6~10

 第6作戦 「きっかけをあたえる」

 各業界団体がそれぞれ「何々の日」をもうけて、キャンペーンを繰り広げています。石川は読書週間、虫歯予防デーを例にあげています。どちらも関連団体にとって売上を伸ばすためのきっかけになります。毎月1日(都道府県により異なる)の映画の日もよく知られています。最初12月1日だけだった映画の日が毎月1回に増えたのも映画普及に役立つからです。

 第7作戦 「単能化させる」

 男性用と女性用の消臭剤、TPOで使い分ける眼鏡、腕時計、服装、靴など「目的に応じて顧客に相異なった商品をすすめる」ことです。ファッションを中心にあらゆるジャンルにこの単能化はひろがっています。同じ商品を使い分けることもここに分類してもいいかもしれません。仕事とプライベートで携帯電話を使い分けることはその典型です。

 第8作戦 「セカンドとしてもたせる」

 セカンド・カー、セカンド・ハウス、セカンド・カメラを石川はあげています。セカンドどころか一人一台というのも増えています。自動車もテレビもステレオ機器も電話もカメラも一人一台の時代になりました。

 第9作戦 「予備をもたせる」

 ビールやフィルムなどのストックと電球やタイヤなどのスペアの二つの意味があると石川は指摘しています。仕事でパソコンを使う人は予備のパソコンを用意している人が多いはずです。

 第10作戦 「旧式にさせる」

 モデルチェンジにより以前の商品がまだ使えるにもかかわらず古いものだと意識させます。こうした手法は計画的陳腐化とも呼ばれ、電機産業と自動車産業がこの手法を確立しました。ファッションの世界での流行色も実際に流行して色ではなく、業界の識者で構成される委員会が決定した流行色を大衆に広めるという意図的なものです。

 以上の10の戦略により企業は広告をよって消費者を洗脳し、浪費させます。無駄な買い物をしないためには、こうした事実をまず認識することが大切です。その商品が本当に自分に必要なものなのか、それとも誰かにそう思いこまされているのかを見きわめることで浪費から自分を守らなければなりません。

 再掲載:「浪費を刺激する10の戦略」林周二
  第1作戦 「捨てさせる」
  第2作成 「無駄づかいさせる」
  第3作戦 「贈り物にさせる」
  第4作戦 「蓄(た)めさせる」
  第5作戦 「抱きあい商品にする」
  第6作戦 「きっかけをあたえる」
  第7作戦 「単能化させる」
  第8作戦 「セカンドとしてもたせる」
  第9作戦 「予備をもたせる」
  第10作戦 「旧式にさせる」


ポスト消費社会のゆくえ (文春新書 633)
辻井 喬
4166606336


「欲望」と資本主義―終りなき拡張の論理 (講談社現代新書)
佐伯 啓思
4061491504

テーマ : 節約・暮らしの知恵
ジャンル : 結婚・家庭生活

浪費戦略に気をつけろ 1~5

 必要もないのにお金を使うことを浪費といいます。

 誰も浪費はしたくないと考えながらも、知らず知らずのうちに浪費をしています。最大の理由は、浪費と思わせずに無駄にお金を使わせるマーケティング戦略が発達し、広告が巧妙になり、私たちが気づかないうちに洗脳されているからではないでしょうか。

 20世紀の半ば頃にアメリカで生まれた「浪費戦略論」は、企業が消費者にいかにして浪費をさせるかを考えたひとつの成果です。ヴァンス・パッカードの『浪費を作り出す人々』はそうした浪費戦略を批判するために書かれましたが、実際にはマーケティングの教科書のようにして読まれたとは社会学者、石川弘義の指摘です。

 マーケティングの研究者である林周二が浪費戦略の日本版である「浪費を刺激する10の戦略」を書いています。石川の『欲望の戦後史』(廣済堂出版)から引用しながら、解説することにします。

 第1作戦 「捨てさせる」

 使い捨てカイロ、百円ライターなどの使い捨て商品がこれにあたります。紙コップ、紙の皿、割り箸などもそうです。チューブや缶には内容物が残り、最後まで使い切ることなく捨てるので、これも捨てさせる戦略だとパッカードは指摘しています。

 第2作成 「無駄づかいさせる」

 石川は大きめの角砂糖やエアゾール式容器を紹介しています。エアゾールは「ちょっと一押ししただけでスーッとでる。でてしまった以上、もとへもどすことができない」からです。

 第3作戦 「贈り物にさせる」

 ヴァレンタインデー、ホワイトデー、クリスマスなど贈り物をするのが当然であるようなイベントがあります。広告によってこれらのイベントは贈り物をする日であるというイメージを広め、定着させました。今まで贈り物とは考えられなかったようなものを贈り物とする戦略もあります。「男性に男性用香水を贈って使わせる」ようなことです。

 第4作戦 「蓄(た)めさせる」

 ホームバーの洋酒のビン、書物の全集がこれにあたります。コレクションさせることを前提にしたシリーズものもいろいろあります。ディアゴスティーニの分冊シリーズは全巻買うことで全体が完成します。ビックリマンチョコはおまけのシールを集めることでひとつの世界が完成します。

 第5作戦 「抱きあい商品にする」

 抱き合わせ販売は法律で禁止されていますが、人気ゲームソフトのドラクエと不人気ゲームソフトのセット販売、マイクロソフト社のウィンドウズへのインターネットエクスプローラのバンドルなど、過去に問題になった抱き合わせ販売は多くあります。違法性はありませんが、ある中心商品とそのアクセサリー類という関係も多くあります。たとえば、iPodにはクレードルなど多くの関連商品があります。石川はカメラと革の速写ケースを例にあげています。


欲望の戦後史―“多幸症”日本人のプロフィール
石川 弘義


浪費をつくり出す人々 (1961年)
ヴァンス・パッカード著、南 博 石川 弘義訳


浪費するアメリカ人―なぜ要らないものまで欲しがるか
Juliet B. Schor 森岡 孝二
4000025848

テーマ : 節約・暮らしの知恵
ジャンル : 結婚・家庭生活

結婚のデメリットは自由が失われること

 最後に結婚のデメリットを確認しておきましょう。

 2004年の厚生労働省「少子化に関する意識調査」で、結婚の良くない点、デメリットは何かについて尋ねています。男女ともに多かった答えが次の3つです。

 ・自分の自由になる時間が少なくなる
 ・行動が制限される
 ・自分の自由になるお金が少なくなる

 要するに自由が失われることが結婚のデメリットだと答えています。

 「自分の自由になる時間が少なくなる」ことは、B級遊民にしてみればとてもつらいことです。結婚をすれば家族との時間を持たなければらなりません。通常、家族が一緒にいるのは朝と夜です。朝は食事をする時間くらいですが、夜には好きなことをして過ごしたいと思うのがB級遊民です。しかし、夜に好きなことをすれば家族とのコミュニケーションの時間が取れません。家族の絆を弱めてしまいます。これでは家庭人として問題です。最近は長時間労働が増えていますから、ますます自分の時間を確保することは難しくなっています。

 結婚により「行動が制限される」のもまたつらいことです。自分勝手に生きることこそが道楽に生きるB級遊民の道です。納得するまで自分の趣味を楽しみたいと思っています。長期休暇を取って遊びに行きたいと思っても、家族を抱える身ではなかなか実行できません。突然田舎暮らしを実現したくなっても、海外ロングステイしたくなっても、家族の反対にあってほとんど無理でしょう。独り身であればいささか無茶に思えることでも実現できますが、家族持ちには責任が重くのしかかります。

 「自分の自由になるお金が少なくなる」ことも深刻な問題です。B級遊民はそもそも高収入を望んでいるわけでありません。自由にやりたいのです。そしてなけなしのお金も自分の自由のために確保したいのです。結婚すればそんなことは不可能です。そもそも家族を扶養するために稼がなければなりませんし、稼いだお金は当然家族のために使います。

結婚の初期費用にお金がかかることも見逃せません。「ゼクシィ結婚トレンド調査2005」によると、結納・婚約から新婚旅行までにかかった総費用の全国平均が382万円です。半分ほどは親が負担するようですが、それでも二人で200万円前後は用意しておかなければなりません。それまで貯めておいたお金が100万円単位で消えてしまうのは、実に残念です。

 このように見てくると、結婚はB級遊民との相性が悪いといわざるを得ません。結婚のデメリットはそのままB級遊民を直撃します。B級遊民は独身主義にあらず、ではありますが、結果的には独身でいた方が実現しやすいのは間違いありません。


独身者の住まい
竹山 聖
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最後の独身貴族 (ハーレクイン・ディザイア 1213)
高瀬 まさ江
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テーマ : 結婚できない?しない?
ジャンル : 独身・フリー

離婚と死別ではねあがる自殺率

 離婚はしばしば男性に大きなマイナスをもたらします。まず、離婚をすると、健康が失われます。大きなストレスにさらされることと、食事をはじめとする健康管理が難しくなるためだと思われます。

 大きなストレスはウツ状態をまねきます。人によっては心身へのダメージがかなりあるようです。

 また、結婚中は妻に健康管理を任せている人が多いでしょう。とりわけ食事は妻任せです。それが一人身なって、面倒だからとコンビニ弁当ばかりになれば、健康を大きく損なうことになります。

 離婚男性の自殺率が高いことにも注目すべきです。一般に、女性の自殺率は低く、離別、死別の影響も男性ほど大きくはありません。女性は精神的にタフです。離婚がマイナスに作用するのはやはり男性において強く見られる現象です。

 以下に離別(離婚と死別)による自殺率を年代ごとにあげてみましょう。有配偶男性(妻がいるひと)を基準とした場合の倍率を示します。カッコの中は未婚男性の自殺率です

離別による自殺率
 20代 … 21.7倍(未婚男性は2.7倍)
 30代 … 11.2倍(未婚男性は4.5倍)
 40代 …  6.2倍(未婚男性は3.3倍)
 50代 …  5.3倍(未婚男性は3倍)
 60代以上…3倍  (未婚男性は3.4倍)
     (湯沢雍彦『図説 家族問題の現在』より厚生省「自殺死亡統計(1985年)」)

 この数字を見ると、結婚の失敗は男にとってかなりの痛手になることは間違いなさそうです。結婚しても別れるくらいなら未婚のままの方がいいでしょう。

 このデータの面白いところは、若いときほど離別が自殺率に与える影響が大きいということです。年をとる徐々に離別の影響が薄れて、最後は未婚男性とほぼ同じになります。若いほど夢や希望が失われた絶望感を持ちやすいのでしょう。逆にいうと、結婚も長くなるとそれだけで夢も希望もなくなってくるということかもしれません。

 未婚者の自殺率の高さについてはすでに検討済みですが、追加すべき原因として「結婚が自殺を引き止める要因となっている可能性」があるかもしれません。

 死にたいと思ったときに、既婚者ならば妻や子どもの顔が浮かんできて、「おれが頑張らなきゃ」と思いますが、未婚者はそういう気持ちは起こらずにそのまま自殺に突き進んでしまう。そういうことはあるかもしれません。

 しかし、逆にリストラや不況による重圧が家庭を支える父親により大きくかかるため、家族の存在がかえって自殺への誘引となっている可能性もあります。なかなか難しい問題です。新しい情報を得たら、また分析したいと思います。


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テーマ : うつ病(鬱病)、メンタルヘルス
ジャンル : 心と身体

熟年離婚で保険のメリットが失われる

 ここまで、結婚のメリットが希薄化していることを指摘してきましたが、少ないメリットであれ、それを得たい人は多いはずです。しかし、結婚そのものが不安定であり、失敗すれば大きな痛手をこうむることを忘れてはなりません。

 人口千人あたりの離婚件数は、1975年で1.07件だったのが、2004年で2.15件と倍以上になっています。離婚件数から導き出した一次回帰線は右肩上がりで順調に伸び続けています。離婚件数÷婚姻件数で計算する離婚率では、1975年で12.6%だったのが、2004年で37.7%とこちらは3倍以上となっています(婚姻件数が減っているため)。

 世界の中ではトップクラスではありませんが、伸び率は大きく、今後トップクラスになる可能性は多いにあります。

 その内容にも注目してみましょう。

 まず、夫が定年退職したことを契機に離婚をする熟年離婚の増加です。婚姻期間20年以上の熟年離婚は急激に伸びており、お互いが必要となる晩年に離婚の危機が高まる傾向にあります。

 高齢になって配偶者を必要とするのは男性のほうです。夫の方が年上であり、平均寿命も短いために、さきに老い、衰えていきます。夫にとって妻が必要であっても、まだまだ元気な妻が衰えてしまった高齢の夫の面倒を見たくないのは当然でしょう。

 長年にわたって家族を養ってきたのに、熟年になって離婚されたのではなんのためにがんばったのかわかりません。保険のメリットなど霧消してしまいます。このような悲惨な結末が増えていることは忘れてはいけません。

 年代別に見た場合、若い世代ほど離婚率が上昇していることも見逃せません。今後も離婚率が伸びていくであろうことを予測させるからです。年をとってから妻に離婚をせまられる夫が増えることは必定でしょう。

 離婚が増える背景には日本が離婚しやすい社会になってきた事実があります。

 離婚を受け入れる社会の意識の変化。女性の就業率、収入の増加。財産分与の公平さなどです。とりわけ夫婦が離婚したら財産の半分が妻名義になる可能性があることは男には大きなリスクとなっています。結婚後に築いた資産は「夫婦双方の努力による資産」とされています。

 むろん男性側に大きな落ち度、たとえば浮気、妻への暴力、精神的虐待、家庭を捨てて顧みなかったなどですが、それらがなければ、協議によって慰謝料、財産分与ともになし、ということになります。ですから財産の半分というのはあくまでも可能性です。

 ちなみに結婚20年以上の夫婦の慰謝料と財産分与の平均額は699.1万円と意外と少ないものです。

 2007年4月以降の離婚においては、老齢厚生年金は離婚した妻にも一部分割されることになりました。専業主婦であれば結婚していた期間に夫が納めた保険料に対応する夫名義の厚生年金の権利を、最大で2分の一まで、共働きであれば、結婚期間の保険料に相当する厚生年金を夫婦で合算した額の半分までがもらえます。そして、いずれの場合でも基礎年金は分割せずに自分の分がそのまま受け取れます。

 この制度により今後熟年離婚はますます増加することが予想され、結婚による保険のメリットはますます低下していくことになります。

 離婚に関しては、もうひとつ、面白いデータがあります。男女の所得格差が大きいほうが離婚しにくく、逆に、男女の所得に差がない場合は離婚率が高いことがわかっています。つまり男の方がより多く稼いでいる夫婦の方が離婚はしにくいということです。(八代尚宏『結婚の経済学』)

 となれば、多くのお金を稼ぐつもりのないB級遊民は結婚しても離婚の危険性が高いことになります。結婚には多くを期待できないということです。


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テーマ : 別居・離婚
ジャンル : 結婚・家庭生活

独身男性の死亡リスクとはなにか?

 「妻がいない」男性の死亡リスクは、「いる」男性の79%も高くなるという話が少し前に出てきました。(愛媛大医学部の藤本弘一郎助手の調査(2002年))

 なぜそうなのかは不明なのですが、私が勝手に推測して検討してみたいと思います。(信憑性はありません)

 一番目の理由として考えられるのは、独身者は食事が貧弱で栄養のバランスが悪いから早死にする、という仮説です。

 若い世代より年配の世代ほど、最近より昔ほど、そして都市部より地方ほど、この傾向があらわれやすいと推測できます。

 昔は「男子厨房に入らず」などといって、男が台所に立ち料理を作ることは恥とされていました。ですから男の一人暮らしはどうしてもろくなものを食べない結果になりやすかったようです。しかし、若い人は自分でも料理を作れる人が多いので、古い世代ほどの影響はないでしょう。

 最近は昔よりも中食(惣菜屋、インスタント食品)、外食ともに発達しています。そのため誰でも簡単に栄養のバランスと取れた食事が簡単に取れるようになりました。この傾向はますます強まるでしょう。

 そして、この中食、外食ともに地方より都市の方がお店が多く、発達しています。

 以上の点を総合すると、都心に住む最近の若い世代ほど死亡リスクは低くなるだろうと予測できます。

 もっとも男であっても独身生活をする人は栄養学的知識を身につけて、死亡リスクを低める努力をすれば、食事は問題ないレベルまで容易に改善できます。今まで自炊をしなかった人はなんとか自炊をがんばるか、面倒でもきちんとした惣菜を売っている店までいくかすれば、問題はクリアできます。心がけの問題でしょう。

 二番めの理由として、独身男性の自殺率の高さがあげられます。

 悲しいことに既婚者に比べて(結婚経験のない)未婚男性は自殺率が3倍ほど高くなります。これは統計的にはっきりとあらわれています。

 未婚者は自殺率が高いのだから、結婚したほうがいいというのは早計です。なぜなら、原因と結果が逆ではないかと疑えるからです。

 もともと自殺と関連の高い因子を持った人は結婚をしない傾向にあるため、結果的に未婚者の自殺率が高くなるのではないでしょうか。

 たとえば、ウツ傾向、社会的不適応、障害、病気、貧困などを抱えている人はそうでない人よりも結婚をしないだろうと推測できます。これら自殺の誘引となる因子を持った人が独身のまま自殺をすれば、未婚者の自殺率を高めることになります。

 要するに、結婚しないことが自殺率を高めるのではなくて、もともと自殺率を高める因子を持っている人は結婚しないのです(推測です)。

 こうした事例をのぞいた上でなければ、「未婚であること」→「死亡リスクを高める」という方向で因果関係を考えることはできません。

 ちなみに結婚をしていても離婚や死別した場合は未婚者よりもさらに自殺率が高くなります。

 この場合は、離婚や死別によるストレスが自殺に関係していることが推測されます。肉親との死別が最大のストレスであることは有名ですし、離婚ストレスという言葉もあるくらいです。どちらも別れたショックが大きいのであって、これは独身のリスクとは違います。独身でいることそのものが自殺率を高めているわけではありません。

 三番目の理由としては、先ほども書きましたが、結婚における「保険としてのメリット」が受けられないことです。

 病気になった場合に、看病する人がいないとか、救急車を呼んでくれる人がいないという問題です。これは確かに有意な差があらわれそうです。

 携帯電話を持つことで自分でもSOSを発しやすくはなっていますが、急に倒れるケースを想定して急病になったことを感知する仕組みを開発導入することは考えてもいいいでしょう。他に、病歴、現在の病状、飲んでいる薬などの情報をまとめておく措置や手術についての同意をどうやって得るかの方策も必要です。

 単身者の急病問題は結婚するしないとは別に増大しつつある社会問題です。今後も単身家庭が増え続けることを考えると、なんらかの対策を立てなければならなくなるでしょう。一部の自治体では単身者が倒れた場合の便宜を考えて、冷蔵庫に医療情報を置いておくという対策を取ったりしていますが、部分的な対応にとどまっています。これからは国家的な取り組みが必要になってくると思われます。

 それまでは、この問題は一人暮らしには一番の心配の種であるといえそうです。

システム自炊法―シングル・ライフの健康は、こう守る (中公文庫)
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テーマ : 一人暮らし
ジャンル : 独身・フリー

独身者は公的援助を受けやすい

 それでは夫婦の間の「保険としてのメリット」はどうでしょうか。問題が起きたときに配偶者は助けてくれるのでしょうか。

 軽度の病気や事故であれば家に誰かいてくれればとても助かります。共働きでは病気になったときの看護がやや不自由ではあるでしょうが、一人暮らしよりはよっぽどましです。身の回りの世話をする必要があれば、配偶者は休みを取って対応するでしょう。

 自分が倒れて緊急で病院にいかなければならない場合も配偶者がいるおかげで命拾いをすることもあるはずです。独身男性が死亡リスクが高い理由の一つはこれではないでしょうか。夫婦では男の方が年齢が高いので、男が倒れるケースが多いでしょう。そのときに家族がいれば、救急車を呼んでもらえます。

(もっとも、そのおかげで障害を抱えて生きつづけたり、寝たきりになるリスクも増加します。命拾いが必ずしもよい結果を招くとは限りません。この話題については後に述べます。)

 このように保険としてのメリットははっきりとあります。否定のしようもありません。

 しかし、深刻な事態が長引く場合はどうでしょう。重い病気や障害を抱えていれば配偶者や家族にかかる負担が大きくなります。自分が面倒を見てもらうばかりではありません。自分が家族の面倒を見なければならないこともあります。看病や介護が家族に心中を考えるほどに重い負担をもたらすこと珍しいことではありません。

 それでも独身でいるよりはましだろうと多くの人は考えるでしょう。ところが独身者が窮地に陥った場合、誰からも面倒を見られずに放置されるということはありません。家族にいない人ほど公的な援助や介護を受けやすくなるからです。

 たとえば、生活保護は身寄りのない単身者は受けやすく、援助できる家族のいる人は受けにくくなっています。家族がいるなら家族が面倒を見るべきで、公的機関が手を差し伸べる必要はないと国や自治体は考えているからです。

 特別養護老人ホームも単身者の方が入りやすくなっています。

 特別養護老人ホームの入所順位の基準は要介護度・日常生活自立度、介護者の状況、特記事項などが勘案されてポイント制で数値化されます。そこで重要になってくるが、介護者の状況です。身寄りがないなど介護する者がいない場合は、最高のポイントがつきます。つまり、要介護レベルが同じならば、身寄りがない人は優先的に入所できるのです。

 一般に、身寄りのない独身者は公的な援助が受けやすくなっていて、このことはより深刻な事態において顕著です。国民の生命と財産を守るという国の役割からすれば、孤立無援の人間を先に救うというのは当然の判断です。

 結婚という「保険としてのメリット」は否定できませんが、公的援助は後回しになります。そしてなんの助けもない人に対しては国や自治体が優先的に手を差し伸べます。このことは覚えておいたほうがいいでしょう。


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子どもは「保険」にはならない

 最後は生活白書が指摘するところの「保険としてのメリット」です。『平成17年版国民生活白書』によれば、それは「どちらかが病に倒れるなどの不測の事態が生じたときに、配偶者と助け合える」ことです。

 生活白書では、配偶者と限定して書かれているが、子どもがいれば、当然子どもに助けられることもあるでしょう。子どもが小さいうちは保護の対象ですが、子どもが働くようになれば逆に面倒を見てもらうことは可能です。

 ところが最近は子どもには頼りたくないという人が増えています。平成17年度の生活白書によると、老後の暮らしを子どもに「たよるつもり」と答えた割合は20%以下となっています。年齢別にみると、男女とも若い人ほど「たよるつもり」が少なく、年をとるほど増えてきます。若い世代ほど子どもに頼りたくないと考えてもいます。

 内閣府「国民生活選好度調査」では、老後働けなくなったときの生活費をたずねています。1999年の数字で、年金・恩給で暮らすが59.1%、貯金や財産で暮らすが25.5%、子どもに面倒をみてもらうが4.2%となっています。生活費に限れば、子どもに頼る考えはほとんどありません。

 経済面では子どもには頼らないことはもはや常識となっています。それ以外の面でも子どもの頼らない傾向は顕著です。現在の日本では、子どもは保険ではないということです。

 子どもはただ育ててあげるだけ。楽しみとして子どもを育てたら、それで終わりです。とくに見返りを期待しているわけではありません。育てること自体が楽しみであり、生きがいなのです。

 子育て後には親子が一緒に暮らさないことを示すデータもあります。高齢者がどういう家族環境にあるかを調べた18年度の生活白書では、60歳以上の者がいる世帯全体において三世代同居が激減しています。単独世帯は8.8%から20.4%と倍増し、夫婦のみ世帯も14.6%から30.4%へと倍増しています。

 楽しみとして子どもを育てても、自分が年をとれば、子どもとなはれ、さらに配偶者ともはなれ、最後は一人で暮らすことになります。そのような道筋が見えてきます。

 結婚し、子どもができても、面倒を見てもらうことは少ないのです。子どもには保険のメリットは期待してはなりません。これは間違いのないことでしょう。

 そうしてみると生活白書が「保険としてのメリット」を「配偶者と助け合える」として規定したのは正解でした。子どもは保険ではないということを認識しているのです。

おひとりさまの老後
上野 千鶴子

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情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

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