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映画 『ムーラン・ルージュ』 愛という名のエゴイズム

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 ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー主演のミュージカル映画です。

 娼婦でキャバレーのショーガールであるサティーン(ニコール・キッドマン)に貧乏な作家であるクリスチャン(ユアン・マクレガー)が恋をするという話。

 「この世で一番幸福なのは、愛し愛されること」なんてセリフを繰り返し、オーバーな感情表現に満ちたファンタジーを展開しますが、徹底的にだまされてコケにされるウースター公爵(リチャード・ロクスバーグ)がかわいそう過ぎます。

 だまされ、金を取られ、傷つけられ。クリスチャンを殺したくなるのも当然でしょう。

 最後は主人公サティーンを死なせることでケリをつけましたが、彼女はある意味悪役ですから、こうでもしないとバランスが取れません。

 これがもしサティーンとクリスチャンが結ばれるハッピーエンドなら、エゴイズムの勝利となってしまうところでした。なにしろこの映画は控えめにいっても、愛の映画というよりも愛という名のエゴイズム映画ですから。

 こういう安っぽいお涙頂戴的エンディングを好きな人も多いでしょう。美しい音楽とオーバーな演技で盛り上げ、感動させる要素はいろいろ詰め込まれています。しかし、私はストーリー的に納得できない印象を持ち続けました。

 映像はこってます。演出はしゃれているというよりもふざけていて、やりすぎ感がありますが、世紀末のパリのキャバレーという設定にはあっています。

 音楽は時代設定を完全に無視して、"Your Song"、 "Like a Virgin"、 "Roxanne"なんて曲を使っています。めまぐるしい曲の展開や新しいアレンジに面白さも感じますが、違和感もあります。

 でも、やりきった感はあります。挑戦的なミュージカル映画です。新しい映像体験や不思議な雰囲気に満ちています。そういう点では、ああ、よくやったよね、とほめたくなりました。

 それとユアン・マクレガーの歌がよかったこと。しばしば引き込まれました。これはマクレガーを楽しむ映画かもしれません。キッドマンも色っぽいけど、やはりマクレガーがよかったです。


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映画 『クライマーズ・ハイ』

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 御巣鷹山の日航機事故を取材する架空の新聞社、北関東新聞を舞台に展開する(ほぼ)男たちのドラマです。

 それにしても、なんという殺伐とした職場。ギスギスした人間関係。いつ殴り合いが始まってもおかしくない雰囲気。これだけ高ストレスの職場にいたら、普通の人は1週間と持たないのでしょう。見ているだけで胃が痛くなりそうです。

 でも、実際の新聞社がこれほどキツイとは思えません。日経新聞社に仕事の打ち合わせで行ったときは、もっと普通の職場でした。もっともそのとき、大きな事件があったわけでもなく、私は生活欄の担当者と会ったので、のんびりしていたのかもしれませんが。

 ともかくこの職場の雰囲気に圧倒されますが、事件が事件だけに取材記者はもうボロボロ。スーツ姿で山を登り降り、連絡手段がなくて、電話を探しまくる。

 キャップの堺雅人のヨレヨレぶりが見物です。山に登ったもう一人は現場の惨状にショックを受けて発狂してしまうし。

 主役は、日航機事故担当全権デスクとなる悠木和雄。演じるのは堤真一。彼が部下や上司との葛藤の中で仕事を進める姿がストーリーのメインとなります。

 悠木のプライベートもからめてストーリーは進みますが、プライベート部分は丁寧に描かれていないし、詳細もよくわかりません。中途半端ですね。

 悠木とやりあう部長、次長クラスの人たちの濃さといったらありません。絶対に付き合いたくないタイプの人たちばかりです。 
 
 そのほか、社長、販売部長ともう最悪の人間たちがこれでもかこれでもかと登場します。

 ほとんどいやがらせですよ、これは。

 しかし、所詮は他人事、どんなに最悪の職場でも、私には関係なし。映画として面白いです。

 残念なのは、なんで「クライマーズハイ」なのか、ということ。なんで山登りが重要そうな背景となっていて、このタイトルをつけたのか。よくわかりません。仕事もきついとハイになるということでしょうか。

 過労で死んだ安西(高嶋政宏)の存在も原作ではきっともっと意味があったのだろうと思います…。

 ちなみに、NHKのドラマでも「クライマーズ・ハイ」をやっていました。こちらは佐藤浩市が主演。ハゲタカの大森南朋も出ていました。amazonではNHKドラマ版の方が評価が高いです。

 ちょっとネタばれになるかもしれませんが、この映画はアンチクライマックスです。一番盛り上がって感動するはずの場面で、ずっこけます。歓喜のラストを期待してはいけません。

 これがハリウッド映画なら、間違いなく「スクープ取ったどー、やったぜ悠木ちゃん」となります。原作を捻じ曲げてもやります。それをやらない日本映画はやっぱり世界のマイナー。よく言えば、原作を大切にする良心的な作り。でも映画的にはこれでよかったのでしょうか、疑問です。

↓テレビ版もいいです。
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映画 『何がジェーンに起ったか?』

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 はじめて観たベティ・デイビスの映画がこれです。もちろん名前だけは知っていました。かつて「ベティ・デイビスの瞳」があって、どんな美人女優かと思っていましたから。それが…。

 ジャンルとしてはサイコ・サスペンス。そして二大女優の主演。

 ベティ・デイビスが演じるのは、かつて子役スターベビー・ジェーンとして人気者だったジェーン・ハドソン。ジョーン・クロフォードが演じるのは、姉のブランチ・ハドソンです。妹ジェーンの人気がかげった後、姉ブランチの人気が出てきて、立場が逆転します。しかし、ある日、ブランチが事故で下半身不随になります。何者かに自動車をぶつけられたかのように見えますが…。

 月日は流れ、老年となった姉妹二人の生活が映し出されます。車椅子生活のブランチは妹ジェーンに多くを頼って暮らしています。しかし、ジェーンはなにかとブランチにつらく当たり、それが徐々にエスカレートしていきます。

 主演の二大女優は年老いた姉妹を演じています。とりわけジェーンを演じるベティ・デイビスは老醜をさらけ出し、狂気じみていて、過去の栄光への思いが立ちがたく、すさまじい執着と勘違いぶりを見せてくれます。

 日本の女優は年をとってもこんな役はやらないでしょう。しかもおそらくは監督の期待以上に演じきっています。この役者魂、女優根性は見上げたものです。ハリウッド映画もなかなか奥深いです。

 そして、肝心のストーリーも見事。よくできています。わくわく、はらはらするサスペンスが続き、衝撃のラストへとまったくゆるみがありません。

 間違いなく傑作映画です。

 ジョーン・クロフォードもいいんですが、ベティ・デイビスの怪演が強く印象に残ります。まさか「ベティ・デイビスの瞳」が歌っていたのは、このときのベティ・デイビスじゃないでしょうね。

 モノクロ時代のこういうしっかりした映画を見ると、映画本来の面白さとは何なのだろうと考えさせられます。SFXも嫌いじゃありませんが、しっかりしたストーリーはやはり必要です。


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映画 『ツォツィ』

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 2006年アカデミー賞外国語映画賞受賞した英・南アフリカの合作。

 最悪の都市・ヨハネスブルグに育った不良少年に訪れる魂の再生物語です。

 主人公のツォツィ(不良、チンピラの意味)は、貧困街で育ったギャング。自動車強盗した車に乗っていた赤ん坊をつれて家に帰ることで、人生が大きく変わります。

 ツォツィは、この赤ん坊に自分を重ねてみています。近所の若い女ミリアムを銃で脅して赤ん坊に乳を飲ませるとき、ツォツィはまるで自分が母親から乳を飲まされているような感情を抱きます。

 エイズで死に掛けた母親、感染するから近づくなといわれていました。無慈悲で飲んだくれの父親はツォツィの犬を痛めつける。涙を流し、たまらずに家を飛び出したツォツィ。土管の中で暮らすホームレスの子どもとなりました。

 自分が愛された記憶がなかったのかもしれません。いや、母親が発病する前にはわずかにあったかもしれませんが、心の底に眠っていたのでしょう。

 ミリアムが赤ん坊をいたわり、愛情を向ける姿を見て、ツォツィはまるで自分が愛を受けたかのように癒されていきます。

 ミリアムが赤ん坊に向かって「名前は何なの?」と聞いたとき、ツォツィは「デビット」と答えます。「赤ん坊の名前はデビットだ」。それは誰にも明かさなかったツォツィの本名です。このとき、観客はツォツィがなぜ赤ん坊を連れ帰ったかに気づきます。

 自分の中にある人間的感情が蘇ることで、ツォツィは変わります。

 この映画の真のストーリーは直接的には描かれていません。観客のイマジネーションにゆだねられています。意味のわからない人はまったくわからないかもしれません。

 この映画は貧困の背景にあったアパルトヘイト(過去ではありますが)や黒人間にも発生した経済格差問題にはあまりふれていません。ただ金持ちと貧乏人がいることだけが提示されています。もう少し社会背景に踏み込めばさらにいい映画になったでしょう。

 作品中、先生とあだ名されている年上の男、「品位(decency)」という言葉を盛んに繰り返します。彼は「品位とは尊敬だ。自分自身に対する」と説明します。

 愛情を受けることがなければ、自分への尊敬も生まれません。愛された記憶の不足しているツォツィは品位を求められても、それは無理なことでした。彼は魂の癒しを受けることでやっと変わることができたのです。

 そして、最後には罪を償う決心もついたのかもしれません。ラストシーンはそのことを暗示しています。


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映画 『ユー・ガット・メール』

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 オリジナルストーリーかと思いきや、文通で知り合う二人という設定の『街角/桃色(ピンク)の店』のリメイク版だそうです。文通を電子メールに置き換えたところに当時は新らしさがあったのでしょうが、今となっては「ぴーひゃらひゃら」とダイアルアップ接続することに懐かしさすら覚えます。

 (ちなみに私はパソコン通信の時代からネットをやっています。最初に参加したBBSは「ナツメネット」でした。モデムの通信速度は2400bpsあったかどうか。)

 現実に会っている相手がじつはメールの相手であったという意外な事実だけでも話は成立しますが、大型店舗が個人商店を廃業に追い込むという現代的なシチュエーションをからめて、複雑化しています。さらにそれぞれに同棲相手がいますから、もっとややこしい話になりそうなところですが、そこはあっさりと話が進むのがいかにもポップでわかりやすいハリウッド映画です。

 この作品を魅力的にしているのはキャスリーン(メグ・ライアン)が経営している児童書の専門店がとても味があるつくりで朗読会を開いたりして、子ども成長を見守る文化的な機能を果たしているところです。たんなる小さい本屋ではつぶれるのもしょうがないという印象を持ってしまいますが、キャスリーンのお店はどうしても残したいという思いを観客にもたらします。

 対してジョー(トム・ハンクス)が出展するフォックス書店はいかにも大型書店の典型。日本でもこういう書店はたくさんできましたが、本の割引も行っているところが日本との違いでしょうか。しかし、これはこれで便利なわけで、私は大型書店歓迎派です。

 問題はこの二つのお店が向かい合っていて、大型店が良心的で文化的なお店をつぶしにかかることです。

 地域に固有の文化が巨大資本の安売り店に侵食されていく様は、グローバル化という名で世界各地で起こっている現象の縮図でもあります。

 映画の中ではそうした動きに反対する新聞、テレビの報道、反対運動が描かれますが、基本はラブコメディ。そこをながながと引っぱりはしません。ふたりの関係がどう逆転していくのかに焦点は移ります。

 ここで気になるのは、ジョーは大企業の御曹司であることです。もしこの恋愛が成就すれば、シンデレラ物語の要素を持ちますが、もともとはジョーが自分の店をつぶしたわけで、いわばマッチポンプにすぎません。

 二人の関係におおいにわだかまりを感じる人もいるはずです。自分がキャスリーンならジョーを許す気になれるだろうか。文化を理解していないジョーに共感できるだろうか、と。

 しかし、ジョーはキャスリーンの心をつかもうと努力をします。キャスリーンもまたうちとけていく。

 二人の間にあるはずのわだかまり。それを越えて恋愛は成就するのか、メールでの関係がある救いとなりえるのか、というところが興味の焦点です。

 この映画が現代特有の文化的問題を含んでいるのは間違いありませんが、すべての問題を「恋愛」により解決する、あるいはごまかしてしまうところが、ハリウッド的という批判もあるでしょう。予定調和的すぎるという批判も当然です。原作ではバッドエンドになっていたとウィキペディアにはあります。その方が納得でいる人もいるかもしれません。

 私は本作の結末でよかったと思います。キャスリーンの最後のセリフにはなぜか納得しましたし、涙も出ました。キャスリーンの心の動きに共感したからでしょうか。

 考えれば、不思議です。感動したのは事実ですが、なぜ感動したのか、自分でもよくわかりません。

 もう一度見れば答えが見つかるかもしれません。

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プロフィール

Author:Cozy
情報処理系講師、フリーライター。減速生活者にしてB級遊民。

Twitterはcozyoffです。
TwilogはCozy(@cozyoff)です。

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